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日蓮大聖人・池田大作

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仏教のインド文化への影響  

「内なる世界 インドと日本」カラン・シン(池田大作全集第109巻)

前後
1  池田 密教は、仏教がバラモン教の教義を取り入れた例といえますが、仏教がインド文化、ヒンドゥー教にあたえた影響も大きかったのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
 カラン・シン 私は前章において仏教がインド文化に相当大きな影響をあたえてきたことを述べ、その影響が見られる分野のいくつかについて概説しました。ヴァジュラヤーナ仏教はヒマラヤ山脈一帯の文化の重要な要素となっておりますが、この仏教の連綿たる伝統が、現代のインドという広大かつ多様なモザイクに重要な彩りを添えていることを、ここで付け加えておかなければならないでしょう。
 ヒンドゥー教自体に関していえば、ブッダが多くの人々からヴィシュヌ(毘紐天)の化身の一つとみなされていることは、すでに述べました。このことは多くの仏教徒には快く思われないかもしれませんが、私はこれこそ、両宗教の調和をはかる貴重な絆であると思います。こうした絆はヒンドゥー教とイスラム教、あるいはヒンドゥー教とキリスト教の間には存在しないものです。ブッダの生誕祭には幾百万のヒンドゥー教徒が寺院を訪れ、ブッダの像を礼拝します。このように、内容が豊かでバラエティーに富むヒンドゥー教のなかで、ブッダは貴重かつ重要な一面を形成しております。

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