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日蓮大聖人・池田大作

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後記 「池田大作全集」刊行委員会

随筆 世界交友録Ⅰ Ⅱ(前半)(池田大作全集第122巻)

前後
1  本巻には、世代や国境を超えて、感動をあたえた『私の世界交友録』を収録している。著者が世界の知性と向きあい、織りなしたが″対話のエッセンス(真髄)″が、全編にちりばめられた人物エッセーである。本全集の「随筆編」としてはちょうど十冊目になる。
 『私の世界交友録』は、一九九六年四月に「1」が、九八年一月に「2」が読売新聞社から出版され、いずれもベストセラーとなって反響をよんだ。また、同書はラジオの朗読番組でも取り上げられ、全国約四十のラジオ局をはじめ、遠く海を渡りアメリカでも放送されている。著者の人間愛に満ちた、詩情豊かな文章が、心地よい″音の波″となって、多くのリスナー(聴衆)を勇気づけ、虜にしたことは記憶に新しい。
 本巻では、単行本「1」の全編と、「2」のうち「第3章 心から心へ、中国の賢者たち」までの六十八編を収めている。紙幅に限りがあり、「2」の後半部を次巻に譲らざるをえなかったことを、ご了承いただきたい。
2  「人生は、出会いの連続という。さまざまな出会いのつづれ織りが、人生という歴史の絵模様を描くのかもしれない。そういう意味では、この本は、まぎれもなく私の歴史の証言でもある」(「1」の「はじめに」)
3  池田名誉会長の対話旅は、公式の会見だけでも、千五百回を超える。その旅路は、今も続けられている。その回数も驚嘆に値するが、対談者の多士済々ぶりには驚きを禁じ得ない。人民に尽くした指導者あり、人権の闘士あり、知の探求に生きる碩学あり、文化の海原をいく芸術家あり‥‥政治家、教育者、文学者、「女性の時代」を先駆けした女性リーダー等々、国家も、人種も、世代も、人生観も、宗教観も、さまざまに異なる世界の一級の知性が名を連ねる。
 この点について名誉会長は次のように語っている。
 「日本人であり、ロシア人である前に人間である。政治家や芸術家である前に人間である。共産主義者や宗教者である前に人間である。その人間という原点をともに確認し、掘り下げることが、地球時代の今、求められているのではないだろうか」(同前)
 往々にして、こうした書物がおちいりがちな、秘話を披露しただけのものでもなければ、いわんや、自身のきらびやかな交友のアルバムを見せびらかすものとは、まったく異なる。
 「個別」の個人について書いているには違いないが、その個別を掘り下げ、その人物の「人間という普遍」を見つめ、誠実に記している。

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