Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

婦人部代表幹部協議会 女性の力が世界を動かす

2006.2.10 スピーチ(2006.1〜)(池田大作全集第100巻)

前後
1  戦おう! きょうという日はふたたび来ない
 婦人部の皆さん、いつもありがとう! 毎日、本当にご苦労さま!
 ある日、戸田先生と私は、世界の文学などをめぐって、語らいのひとときをもった。その時、私は、イタリアの大詩人・ダンテの『神曲』の一節を申し上げた。
 それは、「きょうという日はふたたび来ないのだということを思え」との意味の言葉であった。
 戸田先生は、会心の笑みを浮かべられ、「そうだな。大作、そのとおりだな」と言われた。
 あの慈愛に満ちたお顔を、忘れることはできない。
 明日(二月十一日)は、師匠戸田先生の生誕の日である。
 この日を、尊き婦人部の代表の皆さま方、そしてまた、世界広宣流布の指導者の代表と祝賀することができ、これほどうれしいことはない。
2  きょうは先人の方々、哲学者や思想家の言葉を引きながらお話ししたい。
 まずはじめに、私と妻が深い交友を結ばせていただいた、二十世紀の中国を代表する女性作家、謝沫心しゃひょうしん女史。作品のなかで、こうつづっている。
 「世界にもし女性がいなかったら、この社会は一体どうなってしまうでしょうか!」
 「世界にもし女性がいなければ、この社会における少なくとも五〇%の『真』と、六〇%の『善』と、七〇%の『美』が失われてしまうでしょう」(「関干女人」後記、『謝心七十年文選』所収、上海文芸出版社)
 含蓄ある言葉である。学会も、もし女性がいなかったら、どうなってしまうことか。
 今よりも、もっともっと女性を大切にしていかなければならない。
 また、女性の皆さんは、尊き使命を深く自覚していただきたい。遠慮はいらない。勇気の声、正義の声を、高らかにあげていくのだ。
 ついで、アメリカの社会運動家、エレノア・ルーズベルト大統領夫人の箴言である。
 「私は戦うことが好きです。何歳になろうと、暖かな暖炉のそばで、ぼんやり周りを眺めて過ごすことはできません」(The Autobiography of Eleanor Roosevelt, Da Capo Press)
 いい言葉である。学会精神にも通ずる一言だと思う。
 「戦う」とは、「生きる」ことである。「戦う」ことが「勝利」であり、「幸福」である。
 二十世紀ブラジルの著名な女性詩人、コナ・コラリーナは謳った。
 「戦いという活気に満ちた言葉は
 弱いものを鼓舞し
 強い者を決断させる」(Melhores Poemas de Cora Coralina, Editora Global)
 「戦おう!」という一念。そこからすべてが始まる。
 同じく、二十世紀のブラジルで広く愛された女性詩人、セシリア・メイレレスの詩の一節。
 「前進はやめてはいけない
 前進は継続していくものだ
 続けることが前進だ
 それは永遠である
 それこそがあなた自身なのだ」(Cantico2, Melhores Poemas de Cecilia Meireles, selecao de Maria Fernada, Editora Global)
 止まってはいけない。停滞は死。前進は生である。「前へ、前へ!」と進むなかに、生きている証がある。
 エレノア・ル1ズベルト夫人は、こうも言っている。
 「何の責任も取ろうとしない人たちが、責任を引き受ける者を、最も激しく批判するものです」(The Collected Works of Mahatma Gandhi, vol.89, Publication Division, Ministry of Information & Broadcasting, Government of India)
 これまた至言である。何もしない人間に限って、重い責任を担って苦労している人を批判するものだ。
 そうした無責任な批判など歯牙にもかけず、勇敢に進みぬくことだ。貫いてこそ勝利はある。
3  強い人間とは、「心の強い」人
 インドの″偉大なる魂″ガンジーは言った。
 「もし、女性は弱いと信じる人がいたら、私は、この世界中に弱い女性は一人もいないと言おう。
 すべての女性は強い。自身の宗教に確固たる信仰を持っている人は皆、強い。決して弱くないのである」(The Collected Works of Mahatma Gandhi, vol.89, Publication Division, Ministry of Information & Broadcasting, Government of India)
 人間の強さは、心で決まる。信念の強さで決まる。本当に強い人とは、「心の強い人」である。
 ゆえに、永遠にして宇宙大の妙法を強盛に信じぬく、婦人部・女子部の皆さんは、最も強い人である。
 どんな宿命にも、どんな困難にも、負けるわけがない。必ず勝てる。必ず乗り越えていける。
 皆が仰ぎ見るような、晴ればれとした勝利の大境涯を、必ずや開いていけるのである。「女性が男性よりもすぐれていると知ること、それ自体に本当の教育がある」(The Collected Works of Mahatma Gandhi, vol.24)
 とれもガンジーの言葉である。目が覚めるような名言である。
 そういう世界に近づけようと、私は長年、努力してきた。
 いい学校を出たからといって、必ずしも教養のある人とは言えない。女性を差別したり、女性に傲慢な態度をとるような人間は、学歴があっても、いかに地位が高くても、無教養の人と言われるであろう。心から女性を尊敬できる人が、本当の教養人なのだ。
 「女性はまじめです。インチキをし、破壊するのは、男性です」との厳しい声もある。
 男性が優位で、女性を大事にしないところは、必ず衰亡していく。
 自分が犠牲になってでも、女性を大切にし、守っていくのが「紳士」の根本である。そういう気風がしっかりと根づいた国や社会は、隆々と勝ち、栄えていく。まさしく「女性の時代」なのである。
 戸田先生は、よく言われた。
 「本当にまじめな人でなければ、信心をやり通せない。学会員は、まじめな人たちである。学会員を大切にしなければいけない」
 また、模範的な信行に励んできた方々を、「仏の使い」として、最大に尊敬し、大事にしていくのだと訴えておられた。この教えのとおりに、仏に等しい学会員の方々を、少しでもねぎらい、一人でも多く讃えてさしあげたい。これが、私の心情である。
 リーダーは、学会の同志を親以上に大切にしていくことである。もし、会員を下に見るような幹部がいれば、とんでもないことだ。幹部は会員を上から抑えるのではない。いわば、下から支え、持ち上げていくのである。

1
1