Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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おお 常勝の大関西城!〈上〉  

2004.4.7 随筆 人間世紀の光1(池田大作全集第135巻)

前後
1  勝つために我らは戦う!
 「前進、前進!」(『死せる魂』平井肇・横田瑞穂訳、岩波文庫)
 ロシアの作家ゴーゴリが最も大切にした、青年への激励の言葉であった。
 関西と聞くと、私の胸は、激しく燃え上がる。闘魂は怒濤となって駆け巡る。
 関西には、猛然と戦う真の弟子がいるからだ。
 いかなる激戦にも、戦って、戦って、必ず勝ってくれる弟子がいる!
 私と関西の生命は一つだ。私は常に関西と一緒である。
 常勝! 常勝関西! それが師弟不二の師子の道であるからだ。
 関西は、私が青春を捧げ、全身全霊で築いた、難攻不落の錦州城だ。世界に厳たる、常勝不滅の民衆城である。
2  一九五一年(昭和二十六年)の五月三日、第二代会長に就任した戸田城聖先生は、若き弟子である私と、常に、広宣流布の前進と勝利への展望を語り合ってくださった。そのなかで最も重要にして重大な構想の一つが、わが大関西の建設であった。
 時が来り、それは、一九五五年(昭和三十年)の十月のことであった。戸田先生は、″大阪の戦い″に、青年部の室長であった私を、総大将として派遣することを決断なされたのである。その出発を前に、先生と二人して、″勝利のカギは勇気だ″と語り合ったことも懐かしい。
 フランスの文豪ロマン・ロランも言っている。
 「勇気なくしては、いっさいが空虚である」(「道づれたち」宮本正清訳、『ロマン・ロラン全集』19所収、みすず書房)
 ともあれ、未来は、そして永遠は、青年に託す以外に、絶対にない。
 さらにまた、広宣流布の命運を決する大拠点は、関西である。これが、戸田先生の結論であられた。
 「大作、関西に行ってくれ!
 関西がどうなるかで、広宣流布の五十年先、百年先の学会が決まってしまうからだ。
 絶対に負けられぬ戦いだ。関西に広布の一大拠点を作ってくれ給え!
 断じて、戸田自身のためにも、勝ってくれ!」
 あまりにも私を信じてくださる師の厳命に、私は勇んで関西に飛んだ。
 一九五六年(昭和三十一年)の一月四日のことである。
3  ″大阪の戦い″は、誰もが絶対に無理だと後込(しりご)みする、文字通り、「不可能を可能にする」大闘争であった。当時の大阪の中心者でさえ、最初から負けを覚悟で、「捨て石になります」「今度は駄目でも、勝つまで戦います」と口にしていた。
 「全力はあげるが、無理をして負けて、社会から笑われるような学会にしたくないよ」という陰口もあった。
 しかし、私には、「勝利」の二字しかなかった。
 勝つために、断じて勝つために、私は関西に来たのだ!
 「一個の人間に何ができるのか」
 「一人の青年がどこまでできるか」
 私は、前人未到の勝利の金字塔を打ち立て、人間の無限の可能性を示し残そうと、深く深く決意していた。
 「真の弟子の道とは、かくあれ!」と、後世の青年たちに見せておきたかったのだ。

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