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信越最高協議会  

2006.8.18 スピーチ(聖教新聞2006年下)

前後
1  友情は人生の宝である。
 私は、これまで各国のリーダーや識者と対話を重ねてきた。
 世界的な実業家であったアーマンド・ハマー博士と友情を結んだことも、忘れられない。米ソの歴代首脳と親しく交わり、両国の橋渡し役として活躍された方である。
 博士とは、アメリカで、東京で、そして静岡で、平和と人類の未来をめぐって、たびたび語り合った。
 90歳を超えてなお、生き生きと世界を飛び回っておられた。自家用ジェット機で来日され、創価大学のグラウンドから、ヘリコプターで成田へと飛び立ったことは、多くの人々の語り草となっている。
 アメリカのケネディ大統領とも、お会いする予定があった。しかし、さまざまな事情で実現できないままに、大統領は亡くなられてしまった。
 その後、弟のエドワード上院議員が聖教新聞本社に来訪してくださり、亡き兄君を偲びながら会談したことが懐かしい。
 また、タイの国民が深く尊敬するプーミポン国王とも、3度にわたり会見した。一民間人の私に長い時間を割いてくださり、教育や文化交流をめぐって語り合った。
 私は、世界の指導者や一流の知性と、平和と友情のネットワークを築いてきた。その根幹は信頼であり、誠実の行動である。
 私が開いた「対話と友情の道」に、どうか皆さんも続いていただきたい。
 〈インド国立ガンジー記念館前館長のラダクリシュナン博士は、池田名誉会長について、次のように述べている。
 「(今こそ)全人類に対して、『この暗黒の世界にひたっているだけではなく、これから行動を開始しよう!』という呼びかけが必要です。
 我々は人間の機械化に反対します。非暴力を支持します。信念をもち、勇気をもち、わが身を賭して、あらゆる形の暴力に反対すべきです。
 池田会長は、それを『対話』によって実行しておられます。会長は、素晴らしい教師であり、哲学者であり、思想家です。そして、歴史をつくる方です」〉
 戸田先生 たとえ老いても生命力強く若々しく進め
2  決意を実証に
 ここ長野で行われている、未来のための研修会。信越の皆さまには大変にお世話になり、「ご苦労さま」「ありがとう!」と申し上げたい。また、新出発、本当におめでとう!
 戸田先生は言われた。
 「今年こそは、と決心した時、われわれは、その証拠を、その年の自分の生活に必ず出すことができる」
 「年齢には3つある。肉体的、精神的な年齢と、生まれてから数えている年齢である。たとえ肉体は老いても、生命力は強く、若々しくなけれぱだめだよ」
 どうか信越の皆さまは、「今年こそは!」との新しき決意で、地域、に、家庭に、妙法の大功徳の実証を示していっていただきたい。
 生涯、青年の気概で戦い、広布の庭で、いい人生を生き抜いていただきたい。
3  「捨て身でない人間は好かれない」
 東京・西神田の戸田先生の会社の近くに日本大学があった。先生と二人、学生食堂で、たびたび食事をともにしたことを思い出す。
 先生は、100万部を超える戦前の大ベストセラー『推理式指導算術』を書かれた、数学の天才であられた。
 だからであろうか、豪放磊落でありながら、非常に緻密であられた。あいまいな報告を決して許されなかった。
 回りくどい話や議論のための議論を嫌い、本質をずばりと突かれた。
 私たち青年に、「3カ月の余裕があれば、君たちの専門の学問でも絶対に負けない」とよく言われていた。
 青年を愛された先生であった。それだけに、青年の堕落には、それはそれは厳しかった。
 「捨て身でない、狭い根性の人間は、人に好かれない」
 「人間、若いうちに求道心も、向上心も失ってしまっては、とても役に立つ人間にはなれない」
 ともに、戸田先生の厳愛の指導である。
 そして先生は、鋭い批判精神、悪に対する闘争精神を持てと、常々、青年に教えられた。
 ギリシャの政治家デモステネスは「嫉妬はどう見ても悪しき本性のしるし」(北嶋美雪訳、『デモステネス弁論案3』京都大学学術出版会)と言い、ローマの哲人キケロは「国全体はつねに、指導者たちの欲望と悪徳によって損なわれる」(岡道男訳『キケロー選集8』岩波書店)と言っている。
 人間の嫉妬心が社会を濁らせ、私利私欲の指導者が国を衰亡させる。これが、古今東西に変わらぬ歴史の法則である。
 青年は敏感に反応し、正義の太陽を昇らせねばならない。悪と戦わなければ、学会ではない。

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