Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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使命の大道 敢然とこの道進めや一筋に

2003.5.17 随筆 新・人間革命6 (池田大作全集第134巻)

前後
1   楽しみを
    つくりて今日も
      生き抜かむ
    わが一筋に
      名誉のこの道
 「生命の道は、進歩の道である」(『随想録』竹内好訳、『魯迅文集』3 所収、筑摩書房)とは、中国の大文豪・魯迅の信念であった。ゆえに、一歩も退くことなく、前進また前進を!
 生命の向上の道は、何ものも阻むことはできない。いな、いかなる障害も突き破り、さらに強く勢いを増して進む。これが生命の法則である。
2  四十五年前、あの「3・16」の歴史的な"広宣流布の大儀式"を終えたある日、戸田先生は言われた。
 「君たちが真心で作ってくれた"車駕"に乗って日本中を回りたいな」
 またある時は、メキシコに行った夢を見たと言って、私に語られた。
 「大作、君の本当の舞台は世界だ。世界へ征くんだ。この私に代わって」
 戸田先生が戦後、指導のために訪問した国内の地域は、二十一都道府県であった。
 私は、その師の夢を受け継ぎ、日本列島を走りに走った。アメリカの施政権下にあった沖縄にも飛んだ。
 その沖縄も含め、全四十七都道府県を回り切ったのは、会長に就任して七年であったと記憶する。
 そしてまた私は、昭和三十五年の十月二日、恩師の写真を内ポケットに、世界平和への旅を開始した。
 昭和四十九年には、社会主義国である中国、ソ連を相次いで訪問した。「なぜ、宗教否定の国に行くのか」と非難され、あらぬ憶測もされた。
 私は言った。
 「そこに『人間』がいるからです」
 我らが開く道は偏頗な道ではない。垣根などない「人間の大道」である。
 私が直接、足を運んだ国は、今や五十四カ国・地域となった。
 ここにも友情の道を! あそこにも平和の道を! 道さえあれば、永続的な流れができる。
 私は、凛々しき青年たちが必ず後に続いてくれることを信じていた。ゆえに、御聖訓通り紛然と競い起こる「三障四魔」「三類の強敵」を打ち破りながら、広宣の道なき道を開拓してきたのだ。
 わがSGIの平和と友情の民衆ネットワークは、この五月三日、美しい南太平洋の楽園クック諸島が加わり、百八十六力国・地域に拡大した。
 破門の弾圧と戦った、トルストイは記している。
 「最も信仰のない人々が常に信仰ある人々を迫害するという現象が生じてきたし、現に生じているのである。そしてまたそれだからこそ、そうした迫害が信仰ある人々の信仰を弱めるどころか、決まってそれを強めているという事実が生じたし、また生じつつあるのである」(『文読む月日』中、北御門二郎訳、筑摩書房)
 我らは全てに勝ったのだ。
3  文化と教育の新しい交流のシルクロードを、私たちは幾重にも世界に結んできた。
 現在、私の拙い写真の「自然との対話」展も、マレーシアの首都クアラルンプール、また韓国の光州広域市で開催されている。さらに、ウクライナ国の首都キエフでも、今月、開幕の予定である。
 この写真展のなかで、共鳴の声を多くいただく一枚に、イギリスで撮影した「ウィンザーの道」の写真がある。
 まばゆい緑に包まれ、無限に続くかのような道が、人びとの心の琴線に触れるのであろうか。この道の光景から、"勇気と希望をもって、わが道を進め!"との励ましを汲み取ってくださる方々が少なくないようだ。
 大空には鳥の道がある。大海にも魚の道がある。大地に生きゆく人間にも、厳然たる「正義の道」があり、「勇気と希望の道」がある。
 ブラジルやイタリア、韓国の諸都市では、創価の三代にわたる師弟の名前を冠した通りが設置されている。
 ブラジルのイタペビ市の「牧口常三郎先生通り」の制定に尽力してくださったカラメス市長(現・州議会議員)、は語られた。
 「正義を語る人は、不正の人間、正義の反対側に立っている人間にとって、一番イヤな存在なのです。それゆえに、いわれなき非難・中傷を受ける。しかし、必ず正義と真実が勝利します!」

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