Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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大中国の陣列 新しき「大勝」の歴史を拓け!

1999.2.27 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
1   おお、君らが、新しき朝日を昇らせた!
  君たちが、古き世をば、勇敢に、新しき世に変え抜いた!
  君らの誇りは、光となりて、遠い果てまでも、わが国の誇りを高めた。
  おお、新時代の扉を開きし勇者たちよ!
  中国の夜明けの獅子たちよ!
  明治維新の青年たちよ!
  命を張って、時代を変えた。
  彼らは見事に戦い勝った。
  過去を振り返れば、暗き底知れぬ闇があった。
  現在に目を向ければ、乱世の激流が渦巻いていた。
  その時、君たちは、未来を見つめた。
  君たちは、未来を大歓迎した。
  不死不滅の決意で、歴史の深みに潜って、新しい歴史の塔を打ち立てた。
  偉大な人材の中国の天地よ!
2  ある日、ある時、わが師匠が、私に命じた。
 「中国が遅れている。中国の広宣流布を開拓せよ!」と。
 私は「わかりました!」と、即座にお答えした。
 「新しい信仰を謳いながら、必ず私は、人間機関車の如く突進します。
 そして、あの山口の雄大な風景を貫いて、広宣流布の反響をこだまさせて見せます!」
 電光石火、出陣の準備を整えると、私は飛ぶようにして、近代日本の夜明けを開いた、歴史も深き中国の天地に走った。
 それは、一九五六年(昭和三十一年)の十月のことである。
 山口では、わが同志は僅少であり、全く広布の拠点のない状態であった。
 恩師の心は、多くの日本の元勲が出た山口に、広布の同志がわずかしかいないというのは、あまりにも情けない、と。
 その力尽きたかのような心情が、私には深くわかっていた。
 ある哲学者は言った。「誓って立ちゆく人は、誰もが美しい」
 わが屍を、この中国で埋める覚悟で、私は断固たる指揮を執り始めた。
 この十月を第一陣として、翌十一月、さらに翌年の一月と、私の転戦は、都合三度にわたった。
 ″要衝の地″下関に第一歩を印して、岩国、防府、山口、柳井、徳山、宇部、そして、日本海側の萩……。
 私は駆けた。西へ、東へ。また、北へ、南へ。
 わが激闘の間にも、瀬戸の海の光は、青年を包みて悠然としていた。
 日没が迫れば、海流は朱に染まり、浮かぶ小さき島々にも、金波が寄せてゆく。多数の帆は、外洋に向かう汽船であろうか。
 港に響くは、品物を運ぶ荷車の音、威勢のいい、人びとの声……なんと生きた人間の街であろうか。
3  人材を見つけよう! 人材を育てよう! 新たな人材の陣列をつくろう!
 あの地、この地で、私は、名もなき庶民のなかに飛び込んでいった。
 九月末に約四百六十世帯であった山口は、″開拓指導″が終わった翌年の一月末には、四千数十世帯へと、およそ十倍の飛躍を遂げた。
 さらに、その歓喜と決意の波動が、中国の豊かさとなり、肩を並べて各県の拡大を生んだものである。

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