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日蓮大聖人・池田大作

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創価大学の第1回卒業式 英知の学徒の暁、全員が創立者! 建学の汗に栄光あれ

2000.3.20 随筆 新・人間革命2 (池田大作全集第130巻)

前後
1  思えば、随分、忍耐した。
 しかし、晴れ渡る胸は、辛かったことなど、みな忘れ去ってしまった。
 勉学と苦痛と戦った四年間の日々――。
 目を閉じると、まぶたに浮かぶ、あの友も、この友も、皆、一生涯の同志であり、盟友である。
 僕の血管には、彼らの生命が脈々と流れ、終生、鼓動していくにちがいない。
 彼と語った人生。
 彼と喜び、抱き合った、勝利の瞬間。
 彼の決意と信念には、鉱脈のように奥深く、哲学があった。
2  私は勝利者だ!
 私は幸福者だ!
 それは、英知の宮殿で励まし合った親友がいるからだ。
 勝っても負けても、肩を叩き合った。偉大な知性の大学で、何ものにも動じないで、未来を見つめた。
 私たちの眼前の現象は、揺れ動いた。しかし、その波風を受けて、幼い少年時代とは大いに異なる、高次元の世界観を身につけることができた。
 私たちは、一つの人生の闘争に勝った。
 そして今、栄光への権利と力を蓄え、一生涯の戦闘に勝ちゆく夢を見ている。
 そこには、無限の励ましの音楽が響いている。
 天も晴れ、地も晴れたる一九七五年(昭和五十年)の、三月の二十二日――。
 その日は、私の創立した創価大学の、尽きることなき思い出の第一回卒業式であった。
3  一期生の入学式の時は、私は出席してあげられなかった。
 新入生の諸君と、わずかな教職員、そして御父母の方々が入っても、会場の中央体育館はガランとしていた。
 一九七一年(昭和四十六年)の四月、当初の予定を二年早めての開学であった。
 国内には大学紛争、世界でもスチューデント・パワーの嵐が吹き荒れた直後であった。
 行き詰まった教育界に希望の暁鐘を打ち鳴らすためにも、一日も早く、創価大学をスタートさせることを決断したのである。このため、創価高校の第一回卒業生も、開学に間に合うことになった。
 なんと不思議な宿縁と使命の友か!
 伝統ある有名大学にも行けた多くの英才が、決然と、無名の創価の学府に集ってきてくれたのである。
 彼らは、「若き創立者たれ」との私の期待に応え、進んで先駆の苦闘を引き受けてくれた。
 懐かしき創大祭も、滝山祭も、クラブ活動も、全部、ゼロからの出発であった。

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