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日蓮大聖人・池田大作

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桜花の「4.2」に恩師を思う(中) 常勝の金の幕を「真実の弟子」が開いた!

2007.5.4 随筆 人間世紀の光4(池田大作全集第138巻)

前後
1   偉大なる
    恩師と共に
      学会は
    三障 乗り越え
      三類 勝ちたり
 落花芬々の愛する学会本部の周辺を車で走ると、青山墓地の並木道にも、満開の桜が王者の如く悠然と咲き誇っていた。
 半世紀前(一九五八年)の四月、わが永遠の師・戸田城聖先生の学会葬を行った場所である。ここに来ると、今も、戸田先生の思い出が無量に湧きあふれる。
2  来る日も来る日も、戸田先生は苦しんでおられた。苦難の連続であった。二年間の獄中生活を終えると、時代は大きく変わり、自身の事業も火の車であった。
 私は十九歳の時に先生にお会いし、そして、その事業をご一緒に戦い抜いた。
 学会の激戦の前途も、嵐で先が見えない。事業もまた、多くの借財で全く先が見えない。ほとんどの社員は、「戸田に騙された」と言って去っていった。
 痩せ衰えた先生は振り絞るように、若い私一人を信頼して、「阿修羅の如く戦ってくれ!道を開いてくれ給え!」と、万感の思いをもって叫ばれた。
 私は即座に答えた。
 「わかっております。命を捨てて、先生をお守りします。学会も、先生の事業も、必ず挽回させます」
 先生の目には、涙が光っていた。荘厳な人間絵巻であった。
3  「人生の幸不幸」は、途中ではわからない。最後がどうかで決まる。特に、総仕上げの四年間が大事だ」
 よく先生は、強調されていた。
 年配になった私も、全く先生の洞察に同感である。
 先生は、仏教の大家であった。
 明晰なる哲学者であった。
 数学の天才であった。
 万般にわたる大博士であられた。
 私は、一年三百六十五日、いな全青春を、この峻厳にして偉大なる師匠のもとで勉強し、生き抜くことができた。それだけでも、私は勝ったと、大満足の胸中であった。

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