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各部代表研修会  

2006.8.23 スピーチ(聖教新聞2006年下)

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1  きょうもまた、世界の知性の言葉などを通し、懇談的に語りたい。皆、研修をするために集ってくださっている。
 何かを新しく学ぶ。吸収する。信心を深め、自身を鍛えていく──そのための研修道場である。
 なお、この夏、長野研修道場を訪れた映画俳優で、SGI(創価学会インタナショナル)メンバーであるオーランド・ブルームさんから、「皆さまのご多幸を祈っています」との伝言が寄せられたので、ご紹介させていただく。
2  自身を磨け
 “ウクライナのソクラテス”と謳われる哲学者のスコヴォロダは述べている。
 「人間の心は鍛えなくてはならない。それを避けると、高潔な思想も、真理の理解も、英知の精神も、すぐさま高貴な素性とは相容れない、卑劣なものに染まってしまう」
 心を鍛えるのが仏法である。信心である。鍛錬がなければ、人間は堕落してしまう。
 ドイツの哲学者カントも述べている。
 「何人たりとも訓練なくして有徳であることはできない」(御子柴善之訳「コリンズ道徳哲学」、『カント全集20』所収、岩波書店)
 本当にその通りだ。リーダーこそ、率先して自身を訓練していかねばならない。
 牧口先生が傍線を引かれ、拝読しておられた御書の一節に、こう仰せである。
 「摩訶止観に『師にあわなければ邪な智慧が日ごとに増し、生死の迷い、苦しみは月ごとに甚だしい。密林で曲がった木を引きずるように、そこから出る時期がない』とある」(御書153㌻、通解)
 だれの指導も受けない。だれからも、何も言われない。それでは、だんだんおかしくなってしまう。
 師匠がいればこそ、自身の弱さを見つめ、それと向き合うことができる。正しい人生の道を歩み抜くことができる。
 だからこそ、師弟が大切なのだ。
3  アメリカ実践哲学協会会長のマリノフ博士は述べている。
 「苦境こそ真に人間が試されるときだ(中略)自分のなかの基本的な信念が最も輝かしく照らし出されるときでもある」(吉田利子訳『元気哲学──生命篇』アーティストハウスパブリッシャーズ!角川書店)
 マリノブ博士とは、3年ほど前に、21世紀に求められる哲学をめぐって語り合った。〈2003年2月。その際、同協会から名誉会長に「人間哲学貢献賞」が贈られた〉逆境の時に、どう生きるか──そこに人間の真価が現れる。
 イギリスの思想家ラスキンは述べている。
 「試練を受けた心情と知性だけが最良の実を結び、他は結ばない」(内藤史朗訳『世界教育学選集46 芸術教育論』明治図書出版)
 なんの試練もない。また、試練から逃げる。そういう人はい真の幸福をつかむことはできない。勝利者にもなれない。
 仏法においても、法難を避け、ずる賢く立ち回っているような人間は、絶対に仏にはなれないのである。

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