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日蓮大聖人・池田大作

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第1回全国青年教育者大会――メッセージ… 人間啓発を子弟とともに

1975.3.29 「池田大作講演集」第7巻

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1  教育部の春季登山会、おめでとうございます。また第一回青年教育者大会、心からお祝い申し上げます。
 私は、先生方に今年が「教育の年」であることを再び確認しあいたいのであります。すなわち、教育部こそ、新しい世紀を築く力であることを、身に迫って感じられる昨今だからであります。二十一世紀まであと二十五年――その未来世紀をいかなるものとするかは、皆さんの手中にあり、皆さん方の教え子が築きゆく時代だからであります。
 殺伐とした社会の様相は、これが人間の行為かと人間自身に疑いを投げかけざるをえない、悲しい事件の連続となって露呈しております。もはや“社会の荒廃”は、結局“人間の荒廃”に発していることは明白となりました。人間は自らをもてあまし、生命の尊貴まで空しく踏みにじろうとしています。こうした時代の状況にあればあるほど、教育のもつ重みが、私の胸にはズシリと迫ってまいります。いうまでもなく、教育とは“人間をつくる”もっとも崇高な行為であり、労作業であります。人間の荒廃を救い、時代精神を転換してゆく第一歩は、じつに教育に求められるのです。
 私も教育を最終の事業と考えています。教育に打ち込むことが、私の人生の総仕上げとも思っています。教育は、未来創造の歴史の方向を決める地下水脈のようなものでありましょう。現在、行われている教育の姿に未来の輪郭はあるといってよい。あえていえば、深まりゆく危機の時代の突破口は教育にありと、私は訴えたい。
 その意味で、皆さんの使命と責任はきわめて大きいのであります。
 教育とは、学校で習ったものをすべて忘れたあとに、なおかつ残る何物かであるとの至言があります。これは教育者の優れた人間性が,次の世代を担う若々しい心と触発しあって、真の教育はなされることを示したものでしょう。
 「御義口伝」にいわく「SA359E」――この一節は、仏の願いは、自分と同じように衆生を成仏の境地に引導し、和合することであるとの意ですが、これを教育の視点からみるならば、教師は子弟を、自分と同様の、否それ以上の人間としての高揚をはかるように啓発していくことこそ、最大の願いとすべきであると拝ませます。
 どうか、先生方は正法とともに、未来を呼吸する教育の第一線で、賢く情熱を注いで活躍していってください。更に広宣流布の総体において教育部の使命を一言すれば、まさしくこの教育部こそ、公布の先端に立って道を開き、人間関係のオアシスを広げていくパイオニアであるといえる。人間の広がりこそ、公布の拡大でもあるからです。現在の私は、教育の次元の世界的交流を第一義としており、いわば教育部の皆さんと同じ使命を担って戦っているつもりであります。
 最後に、登山会を有意義に、そして楽しく過ごされることを、心から祈っております。

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