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日蓮大聖人・池田大作

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永遠平和の原点・広島 希望の世紀へ 人間勝利の讃歌を!

2000.8.12 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

前後
1  この八月六日、並びに九日は、今世紀最後の「原爆の日」であった。
 私は、心から追善の題目を捧げながら、平和の新世紀を開きゆく、広島と長崎の使命が胸に迫った。
2  「大思想は原爆を恐れじ」
 四十年ほど前の夏、私は、広島の一人の乙女に、こう揮毫して贈ったことがある。
 彼女は、小学校一年生の時に被爆し、原爆症の発症の恐怖にさいなまれながら、青春の日々を暮らしていた。
 十七歳で入信。皆と学会活動に励んでいる時はよいが、一人になると、胸の奥に不安の火種がくすぶり始める。
 それでも、聖教新聞の通信員として、言論の力で平和に貢献したいと奮闘していた。
 この健気な一女子部員のことを伺った私は、即座に、筆をとった。彼女の心に、何ものにも負けない″魂の柱″を打ち立ててほしかったのである。
 「妙法という大思想は、核兵器の力より強い。
 原爆の影などに怯えるな! 断じて恐れるな!」と。
 嬉しいことに、つい先日も、広島城のある地域で、支部の婦人部リーダーとして、元気に活躍される彼女の近況を伺った。
 あの時以来、聖教通信員も、実に四十年、一貫して務めてくださっている。
 こうした方々の尊貴な人生を賭けた戦いに支えられながら、平和創造の希望を世界に発信している機関紙が、わが聖教新聞なのである。
3  わが師・戸田先生は、不滅の「原水爆禁止宣言」で、烈々と獅子吼された。
 「核兵器はサタン(悪魔)の産物であり、それを使用するのは、サタンの行為である!」
 核兵器の本質は、人類の生存の権利を奪う「奪命者」である。「絶対悪」である。
 そして、先生は、宣言に込められた「思想」を全世界に広めることが、創価の青年の使命だとも言われた。
 「広宣流布」即「世界平和」の戦いは、根本的な思想戦であるといってよい。
 たとえば、「核廃絶なんか、夢物語だ」という″現実論″があった。
 しかし、人間が生んだ問題なら、人間の英知で解決できるはずだと、なぜ考えないのか?それは、権力の魔性に屈服した、敗北の思想ではないか?
 その「あきらめの無力感」に、戸田先生は、真っ向から挑まれたのである。

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