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日蓮大聖人・池田大作

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池田会長夫妻主催答礼宴でのあいさつ  

1974.12.5 「池田大作講演集」第7巻

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1  本日はご多忙にもかかわらず、私どもの答礼宴にご参集いただき、衷心より感謝の言葉を申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
 今回は四泊五日間の短い滞在ではありましたが、日中友好のため、創価大学と北京大学との交流推進のためには、まさに源遠流長の日々であったと信じます。ひとえに在席の諸先生方の真心のたまものと深く感謝いたします。
 日中間の友好往来は、国交正常化後、一層順調に進展してまいりました。私は前回、この地を訪れたさいは、香港を経由し広州へ向かい、広州から北京へまいりました。それは、これまで国交が不正常な状態のなかで日中両国の平和友好のために、さまざまな困難と戦いつつ尽力されてきた尊い先人の通られた道でありました。私は、この遠い道を通りながら、その労苦をしのぶとともに、その努力に敬意をはらい、更に強固な友好の絆を結ぶために、私の人生の行動を開始いたしました。
 今回は、日中両国機の相互乗り入れが実現し、東京から大阪、上海を経由して、こちらへやってまいりました。上海は大阪から二時間半、北京は上海から一時間半、その時間の短さのなかに、あらためて日中両国の近さを痛感したものです。
 外交関係の正常化により、国と国とのあいだの“友好の橋”がわたされて二年目にして、大空をかける日中両国人民の友情の橋がかけられたわけであります。物理的距離を構成するもののうち、空間的距離は変わりありませんが、時間的距離は驚くほど縮められたわけであります。今度は心の距離を短くしていく時と思います。物理的な距離よりも、はるかに大切なことは、民衆と民衆のあいだの心の距離を縮める――すなわち誠意にあふれ、信義をどこまでも貫いていくという精神にもとづく友好の気持ちを、互いに高めていくことであります。
 いくら物理的に近くても、お互いを尊敬し合っていく心、平等互恵の気持ちがなければ、平和と友情の架橋作業は幻影でありましょう。国交正常化によって、第二期に入った日中友好の課題は、まず第一に、民衆の心と心のあいだに永遠の友好の金の橋を幾重にも堅固に築きあげていくことであり、これをもっとも重視すべきことはいうまでもありません。
 第二には政治経済次元はそれとして、長期的な展望にたって、特に教育文化の交流を推進していくことが重要であると考えます。お互いの文化的特性を理解し、その優れた点を互いが学び合って自国の建設に役立てていく――こうした精神を堅持していくことは、両国の民衆のより幸福な生活のために多大な貢献を可能にします。貴国の大学と日本の大学との友好交流、ひいては“平和”と“文化”の推進を目的とする創価学会の民衆との交流は、この意味からも大きな意義があると固く信じております。
 やがてくる二十一世紀には北京大学と創価大学の交流の場から、日中の、更には世界の友好を担う若人が見事に育って、世界を駆ける姿が見られるでありましょう。またぜひともそうであってほしいと、私は願っております。

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