Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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偉大なり創価の婦人部(3)  

2004.6.15 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

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1  母は慈愛の平和の大地! 新しき社会の勇気の柱
 素晴らしい″お母さん″にお会いした。フィリピンの名門キャピトル大学の創立者、ラウレアナ・ロサレス先生である。
 太平洋戦争中、フィリピンを蹂躙した日本軍による蛮行「バターン死の行進」を体験した一人であられる。
 戦争の悲惨さ、残酷さ。その地獄をくぐり抜け、ロサレス先生は決然と誓った。
 「教育しかない。平和の実現には、教育しかない!」
 この信念ひとすじに、生きて生きて、生き抜いて、七十九歳の現在まで、平和の人間の育成に、尊い生涯を捧げてこられた偉大な母である。
 お会いしたその日(六月六日)は、″創価の父″牧口先生の誕生日であった。
 「私の辞書に『敗北』という文字はない」
 そして――
 「今日、為しうることを、明日まで延ばすな!」
 これが、ロサレス先生のモットーであった。
 母は強い!
 母は負けない!
 母は屈しない!
 母は、今日一日を断固として生き抜く!
 この生き抜く魂が勝ったのである。そして、すべてに勝っているのだ。
 ロサレス先生は、東京・信濃町の「創価世界女性会館」も、ご家族のフアレス学長ご夫妻と訪問してくださった。
 館内を回りながら、婦人部の方々に力強く言われた。
 「創価の女性が増えれば、世界は、もっと良くなるでしよう!」
 それは、 「創価の婦人部」の平和の連帯への、最高のエールでもあった。
2  世界的に有名なノルウェーの劇作家であるイプセンは、劇中、男性の主人公の言葉を通し、こう訴えた。
 「女性が社会の柱だ」(「社会の柱」原千代海訳、『イプセン戯曲全集』3所収、未来社)
 さらにイプセンは、一人の女性に語らせている。
 「真実の精神と自由の精神、――これが社会の柱だわ」(同前)
 ともあれ、時代の流れは、ますます陰険なひがみや嫉妬のために、乱れ始めている。人間が人間らしく、正しく生きるためには、あまりにも危険千万な世の中となっていくようだ。正義をねじ曲げ、さらに至高の人物たちを恨み、妬み、正邪がわからなくなってきてしまった。
 「悪いことを隠しても、いつかは恥かしい目にあいますよ」とは、イギリスのシェークスピアの戒めであった。
 御聖訓に「大悪をこれば大善きたる」と仰せの通り、今こそ、人間は再び輝く時がきた。
 そのために、遺恨の人間関係を、我らが、晴れ晴れと変えていく以外にない。
 つまり、新しき社会の「希望の柱」「勇気の柱」となる、正しく強い人間が立ち上がっていくべきだ。
 シェークスピアは語った。
 「最後に笑うものが栄冠を得るのだ」(『ヘンリー六世 第二部』小田島雄志訳、『シェクスピア全集』7所収、白水車)
3  「孝養の人を世尊となづけ給へり」と、御書には記されている。
 最も深く母を思い、母の恩に報いゆく人間の真髄こそ、「世尊」であり、「仏」なのである。
 釈尊は、法を求める母たちに、「ようこそ、いらっしゃいました」と、最も丁寧な敬語で声をかけて、温かく迎え入れたと言われている。
 こよなく母たちを慈しまれたのが、釈尊であった。だからこそ、怨嫉に狂った仏敵は、女性を大事にする釈尊を陥れようと、卑劣極まる醜聞を捏造したのだ。

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