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日蓮大聖人・池田大作

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関西創価学園の建学 おお 逞しき英知光る

2000.4.3 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

前後
1  おお、我らは楽しい。学問の勝利の行進曲よ!
 これこそ、英知に満たされた、最高に達しゆく歌である。
 そこには、豊かな活気がある。充実した人間がある。
 暗闇を征服した大喜びの希望が、新たに待っている。
 英知の光線が、うす汚い社会の色を突き抜けて、明々と未来を照らす。
 僕の交野の思い出の道は、知性の蘇生に力を貸してくれている。
 ここには、生涯にわたる希望の友がいる。
 努力に支えられた教師たちがいる。
 だから、私たちは、はかない迷路から目覚め、過ちのない、無限の知恵に至る大道を知っている。わが校には、調和のとれた、博識の引力が存在するのだ。
2  ここ関西創価学園の存在する交野の天地は、いにしえより、あまりにも有名である。千年前の『枕草子』にも、その名が綴られている。
 平安朝の時代から、交野は桜の名所としても知られていたようだ。
 『新古今和歌集』にも、次のような名歌が残っている。
  またや見む
    交野のみ野の
      さくらがり
    花の雪散る
      春のあけぼの
 学園生活の舞台には、「天野川」という川があり、「天野が原」という野があり、「星田」という地がある。その「天野川」には、天上を渡る「天の川」が映じたかのようなロマンがある。
3  この地は、蛍が飛び交う場所でもある。
 これにちなんで、学園では、蛍を飼育し、研究をし始めた。
 今では、幾たびとなくテレビで放映され、新聞にも載るくらいの名所になっている。
 私も一度、その時期、妻と二人して、蛍の成育の中心者である松田茂行先生の案内で、夕闇迫る学園の蛍の生息地を見せていただいた。
 それはそれは、万葉の夢そのものの、幾百幾千の蛍が乱舞しゆく、天才の光の芸術であり、私は驚嘆した。今でも脳裏から離れない。
 また学園では、桜の研究にも取り組み、桜の季節には、平和郷そのもののたたずまいが、すばらしい。
 わが学園は、英知の若き生徒たちが集う、ロマンと詩情に包まれた学舎である。なんという「おとぎの国」にできあがった、「青春の城」か! 「栄光の城」か! 「勝利の城」か!

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