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日蓮大聖人・池田大作

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注解  

「科学と宗教」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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1  あ行
 アインシュタイン
 (一八七九年―一九五五年)アルベルト。ドイツ生まれのアメリカの物理学者。ベルン特許局の技師時代に「気体運動論的理論」「光量子の理論」「特殊相対性理論」を発表し、ニュートン力学を揺さぶる。さらに「一般相対性理論」を完成。一九二一年ノーベル物理学賞を受賞。二九年には「統一場の理論」を発表。三三年ナチスに追われ渡米、ルーズベルト大統領に書簡を送りマンハッタン計画への道を開く。戦後は核兵器禁止や平和運動に尽くした。
 アウグスティヌス
 (三五四年―四三〇年)アウレリウス。初期キリスト教の神学者、哲学者。異端論争と膨大な著作で、キリスト教神学に新プラトン派の哲学を取り入れ集大成した。これが中世キリスト教思想に大きな影響を与えた。
 芥川龍之介
 (一八九二年―一九二七年)作家。夏目漱石門下。菊池寛、久米正雄らと第三、四次「新思潮」を刊行。『鼻』『芋粥』で注目された。他に『地獄変』『羅生門』『或阿呆の一生』など。
 アショーカ王
 古代インドのマウリヤ王朝第三代の王(前二六八年―前二三二年頃在位)。即位後しばらくは暴政を行い領土拡張政策を推進しインド亜大陸の統一を完成する。最後のカリンガ国との戦争の悲惨さから仏教に帰依し、武力政策を放棄してダルマ(法)に基づく善政を行った。このアショーカ王の法勅を領内各地の石柱などに刻ませるほか、遠くギリシャ世界にも使節を派遣して普及にあたった。
 アステカ
 十三世紀、インディアンの部族がメキシコ渓谷に北方から侵入し、両洋にまたがる一大軍事・経済帝国を築いた。
 アタイデ
 (一八九八年―一九九三年)アウストレジェジロ・デ。ブラジル言論界の重鎮。一九二一年からリオの各紙の編集にたずさわり長く新聞人として活躍した。三二年―三四年はサンパウロ護憲運動の失敗からヨーロッパで亡命生活を送る。四八年第三回国連会議で「世界人権宣言」を起草。五三年よりブラジル文学アカデミー総裁を務めた。
 アパルトヘイト
 もともと“隔離”の意味で、とくに南アフリカ共和国がとっていた有色人種差別政策をいう。
 アビダルマ仏教
 三蔵(経蔵・律蔵・論蔵)の中の論蔵をさし、釈迦の教えを体系づけ論議注釈したもの。なかでも小乗仏教の理論を集大成した世親の『倶舎論』には、大乗仏教の理論的萌芽がみられ、この教理体系が、のちに大乗経典の結集にも利用され、その基礎学として欠かせないものとなった。
 安部公房
 (一九二四―)小説家、劇作家。シュールレアリスム的手法で無機質的な幻想世界を築いた。主著に『砂の女』『赤い繭』『壁―S・カルマ氏の犯罪』など。
 アリストテレス
 (前三八四年―前三二二年)古代ギリシャの哲学者。十八歳でアテネに出て、二十年間プラトンに学ぶ。論理、生物、心理、倫理、政治、歴史、美学などの膨大な研究を体系化した。その学問は、中世スコラ哲学など後世の学問に大きな影響をおよぼした。
 ある考古学者
 ハーバード大学考古学教授だったアーネスト・ホートン博士。
 アレキサンダー大王
 (前三五六年―前三二三年)マケドニア王、アレクサンドロス三世。アリストテレスに自然・人文を学び、即位の二年後から東方遠征の途につく。ペルシャ帝国を平定し中央アジア、インド北西部にいたる広大な世界帝国を支配。ギリシャとオリエントの東西文化・民族の融合をはかるヘレニズム時代を開いた。
 アレクサンデル三世
 ローマ教皇(在位一一五九年―八一年)。教皇権の確立のため、皇帝フリードリヒ一世と対立して破門し、さらにイギリス王ヘンリー二世を屈伏させた。
 イェンニ
 (一九一九年―)スイス生まれのアメリカの科学者。『類型』『反復法則』などの研究書もある。
 遺伝子
 遺伝する形質をつくるのに必要な設計図にあたるもの。染色体のなかに一定の順序で配列されて遺伝形質を決定する。その実体は核酸であり、遺伝子の本体はDNAだが、一部のウイルスではRNAの場合もある。
 今西錦司
 (一九〇二年―九二年)動物学者、人類学者。生態学、霊長類学の研究で知られ、自然淘汰によらない独自の今西進化論を提唱。のちに人類の社会進化を研究し、(財)日本モンキーセンターや京都大学霊長類研究所の設立に貢献する。登山家としても著名。
 イワン雷帝(大帝)
 (一五三〇年―八四年)四世。十六世紀に初めてロシアを統一した皇帝。治世の後半の六〇年から国政を専断し、彼に対立するものには厳しい態度でのぞみ、大量の処刑者や犠牲者を出した。その恐怖政治から「雷帝」とあだ名された。
 インカ
 南米、ペルー高原を中心に繁栄したアメリカインディアンの種族。一五〇〇年頃には、北はエクアドル、南はチリにおよぶ、高い文化・芸術を誇る大帝国を建設した。
 インクルーシブ・プロセス
 二つの陽子を高エネルギーで衝突させたとき、きわめて多数のハドロンが生成される。その中の一つの粒子を検出し、その粒子とその他全体との関係を調べること。
 ウィックラマシンゲ
 (一九三九年―)N・チャンドラ。イギリスの天文学者。セイロン大学、ケンブリッジ大学卒。七二年に師のホイル博士とともに恐竜絶滅の「隕石衝突説」を最初に提唱、九二年にはこの説を裏づける証拠が発見された。地球上の生命は彗星内で発生したとする「生命起源説」を展開。八八年よりウェールズ大学教授。池田名誉会長との対談集『「宇宙」と「人間」のロマンを語る』(毎日新聞社)がある。
 ウィルソン
 アラン。アメリカの遺伝学者、カリフォルニア大学バークレー校・生化学教授。R・キャンとの多くの共同研究で遺伝学の手法を古生物学に応用してきた。
 ウェルズ
 (一八六六年―一九四六年)イギリスの小説家、文明批評家。苦学して自然科学を学び、ジャーナリストを経て作家生活に入る。『タイム・マシン』『透明人間』などの空想科学小説から次第に文明批評的関心が高まり、第一次大戦後は世界国家構想を主張し『世界文化史大系』を著す。
 ウェルナー症候群
 成人期初頭に発生し、外見の老化が早期に発現する疾患。すなわち体毛が白く薄くなったり脱落し、皮膚も萎縮する。白内障がよくみられる。
 ウォーレス
 (一八二三年―一九一三年)アルフレッド・R。イギリスの博物学者、社会思想家。五四年マレー諸島での動物分布の調査から「ウォーレス線」を指摘。この地区の調査から自然淘汰説をたて、五八年にその論文「種が限りなく原型から分離する傾向について」が、ダーウィンの論文とともにリンネ学会で発表された。
 SFを書いて……
 ツィオルコフスキー著『地球の外で』の邦訳は、一九六〇年に出版された早川光雄訳『月世界到着!』(朋文堂)がある。
 SDI計画
 一九八三年にレーガン大統領によって提唱され、アメリカ国防総省が進めてきた弾道ミサイル防衛システム。
 エディントン
 (一八八二年―一九四四年)アーサー・S。イギリスの天体物理学者。一九一三年ケンブリッジ大学教授、翌年からケンブリッジ天文台台長。恒星の質量・光度関係を理論的に導くとともに、相対性理論における場の理論を研究、さらに量子力学を考慮した独自の統一場理論を展開した。
 エピクロス
 (前三四一年―前二七〇年頃)古代ギリシャの唯物論哲学者。哲学の目的は迷信や死の恐怖を超克した平静な心境を得ることにあると説いた。
 MRI
 一九七三年にラウターブルにより開発された。生体細胞に害を与えない利点がある。また血液量の測定も可能になっている。
 塩基
 核酸(DNAおよびRNA)を構成する化合物で、DNAではアデニンとチミン、グアニンとシトシンがそれぞれ水素結合によって安定化されている。それを塩基対という。
 エンゲルガルト
 (一八九四年―一九八四年)ウラジミール。ロシアの生化学者。分子生物学の創始者の一人。筋肉の動きを化学物質の変化として解明、またパスツール効果の機構やビタミンの生化学と製造技術についても研究。のちに遺伝子工学の有効利用を先導し、生命科学の発展に寄与した。
 エンゲルス
 (一八二〇年―九五年)ドイツの思想家、革命家。マルクスと並ぶ科学的社会主義の創始者。マルクスと協力し、革命運動や理論活動に献身した。主著に『ドイツ・イデオロギー』『共産党宣言』(以上、マルクスと共著)『反デューリング論』『自然弁証法』など。
 大江健三郎
 (一九三五年―)小説家。ノーベル文学賞受賞。民主主義下に育った戦後世代のイメージを鮮烈に提示し、時代の最先端に立って表現した。主著に『ヒロシマ・ノート』『個人的な体験』『「雨の木」を聴く女たち』『新しい人よ眼ざめよ』など。
 オットー
 (一八六九年―一九三七年)ルドルフ。ドイツのプロテスタント神学者、宗教学者。ルター、カント、シュライエルマハーの流れをくみ、宗教の本質を学問的に把握することに努め、モロッコ、インド、日本などの旅行をとおして神秘主義の解明に向かった。一九一七年に主著『聖なるもの』を著す。
 オパーリン
 (一八九四年―一九八〇年)アレクサンドル・I。ロシアの生化学者。生命の起源とその進化のシステムを体系的に説いた研究者で、『地球上における生命の起源』は世界に大きな影響を与え、大幅に改訂されつつ版を重ねた。世界科学者連盟副会長として平和運動にも活躍。
2  か行
 カー
 (一九三二年―)アメリカの元宇宙飛行士。七三年スカイラブ3号船長として二千時間を超える宇宙滞在記録を樹立。アメリカ宇宙飛行学会会長。NASA殊勲賞などを受けている。セントルイス大学名誉理学博士。
 ガガーリン
 (一九三四年―六八年)ユーリー・A。人類最初の宇宙飛行士。一九六一年四月十二日人工衛星ボストーク1号で地球を一周し一〇八分後に帰還。宇宙時代の開幕を告げた。
 カズンズ
 (一九一五年―九〇年)アメリカのジャーナリスト、作家、平和運動家。コロンビア大学卒。「サタデー・レビュー」編集長を三十五年にわたり務めたのち、カリフォルニア大学教授。その間、世界連邦協会会長を務め、七一年国連平和賞を受賞。著書に『人間の選択』『五百分の一の奇蹟』『私は自力で心臓病を治した』、池田名誉会長との対談集『世界市民の対話』(本全集第14巻収録)がある。
 硬い物質
 炭素原子六十個が結合したサッカーボール状の分子「C60」のこと。ダイヤモンド、グラファイトに次ぐ第三の炭素分子として、一九八五年イギリスの科学者が合成に成功。特異な形状からさまざまな特性をもつ新材料として注目されている。
 カニシカ王
 二世紀中期、クシャーナ王朝の第三代の王。
 ガモフ
 (一九〇四年―六八年)ジョージ。ロシア生まれのアメリカの物理学者。三四年に亡命。核反応による星の誕生と進化からビッグバンを宇宙の起源とする説を最初に提唱した。また生物学でもDNA分子の四種の塩基からなる三文字符号が遺伝子情報の基礎であることも最初に唱えた。軍事研究には終生、参加しなかった。著書も多く『不思議の国のトムキンズ』はとくに有名。
 ガリレイ
 (一五六四年―一六四二年)ガリレオ。イタリアの自然学者、天文学者。振り子の等時性や慣性の法則、落下の基本法則などを発見。一六〇九年に倍率三十倍の望遠鏡を製作、初めて天体観測を行う。太陽の黒点、月の凹凸、木星の四つの衛星、金星の満ち欠けなどを発見し発表。一六年に第一次宗教裁判でコペルニクス地動説放棄の訓告を受ける。三三年にも『天文対話』を出版し、第二次宗教裁判で断罪、幽閉される。しかし三八年には『新天文講話』を新教国オランダで出版。一九九二年に教皇庁は破門を解き公式に名誉を回復。
 カルヴァン
 (一五〇九年―六四年)ジャン。フランスの宗教改革者。パリ大学などで法学と人文主義の学問を修める。ルターの書物から感化を受け、宗教改革に身を投じる。その後プロテスタント教会の自立のために戦い、ヨーロッパ全域の宗教改革に貢献すべく大学も設立。
 カルダシェフ
 (一九三二年―)ロシアの宇宙物理学者。五五年モスクワ大学卒業後、ステルンベルグ天文学研究所においてシュクロフスキーの指導のもとで研究し、六二年に学位取得。旧ソビエトにおけるSETI研究のリーダーとして、六三年に地球外文明に関する最初の全ソ会議の編成に取り組み、翌年にはそれをビュラカンで開催。八九年天文宇宙研究所所長、スペースVLBI計画「ラジオアストロン」の責任者として活躍している。
 ガルトゥング
 (一九三〇年―)ノルウェーの社会学者、平和学者。ヴィッテンヘルデッケ大学教授。五九年にオスロ国際平和研究所を創設した平和学の創始者。「構造的暴力」の概念を提唱した。著書に『仏教―調和と平和を求めて』、池田名誉会長との対談集『平和への選択』(毎日新聞社)など。
 川端康成
 (一八九九年―一九七二年)小説家。横光利一らと新感覚派運動を展開。やがて独自の地歩を築く。主著に『伊豆の踊子』『雪国』『千羽鶴』など。
 ガンジー
 (一八六九年―一九四八年)インドの思想家。無抵抗、不服従、非暴力のガンジー主義により、独立運動の先頭に立つ。「インド独立の父」として、マハトマ(偉大な魂)と呼ばれる。
 カント
 (一七二四年―一八〇四年)近世ドイツの哲学者。人間の認識は対象の模写ではなく、主観が感覚の所与を秩序づけることによって成立すると説いた。著書に『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』『道徳形而上学原論』『道徳哲学』などがある。
 キケロ
 (前一〇六年―前四三年)マルカス・T。ローマの政治家、雄弁家。ヴェレスやカティリナの非道を弾劾して名声を得、執政官を務める。だがカエサルらの独裁に反対し、一時ローマを追放される。のちに後継者アントニウスを激しく非難し殺害される。
 記念講演
 ゴルバチョフ氏は創価大学名誉学位の受章記念講演で「人類の未来と新思考の哲学」を語った。(一九九三年四月二十三日)
 木村資生
 (一九二四年―)理学博士、国立遺伝学研究所名誉教授。集団遺伝学の分野に高度の数学理論を導入し、六八年「分子進化の中立説」を提唱。これが今世紀最大の科学論争の一つ「中立説対淘汰説論争」を引き起こした。八一年―八四年日本遺伝学会会長。九二年ダーウィン・メダル受賞。
 『九章算術』
 中国古代の代表的数学書。秦・漢の数学的知識を集大成したもので、立体の求積問題、比例計算、多元方程式、ピタゴラスの定理の応用、負数の四則計算など多岐にわたり、唐代には算学の教科書となった。
 クォーク
 素粒子を構成する基本粒子と考えられ、現在までにアップ(u)・ダウン(d)・ストレンジ(s)・チャーム(c)・ボトム(b)の五種類のクォークが明らかにされており、さらにトップ(t)クォークの存在が考えられている。
 倶生神
 人が生まれるとともに生じる神で、その人の両肩にあって、すべての行為の善悪を記し、それをもらさず閻魔王に報告するとされる。同生天、同名天と呼ばれる。
 クプリーン
 (一八七〇年―一九三八年)アレクサンドル・イヴァノヴィッチ。ロシアの小説家。さまざまな職業を経験し、それをもとに自然主義の手法によって人間の悲惨さを描いた。『決闘』『魔窟』などの作品がある。引用は『スラミーフ』より。
 鳩摩羅什
 (三四四年―四〇九年)中国・姚秦(後秦)代の訳経僧。羅什三蔵とも呼ばれる。父はインドの一国の宰相。四〇一年長安に入り、後秦の姚興の保護のもとで多くの訳経にたずさわった。代表的なものに『妙法蓮華経』八巻、『大品般若経』二十七巻、『中論』四巻などがある。
 クリカリョフ
 (一九五八年―)ロシアの宇宙飛行士。八八年宇宙ステーション「ミール」に搭乗。九一年五月に再度乗り込み、五カ月の滞在予定が八月クーデターの混乱によって半年間、宇宙に置き去りにされ、翌年三月に無事帰還。
 クリック
 (一九一六年―)イギリスの分子生物学者。物理学から生物学に転じ、ケンブリッジ大学キャベンディシュ研究所でジェームズ・ワトソンと出会い、五三年に二人でDNA分子の二重らせん構造モデルを提唱。六二年ノーベル生理学・医学賞を受賞。主著に『分子と人間』がある。
 ゲーテ
 (一七四九年―一八三二年)ヨハン・ウォルフガング。ドイツの詩人、作家。一七七四年『若きウェルテルの悩み』で文壇の脚光をあび、疾風怒涛期の旗手となる。翌年ワイマール公の招きで政務を担当。解剖、地質、鉱物、動植物の研究も行った。色彩論も著名。シラーとともにドイツ古典主義時代を築いた。著書に『親和力』『西東詩編』『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』『ファウスト』など。
 ケプラー
 (一五七一年―一六三〇年)ドイツの天文学者。メストリンに学び地動説に感激し、天文学を研究。高校数学教師のかたわら、占星暦を作り『宇宙の神秘』を著す。一五九九年新教徒追放令によりプラハに移り、翌年ブラーエの助手となる。彼の死後、火星の観測記録を受け継ぎ、その運行をもとに「惑星運動のケプラーの法則」を発表。望遠鏡の理論や光学、対数や解析の進歩にも貢献した。
 犬儒主義
 キニク主義の別称。社会生活の伝統や見栄を意識的に無視する生活態度。
 コアセルベート
 溶液中で親水コロイドの粒子が集合し、溶液との間に一定の平衡を保つ小さなコロイド液となったもの。オパーリンは、これが原形質と類似した性質を持つことから、生命発生の一段階と考えた。
 高エネルギー加速器
 電子・陽子・イオンなどの荷電粒子を加速してエネルギーを与える装置で、形状により線形型と円形型がある。線形型は一直線に加速電極を配列したもので、加速器の長さに比例して高エネルギーが得られる。円形型は、電磁石で粒子を円運動させ、一定の場所に置かれた加速電極で繰り返し加速を行う。
 講演
 一九九三年九月二十四日「二十一世紀文明と大乗仏教」と題する講演を行った。
 光子
 電磁波を量子化して得られる粒子のこと。光には光量子としての粒子性と電磁波としての波動性の両方の性質がある。
 孔子
 (前五五一年―前四七九年)中国・春秋時代末期の思想家。周の政治思想を再現しようとし、晩年は子弟の教育に専念。その言行録『論語』は有名で、儒学の始祖。
 高真空
 大気圧よりも著しく低い圧力の気体を含む空間。水銀柱で真空度を表した場合は、10-3 mm以下、10-8 mm以上の真空をいう。
 行動主義心理学
 アメリカのワトソンが唱えた現代心理学の一学説。心理学の対象を、刺激と外から観察できる反応との間の法則的関係に限定し、意識に関する概念を排除すべきであると主張した。
 高密度
 密度は一立方センチメートル当たり十の十五乗グラム。
 ゴーゴリ
 (一八〇九年―五二年)ニコライ・V。ロシアの作家。プーシキンに認められ『隊長ブーリバ』『狂人日記』『外套』『死せる魂』や戯曲『検察官』などを発表。ロシア・リアリズムの父といわれ、若いドストエフスキーに影響を与えた。
 ゴーリキー
 (一八六八年―一九三六年)マクシム・G。ロシアのプロレタリア文学最大の作家。労働者階級の立場から貧困な生活を描いた。『母』や戯曲『どん底』など。
 五十四日間にわたって
 一九八五年に大阪大学医学部の杉本教授グループが、抗利尿ホルモンを使って心臓停止までの時間を脳死後五十四日まで延長させた。
 コックス
 (一九二九年―)ハービー。ハーバード大学での宗教学研究の第一人者。『世俗都市の宗教』『民衆宗教の時代』など著書多数。九二年五月二日に池田名誉会長と会談。
 小林秀雄
 (一九〇二年―八三年)文芸評論家。文学、美術、哲学とその評論活動は幅広く、近代、古典をとわず、わが国近代評論の確立者といわれている。『ドストエフスキーの生活』『ゴッホの手紙』『本居宣長』『モオツアルト』など著書多数。
 コペルニクス
 (一四七三年―一五四三年)ニコラス。ポーランドの天文学者。十歳で父を亡くし、伯父の司教に養育され僧職を志す。大学時代に神学、天文学、医学などを学び、天動説の問題点を知る。一五〇六年から伯父を助け医療活動を行い、二六年フラウエンボルクの大管区長となる。四三年に弟子レティクスの勧めで地動説『天球の回転について』を発表。
 ゴルバチョフ
 (一九三一年―)ミハイル・A。ゴルバチョフ財団総裁。モスクワ大学法学部卒。五二年ソ連共産党に入党。八五年党書記長、八八年最高会議幹部会議長に就任。国内ではペレストロイカに励み、九〇年大統領制を導入し大規模な政治機構改革を断行。外交にあっても新思考を旗印に、中国、バチカン、アメリカ、日本などを訪問し、関係正常化に歴史的な役割を果たす。九一年ノーベル平和賞受賞。ソ連邦解体とともに大統領を辞任。その後ゴルバチョフ財団を創設し世界の有力紙で言論活動を開始。国際緑十字初代会長。
 コンゼ
 (一九〇四年―七九年)ドイツに生まれ、イギリスで活躍した仏教学者。約二十年間、ロンドンとオックスフォードの両大学の学外講座で教え、その間に般若経文献を中心に多くの著作を残した。
3  さ行
 サイバネティクス
 「舵手」の意のギリシャ語に由来する語。通信、自動制御などの工学的問題から、統計力学、神経系統や脳の生理作用までを統一的に処理する理論体系。アメリカの数学者ウィーナーの提唱に始まる学問分野。
 サドーヴニチィ
 (一九三九年―)ビクトル・A。数学者。六六年モスクワ大学機械・数学部大学院修了。九二年三月よりモスクワ大学総長。A・V・ロモノーソフ賞、ソ連邦機械・数学分野に関する賞などを受賞。ロシア連邦工学アカデミー会員。
 三悪道・四悪趣
 悪業の因をつくった衆生がおもむく苦悩の世界のこと。十界のなかの地獄・餓鬼・畜生の三界を三悪道といい、それに修羅を加えて四悪趣という。
 シェークスピア
 (一五六四年―一六一六年)イギリスの劇作家、詩人。エリザベス朝ルネサンス文学の代表者。四大悲劇『ハムレット』『オセロ』『リア王』『マクべス』をはじめ、多くの作品を創作した。
 ジェレノフ
 (一九〇三年―六〇年)ロシアの物理学者。中性子反応に関する重要な研究を行い、ロシア初の原子爆弾、水素爆弾製造の指導者的存在であった。
 色心連持
 天台の『法華文句』には「命濁は色心を連持するを指して体と為す」「煩悩と見とを根本と為す、此二濁より衆生を成ず、衆生より連持の命有り」とある。
 時空の穴
 ドイツの数学者カール・シュバルツシルトは、一般相対性理論の方程式の一つの厳密解を発見し、太陽の数倍ほどの星が崩壊するとき、時空に「特異点」が発生するとした。ログノフ博士によれば、アインシュタインは一九三九年に、「実際の世界には『シュバルツシルト特異性』は存在しない」と述べており、そのような物体の存在は、彼の理論の基本原理、すなわち一般共変性に矛盾することをはっきり理解していたにちがいないという。
 『死者の書』
 古代エジプト新王国時代、死者とともに墳墓に納められた葬礼文書で、パピルスに美しい挿絵とともに記され、死者の復活と永生の獲得を助ける呪文や祈祷文を集成したもの。
 自体顕照
 自身を明らかに照らし出して真理を顕現し、自覚すること。
 四諦の法輪
 釈尊が悟った四つの真実をいい、苦諦(この世は様々な苦しみに満ちているとの真実)・集諦(苦しみが起こりくる原因)・滅諦(苦しみを滅する原理)・道諦(苦しみを滅するための具体的な実践)のこと。苦集二諦は迷いの因果を、滅道二諦は悟りの因果をそれぞれ表している。
 司馬遷
 (前一四五年―前八六年頃)中国・前漢の歴史家。『史記』百三十巻を完成した。
 シマー
 (一九三五年―)ルネ。カナダの医学博士。病理学を専攻し、七五年にモントリオール大学のガン研究所所長、八五年から副学長を務め、一九九三年春、学長に選出された。カナダ医学研究評議会議長、リヨンのガン研究国際センターの科学評議会議長などを歴任。
 ジャストロウ
 (一九二五年―)アメリカの物理学者。核物理学から天文学、宇宙物理学へと進み、五八年NASAゴダール宇宙科学研究所を創立、アポロ計画の理論的中心者として貢献。ダートマス大学教授を経て、現在はウィルソン山天文台所長。宇宙科学の著名な解説者として知られ、著書も多い。
 宗教的なものと……
 伊東俊太郎『比較文明と日本』(中央公論社)、『文明における科学』(勁草書房)に詳しい。
 重陽子
 陽子を特徴づける電気量や自転量などはまったく同じだが、質量のみが異なる粒子のこと。これは陽子が内部構造をもつことを示している。
 重力が……
 一般相対性理論では、重力を「リーマン空間」と見ており、この空間はそれぞれの点にそれぞれの曲率をもっている。ログノフ博士は、「ユークリッド空間」から「リーマン空間」に入ったとたん、時空の対称性は失われ、「保存則」もまた一般に失われるので、「ミンコフスキー空間」を選ぶ必要がある、としている。
 シュクロフスキー
 (一九一六年―八五年)ロシアの天文学者。六八年に科学アカデミーの宇宙科学研究所に着任、銀河系内外のX線源について研究し、地球外知性の探査を、科学的レベルにまで引き上げることに尽力した。著書に『宇宙、生命、知性』、カール・セーガンとの協力作品『宇宙における知的生命』がある。
 種子
 仏教用語としては「しゅうじ」と読む。サンスクリット語ではbija(ビージャ)で、種の意味。
 寿命
 運動粒子の寿命は次の式で求められる。t0=T0E/E0(E0は静止粒子のエネルギー、Eは運動粒子のエネルギー、T0は静止粒子の寿命、t0は運動粒子の寿命)
 シュレーディンガー
 (一八八七年―一九六一年)アーウィン。オーストリアの物理学者。ド・ブロイの物質波の考えを発展させ、波動力学を建設し、さらにハイゼンベルクの行列力学との統一に成功。量子力学建設の功績により、一九三三年ノーベル物理学賞受賞。
 シュワイカート
 (一九三五年―)アメリカの元宇宙飛行士。NASAのジェミニ、アポロ、スカイラブの各計画に参加し、アポロ9号乗組員、スカイラブ2号船長を務める。八五年宇宙探検家協会を設立、アメリカ会長に就任。『地球/母なる星』は世界的ベストセラー。
 生住異滅
 一切の事象が生じ(生)、存続し(住)、変化し(異)、消滅する(滅)さま(相)をいう。
 成住壊空
 宇宙、生命、その他一切のものの流転の方軌を四期に分けたもの。空間に国土が成立し衆生を形成していく「成劫」、それらが安定している「住劫」、三災によって破壊される「壊劫」、消滅して空となる「空劫」である。そしてまた成住壊空を繰り返すといわれる。しかし、仏法ではその流転の奥に本有常住の大法が存在していると説いている。
 「状態」を……
 これをコペンハーゲン解釈という。実験結果を予測するための量子力学の使い方については、完全な意見の一致をみているが、ミクロとマクロの関係については、いまだ十分な意見の一致をみていない。とくに、近年の技術の進歩による超伝導などが現れて以来、現実的にミクロとマクロを分離して考えることができない状態が発生してきた。
 上帝
 『詩経』『書経』などの儒教経典に見える宇宙の最高神。天上の帝王・昊天上帝のことで、民の行為の善悪を評定して禍福をくだす人格神でもあると考えられた。
 ショーロホフ
 (一九〇五年―八四年)ミハイル・A。ロシア文学を代表する作家。主著に『静かなドン』『人間の運命』など。
 スコラ哲学
 中世ヨーロッパのキリスト教会の教義を理性的に弁証する哲学。主としてアリストテレスの哲学が採用されたが、プラトンの影響もあり、神秘的傾向も認められる。
 スピノザ
 (一六三二年―七七年)オランダの哲学者。神即自然の汎神論に立ち、真の自由は知的観点によって人間を永遠の相のもとに洞察することにあるとした。
 スペリー
 (一九一三年―)ロジャー。アメリカの大脳生理学者。五四年カリフォルニア工科大学教授となり、大脳半球の機能分化の研究を行い、八一年ノーベル生理学・医学賞を受賞。
 『生命とは何か』
 What is Life?――The Physical Aspect of the Living Cell,Cambridge University Press ダブリンの高級学術研究所主催の公開連続講演をもとに、一九四四年に出版。日本では五一年に岡小天・鎮目恭夫訳(岩波新書)で出版された。
 セーガン
 (一九三四年―)アメリカの天体物理学者、科学著述家。少年時代から星空やSFに強い関心を示し、十二歳で天文学者になる決心をする。シカゴ大学に学び、ハーバード大学、スタンフォード大学で教え、コーネル大学天文宇宙科学科デビッド・ダンカン記念講座教授、電波物理宇宙研究センター惑星研究所所長。また一般読者向けの啓蒙書も数多く、八〇年発表の『コスモス』は空前のベストセラーとなった。
 世親
 五世紀頃のインドの仏教思想家で、天親ともいう。はじめ大乗非仏説を唱えていたが、兄の無著に導かれ大乗に転じ、大乗経の論書や唯識思想の解説書をつくり、大いにその宣揚、弘教に努めた。千部の論師といわれた。
 石器が出土
 宮城県の東北歴史資料館は、「前期旧石器が出土している高森遺跡は五十万年前のものと推定される」という調査結果を発表した。(「朝日新聞」一九九三年五月十三日付夕刊)
 “ゼロ(零)”の発見は……
 R・N・ムケルジー『ゼロ記号の発見の背景』(『INDIAN JOURNAL OF HISTORY OF SCIENCE』November 1977/INDIAN NATIONAL SCIENCE ACADEMY)
 相対性理論
 アインシュタインが二十世紀初めに創出した理論体系。特殊相対性理論と一般相対性理論とからなる。
 「相対性理論」の本質
 ログノフ博士によれば、「相対性理論」の本質は、三次元空間と時間が、いわゆる「擬ユークリッド幾何」的な一つの連続体を形成することにある。
 ソクラテス
 (前四七〇年―前三九九年)古代ギリシャの哲学者。若いころは自然学に興味を抱くが、デルポイの神託を得てからは人々に自己の無知を自覚させ、問答法によって普遍的真理と徳の探究へと導こうとした。だが、人々の誤解を招き、異教の神を奉じ青年を惑わせるとして告発され処刑された。
 素粒子
 原子や原子核のなかにある内部構造の見つかっていない粒子。電子やニュートリノなどのレプリン、物質のもととなるクォーク、光や重力などのボゾンと呼ばれる粒子がある。
 ソレッキー
 (一九一七年―)アメリカの人類学者。人類学教授としてコロンビア大学、ニューヨーク市立大学を経て、現在テキサス大学教授。
 ソロヴィヨフ
 (一八五三年―一九〇〇年)ロシアの哲学者、評論家、詩人。その思想は新プラトン派に近く、哲学と神学の融合を志向し、信仰と知識、愛と理性、神性と人間性の一致を説いて、「全的統一」の哲学を提唱した。

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