Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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フレッシュマンに贈る 職場は人間修行のわが道場

1998.4.1 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

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1  希望ある人には、輝きがある。
 希望ある人には、無限の心の青空が広がる。  
 今日から、各職場で、フレッシュマンとして、人生の新しいスタートを切る若人も多いにちがいない。
 「おめでとう! 未来は君たちの腕にあり」と、私は励ましを送りたい。
2  戸田先生の経営する出版社に入社して5カ月後の、1949年(昭和24年)6月3日の日記に、私はこう記した。当時、二十一歳である。
 「毎日、忙しい。だが自分に、与えられた課題に、真正面から取り組むことだ。なれば、意義ある仕事になる。苦しくとも、実に楽しい。
 先生の会社を、日本一の会社にしたい。日本一の雑誌を作り上げねばならぬ」
 いかなる立場であれ、ひとたび入社したからには、その会社を自分が担いゆこうとの気概をもつことから、仕事の第一歩は始まると私は思う。
 何事も、受け身では喜びはない。「能動」の心で、主体者の自覚をもつところに、労働の喜びも意欲も生まれる。
3  私が若き日に心がけてきたことの一つは、″朝に勝つ″ことであった。
 毎朝、三十分ほど前には出勤し、職場の掃除をした。職場は「われらが城」である。誰に言われたわけでもない。皆が気持ちよく仕事に励めるように、清掃しようと決めたのである。
 そして、元気なあいさつで、先輩たちを迎えた。
 職場の先輩には、さまざまな人がいた。懸命に働く人もいれば、与えられた仕事だけを適当にこなす人や、手抜きをして、要領よく振る舞う人もいた。
 いい加減な先輩に歩調を合わせ、浅きに流れ、自分をだめにしていく青年もいる。志なく、哲学なきゆえである。
 環境に支配されるのか、自分が環境を支配していくのか――そこに人間の戦いがある。
 私は、自らが模範になろうと思った。
 やがて、職場の雰囲気が目に見えて変わっていったことが、嬉しかった。

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