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日蓮大聖人・池田大作

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創立70周年を記念して(1) 師・戸田先生の思い出

2000.10.24 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

前後
1  戸田先生は、厳しく指導された。
 「人事と金銭は、絶対に正確にして、問題を起こしてはならない」と。
 ともあれ、「組織を利用し、皆から顰蹙を買うような問題を起こす幹部は解任せよ」と叱咤なされた。
 組織を利用し、自分中心主義で増上慢になり、純真な方々を騙し、撹乱しゆく幹部がいたとすれば、断固として皆で追放すべきだ。そうしたことを指導し、会員を守りながら、広宣流布への指揮を執っていくために、会長があり、幹部があり、役職が存在しているのだ。
 皆の正しい和気あいあいたる幸福と団結のために、生きがいある信心の追求のために、深化のために、幹部はいるのだ。
 その根本の使命と心を、絶対に忘れてはならない。
 戸田先生は、「学会に傷をつけた者は除名せよ!」「破廉恥の幹部は、必ず辞めさせよ!」と厳命された。
 「不正に黙って耐えることが不正なのである」とは、インドの大詩人であるタゴールの言葉である。(「四つの章」我妻和男訳、『タゴール著作集』5所収、第三文明社)
2  戸田先生は、峻厳であった。
 朝の出勤についても、遅刻を厳として戒めておられた。
 「朝が勝負である。職場に遅れて来て、上司に叱られるような人間は偉くなれない。特に、新入社員として信用を積んでいくためには、誰よりも朝早く出勤するべきだ。
 掃除をしたり、整理をして、上司や先輩を迎えるくらいの気概と懸命さがなければ、偉くはなれない。
 これ人生の出世の第一歩だ」
 現実の社会で勝っていくために、先生は、一つ一つ、具体的な要諦を教えられたのである。
 ある時は、烈火のごとく一喝なされた。
 「青年は絶対に嘘をつくな!
 蛇のような目をして、平気で嘘をつくのは、青年でなくして、畜生である」
 それはそれは、厳しかった。
3  御書の研鑽についても、
 「一行一行、拝しながら、『その通りだ。まったく、その通りだ』と深く拝読していくべきだ。
 その上に立って、意味がわからないところは、謙虚に、真摯に解釈するようにすべきだ。
 御書の拝し方は、上っ面だけで、さもわかったふりをしながら、軽々に読み流していくようでは、断じてならない」と。
 「剣豪の修行」を思わせるがごとき、厳格なる行学の鍛錬こそ、学会の名誉ある伝統なりと打ち込まれたのである。

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