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日蓮大聖人・池田大作

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男子部班長特別訓練 正義の信念を貫く人生たれ

1969.1.9 「池田大作講演集」第1巻

前後
1  先の会合を早く終えて帰ってきましたら、ちようど青年部の諸君の会合があると聞き、お目にかかって一緒に勤行してあげたいと思い、お邪魔しました。(大拍手)
 御本尊には、諸君が健康で、ますます大福運ある人生を進まれんことを真剣にご祈念しておきました。きよう一緒に勤行した班長の諸君全員が、十年先には学会の中枢のなかの中枢の人材に成長してください。(拍手)
 その新しい決意に立ち、それを一つの目標として、十年間、歯を食いしばって、仏道修行に励んでいただきたい。
 私が青年部の建設のかなめとなって指揮をとっていた十数年前、今日の青年部の最高幹部ならびに青年部出身の大幹部のほとんどは、部員または分隊長だった。むしろ班長は少なかった。そうした人達が今日、ある人は国会議員、地方議会議員として、またある人は学者となり、事業家として、または学会本部の中枢として活躍している。信心はもちろん、人間的にも大成長をしております。
 十年といっても、あっという間に過ぎてしまうものです。
 したがって、諸君の先輩達の十数年間における大きな信心の実証と同じく、諸君達も、十年先には、たくましく偉大な変革を遂げていくでありましょう。特に、草創期と違い、今日ではあらゆる組織も、大幹部の数も、出版物等もに整えられておりますし、その加速度は大きい。一人一人が、広宣流布の大事な戦線で将の将となって指揮をとっていくことも決して夢ではない、こう信じております。
2  信念について自己を絶対に裏切るな
 先日、ある映画を見ました。ストーリーは、大洋の果てで大シケにあったカシオ船が、すぐ近くで遭難している外国のヨットの「SOS」を受信し、救援するというものですが、最初、乗り組み員は、自分達の生命を守ることさえ危険であるからといって、ヨットを見殺しにしょうとするわけです。
 しかし、そのときに、中心者が「ヨットのいちばん近くにいる自分達が避けてしまえば、だれも知らないかもしれない。しかし、SOSを受信しながら逃げ出したいは、一生残るだろう。その悔いは、年月がたてばたつほど、痛くなる。その意味からも、少しでもヨットの近くへ寄って救出しよう」と訴える感動的なシーンがあるのです。
 なぜこういうことをいうかといえば、いかなる困難にあっても、自分が正しいと思うこと、信念を貫き通す重要性を知ってほしいからです。特に、少年期、青年期に妙法をたもった皆さん方は、その主義主張を生涯貫いていくことが最も尊いということを自覚していただきたい。
3  主義・主張を貫いた人が偉い
 思想の、浅深・高低を問わず、過去の歴史において、社会主義者であれ、自由主義者であれ、共産主義者であれ、たとえ、その人の一生が貧乏で、苦難の連続であっても、その主義・主張を生涯貫いた人は、人間的に偉いと思う。今はそのような人が少ないようだ。
 その反対に、同志を裏切り、自己を裏切って転向した人は、一時は、時流にうまく乗って栄えたとしても、その人の心の奥底には、死ぬ瞬間まで大きな傷が残るにちがいない。
 それは、いくら他人に対してうまくつくろおうとも、自己の本質におけるその苦しみから免れることはできないものです。トルストイの「悔恨は最大の不幸である」という言葉も、このことを端的に表現していると思う。
 時代の変選により過去、現在のイデオロギーも矛盾を露呈したり行き詰まったりする。また、一つの会社の命運や一国の政策とか政治等々は、合併や妥協もあり、流動もいくらもありましょう。しかし、妙法は、一般的な主義・主張とは本質的に異なり、絶対的で永遠のものであり、時代によって、変わっていくようなものでは決してない。宇宙の法則それ自体である。故に、主義・主張としても、これこそ絶対であり、最高峰のものであります。
 我々は、この偉大な信心に若くしてつくことができた。諸君が、もし目先の小利益に迷ったり、惰性に流され、誘惑に負けて、この南無妙法蓮華経という根本法則から離れ、正義の同志を裏切っていけば、その悔いは永違に消すことができないでしょう。諸君の人生、行動は、全て自由です。私はなにも申しません。ただ、広宣流布を目指す最高の同志として、主義・主張に生きていくことについてだけは、厳しい態度であってもらいたい。同志を互いに守り合うこと、信心を貫くということについてだけは自分を絶対に裏切らないという、強い強い一人一人になってもらいたいのです。(大拍手)

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