Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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注解  

「宇宙と人間のロマンを語る」チャンドラー・ウィックラマシンゲ(池田大作全集第103…

前後
1  アーユルヴェーダ
 四大ヴェーダの『アタルヴァヴェーダ』を基盤に、紀元前のち、八百年の間に体系化されていったインドの医学。インド哲学にもとづいた宇宙・人間観により、両者の関係の法則性にのっとって、健康の保持、増進法、疾病の治療法を明らかにする。また健康と道徳が密接であるとし、人間は身体と精神が整わなければならないとして、精神的・霊的側面も重視した。
 アーリヤバタ
 (四七六年―?)インドの数学者、天文学者。円周率を計算し、地球の自転について述べるなどしている。著書に『アーリヤバティーヤ』『アーリヤバタ・シッダーンタ』。
 『阿育王伝』
 西晋の光煕元年(西暦三〇六年)、パルティアの僧・安法欽によってサンスクリット原典から漢訳されたもの。仏滅後の百年の仏教史も盛りこまれている。
 愛別離苦
 八苦の一つ。死やさまざまな状況によって親子、兄弟、夫婦など身近な愛する者と離別する苦しみのこと。別れのつらさ。
 アインシュタイン
 (一八七九年―一九五五年)アルバート。理論物理学者。ドイツ生まれ。一九〇五年に特殊相対性理論を提出、一九一五年に一般相対性理論を完成させた。ユダヤ系ドイツ人で、ナチスに追われて三三年にアメリカに渡る。平和にも強い関心を寄せ、世界政府を提唱した。光量子概念にもとづく光電効果の解明でノーベル物理学賞を受賞。
 アサンガ〔無著〕
 四世紀ころのインドの大乗論師。世親の兄。小乗に執着していた世親を教化して大乗に帰伏させた。著書に『摂大乗論』など。
 アショーカ
 アショーカ王。インドを最初に統一したマウリヤ王朝の第三代の王。在位は前二六八年―同二三二年ころ。武力征服をもっぱらとする暴虐な王だったが、仏教に帰依して慈悲にもとづく統治を行い、仏法を広く世界に伝えるために、西方の諸国にも使節を派遣した。
 アテナイ文明
 古代ギリシャの都市国家アテナイ(アテネ)を中心に栄えた文明。
 アヌラーダプラ
 スリランカ最古の都。紀元前四世紀から十一世紀にかけて、シンハラ王朝の都として栄えた。多くの仏教遺跡が残っている。
 アポロ11号
 一九六〇年七月に発表されたNASA(アメリカ航空宇宙局)の有人月探査計画によって、アポロ11号は六九年七月十六日に打ち上げられ、二十日、アームストロング船長が人類として初めて月面に第一歩をしるした。この探査計画で宇宙飛行を行った飛行士は三十三人、うち十二人が月面に降り立った。
 阿摩羅識
 第九識。無垢識、清浄識と漢訳される。阿頼耶識の迷いや汚れを捨て去った清浄な境地。九識心王真如の都。「九識論」を参照。
 阿頼耶識
 第八識。唯識説のなかで最も根源的な識の働き。心の奥底に蔵されている識。「九識論」を参照。
 アリスタルコス
 (前三一〇年ころ―二三〇年ころ)古代ギリシャの天文学者。同名の文献学者と区別するために、出身地名を付して「サモスのアリスタルコス」とも呼ばれる。太陽中心説(地動説)を唱えた。また、太陽、月、地球の相対的な距離や大きさを計算した。
 EC(ヨーロッパ共同体)
 欧州共同体。欧州の平和のために統合が目指されるなかで、一九五八年に西ドイツ、フランスなど六カ国によってEEC(欧州経済共同体)が発足、六七年に更に統合が強化されてECと改称された。その後、加盟国も増加し、九三年に発効したマーストリヒト条約によってEU(欧州連合)となった。
 ET
 extra-terrestrial(地球外生物〈宇宙人〉)の略。一九八二年、アメリカのスティーブン・スピルバーグ監督により制作されたSF映画により、ETは広く人々の興味を引いた。この映画は十歳の少年と宇宙人ETとの愛情あふれる交流の物語で、全米で大ヒットした。
 意識のスペクトル
 ケン・ウィルバーの示す意識のヒエラルキー(階層)構造。最深部に〈心のレベル〉、順次、表層に向かって、〈超個の帯域〉〈実存のレベル〉〈生物社会的帯域〉〈自我のレベル〉〈哲学的帯域〉〈影のレベル〉へとヒエラルキーをなすという。
 一乗平等
 一乗とは一仏乗のこと。一とは唯一無二、乗とは教法を乗り物にたとえていい、一仏乗とは成仏という最高の境界へ導く唯一の教法をいう。すべての人に仏界という仏の生命があり、だれでも平等にそれを顕現することができるという思想。
 一念三千
 一念とは瞬間瞬間の生命。三千とは、現象世界の一切を指す。衆生の生命(一念)に現象世界の一切(三千)が欠けることなく相即し不二であることをいう。天台が法華経にもとづいて創設した概念。実践的には、自己の心を対象にして宇宙の実相(仏界)を観ずること。
 一切衆生悉有仏性
 一切衆生、すなわち生きとし生けるものにはことごとく仏性が具わっており、成仏しうるということ。涅槃経等に説かれる。
 イマジズム
 写象主義。一九一〇年代、パウンドが中心となって英米で起こった自由詩の運動。生き生きとしたイメージによって詩を表現し、簡潔な言葉の選択と自由詩形を特徴とする。俳句の様式にも影響を受けた。
 『イワン・イリイチの死』
 トルストイの作品。イワン・イリイチという判事が、打ち身がもとで不治の病にかかり亡くなるまでの心理を描いたもの。死との葛藤の後、それまでの、快適を目指して栄達に励む人生が真実の人生でなかったことを悟り、ついに死を受容するまでのプロセスがつづられている。
 因と縁
 因は直接的原因、縁は助縁。因の顕在化を助ける間接的原因・条件を指す。
 インフレーション理論
 ビッグバン宇宙説を宇宙の一様性など現在の宇宙の姿に合うように拡張した宇宙論。宇宙が誕生してすぐに、その体積がきわめて短時間のうちに10倍に膨張(インフレーション)したというもの。
2  ヴァスバンドゥ〔世親〕
 「世親」の注参照。
 ヴィジャヤ
 『マハーヴァンサ』によると、ヴィジャヤは、獅子を父、ヴァンガ国王の王女を母として生まれたシンハバーフ王の長男。七百人の家臣を率いてスリランカに来島、王となって三十八年間治めたという。
 ウィルソン山天文台
 アメリカ・カリフォルニア州南西部の標高一千七百四十メートルのウィルソン山上に、カーネギー財団によって一九〇四年に設けられた天文台。二・五㍍の反射望遠鏡を有している。
 ウィルソン
 (一九三六年―)アメリカの宇宙物理学者、電波天文学者。ペンジアスとともに宇宙マイクロ波背景輻射を発見した。
 ウィルバー
 (一九四九年―)アメリカのトランスパーソナル心理学のリーダーの一人。著書に『意識のスペクトル』『アートマン・プロジェクト』など。
 ウェーサカ
 南方仏教で、釈尊の誕生・成道・入滅を祝って盛大に行う祭り。毎年、インド暦のウェーサカ月(四月―五月)に、満月の日を中心に行われる。
 ウェルズ
 (一八六六年―一九四六年)ハーバート。イギリスの小説家、評論家。SFの祖としても知られる。
 ウォーレス
 (一八二三年―一九一三年)イギリスの博物学者、進化論者。ダーウィンとは独立に自然選択(自然淘汰)の考え方を提唱。後に、人間については宗教的な力による進化を主張した。
 宇宙塵
 宇宙空間に存在する微小な物質。流星は宇宙塵が地球に突入したもの。
 宇宙望遠鏡
 ハッブル宇宙望遠鏡。一九九〇年、アメリカがスペースシャトルを使って、地上約六百キロメートルの高さの衛生軌道に打ち上げた口径二・四メートルの反射望遠鏡。地球大気の影響を受けないので、天体を高解度で観測し、貴重な映像を地上に送り続けている。当初主鏡に欠陥があり、ピンボケの映像しか送れなかったが、一九九三年、スペースシャトルを使って宇宙空間での修理に成功した。
 宇宙マイクロ波背景輻射
 一九六五年、アメリカのペンジアスとウィルソンによって発見された、ビッグバンの名残りで、宇宙全体を一様に満たしていると考えられる電波。温度が絶対温度二・七度に相当することから二・七K輻射、四捨五入して三K輻射などとも呼ばれる。
 ウパニシャッド哲学
 ウパニシャッドは、古代インドの宗教的色彩をもった一群の哲学書。『奥義書』と訳される。大宇宙の絶対者、本体であるブラフマン(梵)と、個人の実体であるアートマン(我)との一体(梵我一如)が人間の究極の目的であり、このことによって輪廻を脱して解脱できるとする。
 エイドリアン
 (一八八九年―一九七七年)イギリスの神経生理学者。神経インパルスの伝達に関する研究で知られる。ノーベル生理学・医学賞をシェリントンと共同受賞。
 『エジプトの死者の書』
 古代エジプトで副葬された文書。死者が幸福な生活を送り、復活するように、祈りの文などが書かれている。紀元前十六~同十四世紀ころに成立した。
 依正不二
 〈依〉とは依報のことで、環境世界を指す。〈正〉とは正報のことで、生命主体をいう。〈報〉とは、過去からの行為の報いという意味。つまり、過去という時間を背負った存在であるということ。この依報と正報は不可分であり〈不二〉の関係にある。
 SSC
 スーパーコンダクティング・スーパーコライダー(超伝導超大型粒子加速器)。アメリカの大型粒子加速器。陽子の加速器として計画されたが、冷戦の終了とともに、一九九三年、財政難を理由に中止された。
 エックルズ
 (一九〇三年―)オーストラリアの生理学者。シェリントンに師事。ノーベル生理学・医学賞を受賞。
 エディントン
 (一八八二年―一九四四年)アーサー。イギリスの天体物理学者。恒星内部構造論、恒星進化論に貢献。アインシュタインの一般相対性理論で言われていた、光が重力の影響で曲がるということを、皆既日食の観測によって証明したことでも知られる。
 NGO(非政府組織)
 Non‐GovernmentalOrganization.政府間の協定によらない非営利の民間団体。草の根レベルでの民間外交、人権擁護、軍縮、国際開発協力、開発途上国に対する援助等に取り組んでいる。
 エネルギー準位
 原子・分子・原子核・素粒子などの量子力学的な系では、系がとりうるエネルギーは離散的な飛び飛びの値をとる。その一つ一つの値は、主量子数や角運動量量子数といった整数で分類できる。このような整数で整理されたエネルギー値をエネルギー準位という。
 エピキュロス
 (前三四二〈四一〉年―二七一〈七〇〉年)古代ギリシャの哲学者。デモクリトスの唯物論的原子論を引き継ぐ。過度の欲望や激情を離れた心の平安が快楽であり、幸福であるとした。
 エフェドリン
 喘息の薬などに用いられる。
 「エル千年の旅」
 プラトンの主著『国家』に述べられている。勇敢な男エルは戦死したが十二日目に生き返り、魂が千年の旅をする“あの世”のことを語る。
 縁起・空
 大乗仏教においては、原始仏教の縁起論から一段とダイナミックに、万物が相互に「縁って起こる」という関係性、すなわち「空」へと展開していった。相依相関性を個人にあてはめると、五陰は仮和合であり、そこに実体としての我はないとする縁起としての「無我説」となる。ここに「縁起」「空」「無我」が、宇宙万物を貫く法理として表現されることになった。
3  岡倉天心
 (一八六二年―一九一三年)明治時代の美術界の指導的役割を果たす。アメリカ人教師フェノロサに師事し、後に東京美術学校長に。校長排斥にあって職を辞し、新しい日本画の創造を目ざして日本美術院を横山大観、橋本雅邦らと設立した。
 オゾン層
 オゾンは酸素の同素体で酸化力が強い。このオゾンの濃度が高い地上一〇~五〇㌔の層をオゾン層といい、太陽からの紫外線を吸収して動植物を守る働きをしている。
 オリオン座の大星雲
 オリオンの剣にあたる三つの星のところにある星雲。散光星雲のなかでは最も明るい。
 オルフェウス教
 ギリシャ神話に登場する詩人・音楽家オルフェウスにもとづいて紀元前七世紀ごろに成立したギリシャの宗教。霊魂の不滅を説き、音楽や禁欲苦行によって魂を浄めて苦しみの輪廻転生を離れられるとする。
 温室効果
 大気中の二酸化炭素、フロン、メタン、亜酸化窒素などは地表からの赤外線を吸収することによって、大気を暖める作用をする。その結果、地球が温室の内部のように暖められる現象のこと。化石燃料の使用が温室効果をもたらす物質を増やし、地球の温暖化を進める、と懸念されている。
 陰陽五行説
 宇宙の相反する二つの気である陰と陽の消長の関係にもとづく世界観と、万物の元である木、火、土、金、水(五行)にもとづく世界観、宇宙観とが合わさった、古代中国に始まった哲理。
 オンライン・リアルタイム・バンキング
 遠隔地を含めて広い範囲にある端末機とコンピューターを通信回路で結び、即時的に情報のやりとりをするのがオンライン・リアルタイムシステムであり、銀行業務に利用するのをオンライン・リアルタイム・バンキングという。
 カー
 (一九三二年―)アメリカの宇宙飛行士第五期生。スカイラブに八十四日間滞在し、地球を千二百十四周した。この間、コホーテク彗星などを観測。
 皆既日食
 太陽全体が月によって隠される天文現象。皆既日食のときには、太陽光球が完全に隠されるので、光球のすぐ外側の層である彩層からの光やコロナが見えるほか、明るい星も肉眼で見ることができる。
 外惑星
 地球より外側の火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星を外惑星、内側の水星、金星を内惑星という。
 化学元素
 化学分析でそれ以上分解できない基本要素と考えられる物質。自然界には九十一種類存在する。実験室では九十九年現在、原始番号一一八の元素までつくられている。
 核の冬
 一九八三年、ワシントンで世界中の物理学者ら五百人が集まって開かれた「核戦争後の地球」についての会議など「核の冬」という現象が注目され始めた。大規模な核戦争が起きた場合の地球環境に与える影響を、モデルにもとづいて研究。大量のチリが成層圏に吹き上げられるなどして、温度低下が数十度にもなり、生物に破局的な結果をもたらすという予測もある。
 核融合
 原子核どうしが融合反応して重い原子核になる反応のこと。膨大なエネルギーが反応によって放出される。
 核抑止論
 核兵器が破滅的影響をもたらし、核戦争においては勝者は存在し得ないことから、核兵器を有することが、たがいに相手国の攻撃を思いとどまらさせ、平和の維持に役立つという考え方。
 確率論
 出来事が起こる確からしさである確率を数学的に扱う数学の一部門。ここでは、確率統計の法則を適用する物理学の立場で言われている。
 カズンズ
 (一九一五年―九〇年)アメリカのジャーナリスト。約三十年間、総合評論誌『サタデー・レヴュー』の編集長を務める。「世界連邦協会」の会長として国連強化運動を推進。池田SGI会長と『世界市民の対話』(本全集第14巻)と題する対話を行った。著書に『人間の選択』『死の淵からの生還』など。
 火星探査計画
 一九六五年のアメリカのマリナー4号をはじめとする探査機の活躍で、火星の解明は飛躍的に進んだ。九二年九月には、火星周回探査機が打ち上げられた。アメリカでは、月面着陸五十周年の二〇一九年までに火星に人を送りたいとしている。
 渇愛
 のどが渇いて水を求めるような貪りの心。
 ガモフ
 (一九〇四年―六八年)ロシア生まれのアメリカの物理学者、著作家。一九三四年、アメリカに亡命し、四八年、ビッグバンから宇宙が誕生したことを最初に提唱した。科学の先端の知識を、一般の人にわかりやすく解説したことでも知られる。
 ガリレイ
 (一五六四年―一六四二年)ルネサンス末期のイタリアの物理学者、天文学者。観測事実にもとづいた実験と数学化による、経験的・実証的な近代科学の基となる方法を導入し、力学上の諸法則などを明らかにして「近代科学の父」と称される。自作の望遠鏡で、木星の四大衛星、太陽黒点、金星の満ち欠けなどを発見し、コペルニクスの地動説の正しさに対する確信を深めた。『天文対話』を出版し、教皇ウルバヌス八世の怒りにふれ、異端審問所から地動説の放棄を誓わされ、幽閉された。幽閉の間に失明するが『新科学対話』を口述によって執筆している。
 ガリレイ事件
 「ガリレイ」の注を参照。
 ガルトゥング
 (一九三〇年―)ノルウェーの社会学者。オスロ国際平和研究所を創設。平和学を創始し、「構造的暴力」の概念を提唱。著書に『仏教―調和と平和を求めて』、池田SGI会長との対談集『平和への選択』(毎日新聞社)など。
 ガルブレイス
 (一九〇八年―)カナダ生まれ。ハーバード大学教授、インド大使を歴任。ハーバード大学名誉教授。池田SGI会長とは一九七八年十月以来、数度にわたって対談している。著書に『ゆたかな社会』『不確実性の時代』など。
 ガレ
 (一八一二―一九一〇)天文学者。
 カレン事件
 一九七五年、アメリカ・ニュージャージー州で起きた事件。当時二十一歳の女性カレン・クインランは重度の意識不明から植物状態となり、娘が自然な状態であることを望んだ両親は、人工呼吸器を外させてくれるよう裁判所に訴えた。一九七六年に州最高裁がその訴えを認める判決を下し、人工呼吸器を外したところ、自然呼吸が復活しており、それから十年間生き続けた。

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