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日蓮大聖人・池田大作

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九州幹部会 社会に生き、妙法の大文化建設へ

1970.10.18 「池田大作講演集」第3巻

前後
1  五座三座の勤行は、信心修行の基本であります。真面目に実践している人は、強い生命力にあふれ、リズム正しい生活を確立し、立派な社会人として成長していっている。経文に「諸法実相所謂諸法」とあるごとく、信仰の結果は厳然と実生活にあらわれるのです。
 反対に、多忙に負け、あるいは初心の信心を忘れて怠っている人は、それだけの結果しか出ず、長い目でみれば大きな成長の差がついてしまう。信心はまず、五座三座の勤行を不断に実践することが根本であることを銘記し,どうか皆さん方は、仲良く友人として尊敬しあって、伸びのびと進んでいってほしいと思います。
 新しい十年は、皆さんがた全員で建設していくところに主眼がある。会長である私が、これまでのように、すべての責任をもってやっていくような時代ではないと思う。これまでのような考えでは、ほんものの創価学会を築くこともできないし、未聞の革命を成就することもできない。したがって、地涌の菩薩である皆さんがた一人ひとりの英知、信心、責任感の結集が要望されるのです。どのような苦難があろうとも、朝な夕な大御本尊と境智冥合していけば、みずみずしい、煌々と昇っていく太陽のごとき生命力と知恵が湧いてくることは間違いありません。
 その生命力と知恵をもって広宣流布を前進させ、創価学会を守り、一歩一歩、時代を切り開いていってほしい。私も皆さん方が思うぞんぶんの活躍ができるよう応援もしていきたいし、そのために、題目を真剣に送っています。
2  本格的な宗教運動を展開
 末法の宗教改革の大道は、これまでの十年で見事に完備されたといえる。新しい学会の前進は、御書に示されているように、大文化運動、社会運動を包含した本格的な宗教運動を展開していかなければならない。いわば“線”の開拓から“面”の開拓へ一歩進めた時代に入ったわけです。すなわち、社会のなかに妙法の大文化を建設していくのです。
 そのため、皆さんがた一人ひとりが社会に生き、社会のなかで戦い、社会の勝利者となって、広宣流布の新しい社会、世界を開いていかなければならない。「SA121E」との御金言も、結局、社会のなかでの人間革命、生活革命が大切であるということを教えられたものであると拝することができましょう。
 時代、社会のなかに生きつつ、時代と社会を変革していくのが私どもの使命である。社会の目をふさぐのではなく、社会の目にならなくてはいけない。そして、礼儀正しく、常識を重んじて社会を大切にし、どこまでも大衆のふところに飛びこみ、人々の苦悩解決のため戦っていただきたい。
 幹部は、率先して第一線の戦士であるとともに、第一線で戦う人を大事にしてほしい。決して威張って顰蹙をかうようなことなく、あくまで人間主義で人々を包容していっていただきたいと願うものです。
 また、庶民の指導者として、あらゆる社会問題を、つねに幅広く勉強していくことが不可欠である。そうして、他の社会の指導者と、平和建設を堂々と論じていける力を養ってこそ、文化革命の成就があることを知ってほしい。不肖私自身も、そのために種々の執筆をして、尽力しているつもりです。
3  広布推進し、生命に福運
 公害問題が大きくクローズアップされ、それにどう対処するかが人類最大の課題になっているが、つまるところ、利己主義を助長させた現代文明のひずみ、思想の誤りが発生の根本因になっているといえましょう。立正安国論に照らしてみると、人間同士のエゴイズムのぶつかりあいのなかに自界叛逆難を、また破壊された自然が人類の生存を脅かしている姿のなかに他国侵逼難をうかがうことができる。また“依報・正報”の正報である人間生命の汚濁が、依報である環境の汚染と破壊を招いているのです。
 この方程式にのっとれば、公害問題といえども、根底的には思想、宗教による人間の意識革命、一人ひとりの人間革命が進まなくては解決できない。ゆえに、座談会、折伏の推進が、本源的な大市民運動、意識革命であり、公害等を含めた社会問題の解決につながっていることを確信し、誇り高く、自信に満ちみちて前進していっていただきたいと念願するもるです。
 上野殿御返事に「SA122E」との一節がある。
 善根とは生命に具わった福運であり、皆さん方が今日まで信心に励み、陰に陽に広宣流布のために戦ってきたことは、なにものにもかえがたい大善根である。末法今時において、善根をつむ道は妙法の唱題と広宣流布の実践しかありえません。
 一つひとつの戦いが妙法の慈雨となり、皆さん方の築いた大善根によってお子さんやお孫さんの代まで栄えに栄え、人生の幸せの実証を示していくとの、大聖人の御金言であります。このことを固く信じ、近くは明年の正本堂躯体完成式、また四十七年の落慶を楽しい目標にして、明るく進んでいってほしい。そして、強い生命力と純粋さにあふれた団結の九州であっていただきたい。最後に、
   火の国の 菩薩栄えあれ 広布道
 との一句を贈り、私の話を終わります。

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