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日蓮大聖人・池田大作

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各部合同研修会(1) 青年よ「正義と完勝の北極星」と光れ

2005.8.19 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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1  人生も闘争も、いよいよこれから!
 各部合同研修会の開催、ご苦労さまです。連日の師子奮迅の広宣流布の大闘争、本当にありがとうございます! 学会とともに生きるということは、「信心根本に」生きるということである。この信心だけは、何があっても、絶対にゆるがせにしてはいけない。
 当然、現実は厳しい。仕事のこと、家庭のことなど悩みは尽きないかもしれない。だからこそ、ひたぶるに御本尊に祈っていくのだ。苦しい宿命と戦いながら、そして周囲の人々には、勇気と希望の励ましを送りながら、猛然と広宣流布に行動していくのである。
 「広布に戦おう!」「信心で勝つのだ!」――その心が決まったとき、勝利への歯車は音を立てて回り始める。信心強き人が最後は必ず勝利する。妙法には絶対にムダはない。学会活動はすべて自分の福徳となっていくのである。
 南無妙法蓮華経は、「久遠元初の法」である。それを唱える私たちの生命もまた、「久遠元初の生命」である。ゆえに、御本尊を拝する私たちは、毎日が「久遠元初」である。毎日が「新しい出発」である。一瞬一瞬がつねに「いよいよ、これから」なのである。
 過去を振り返る必要はない。大事なのは「今」である。「今この時」を全力で生きぬき、勝ちぬいていくのだ。いくつになっても、若々しい生命力で、前へ前へ! どこまでも、戦う心を燃やしながら、ともどもに「勝利の劇」を飾ってまいりたい!
2  渋沢栄一 「逆境に処しては、断じて行え」
 「逆境は大丈夫(立派な男子)の試金石である」(渋沢栄一『論語と算盤』国書刊行会)
 こう叫んだのは「日本の近代経済社会の父」と仰がれる明治の大実業家・渋沢栄一である。
 彼が後半生の三十年間を、東京・北区の飛鳥山の自邸(曖依村荘)で過ごしたことは、よく知られている。四季折々に美しい飛鳥山公園内にある邸宅跡には、現在、「渋沢史料館」が創設され、区内はもちろん、隣接する足立区など各地から多くの人が訪れる。
 一八四〇年(天保十一年)、埼玉の農家に生まれた渋沢は、初め幕府に仕え、明治維新後は大蔵省に出仕。その後、実業界に転身し、日本初の銀行である第一国立銀行を設立。
 さらに、東洋紡、王子製紙、日本製紙、東京海上日動、東京電力、東京ガス、帝国ホテル、太平洋セメントなど五百余の企業の創設に携わり、日本経済の礎を築いていった。
 幕末から明治、大正、昭和の激動期を生きぬき、当時の「官尊民卑」の風潮を打ち破りながら、多方面にわたって優れた業績を残した人物である。人並はずれた努力と挑戦があったであろう。
 彼は言う。
 「逆境に処しては、断じて行え。決して疑い惑うてはならない」(渋沢青淵記念財団竜門社編『渋沢栄一訓言集』国書刊行会)
 逆境から逃げるな。困難を避けようとする弱い命から、疑いや迷いが生じてくるのだ。
 己に恥じることなき君ならば、断じて行動だ! 突き進め! それが大実業家の叫びである。
 さらにこうも言っている。
 「(=青年は)正義の観念をもって進み、岩をも徹す鉄石心(=きわめて固い決心)を傾倒すれば、成らざることなしという意気込みで進まねばならぬ、この志さえあれば、いかなる困難をも突破しうる」(前掲『論語と算盤』)
 人生も、闘争も、勝敗を決めるのは、自分の心である。「心こそ大切」である。
 もしも、心のどこかに「油断」や「諦め」があれば、そこで前進は止まる。成長は止まる。
 一念の力は無限だ! 一念の力は偉大だ! 「断じて勝つ」。この執念が強いほうが勝つ。心で勝ったものが勝つ。信心の王者こそ、絶対不敗の勝利者なのである。
 彼は語っている。
 「一家一人のために発する怒りは小なる怒りにて、一国のために発する怒りは大いなる怒りである。大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促すものである」(前掲『渋沢栄一訓言集』)
 御書には「怒りは善悪に通じる」(584㌻、通解)と仰せだ。われらは、世界のため、人類のためという大いなる「正義の怒り」をもって、わが信念を堂々と語りぬいてまいりたい。
3  心で勝つ「信心の王者に」
 渋沢は、実業面だけでなく、社会福祉、教育・医療の発展、国際親善交流などにも情熱を注ぎ、六百余の社会公共事業に従事したとされている。
 実業家は、いたずらに私利私欲を求めるだけではいけない。他人の幸福に尽くしていかなければならない――こう考えた彼は、道徳と経済の一致を主張し、みずからが模範の姿を示そうとしたのである。彼が倫理の規範としたのが、孔子の『論語』であった。
 彼は自身の著作『論語講義』の中で、次の一節を引いて論じている。
 「まつりごとをなすに徳を以てすれば、譬えば北辰のその所に居り、しかして衆星のこれにむかうがごとし」(講談社)――指導者が徳をもって優れた政治を行うならば、天空の星々が北極星を中心に回るように、地上にも荘厳な調和を実現できるとの意味である。
 国の為政者はもちろん、会社の経営者、教育者など、あらゆるリーダーが、正義と人道の徳を輝かせ、その光で人々を導いていくべきである。それが渋沢の理想であった。
 私も今、創価の青年リーダーに叫びたい。
 若き君よ、「正義と完勝の北極星」と光れ! わが生命の炎を赤々と燃やしながら、勝利へ勝利へと友を導いていくのだ。老いたる父母が築きたる創価の大牙城を守りぬけ! 何があっても負けない「信心の王者」と立つのだ。青年部の諸君、よろしく頼みます!
 民間外交にも貢献した渋沢の幅広い交友関係を物語るように、飛鳥山の自宅には、インドの詩人タゴール、中国革命の父・孫文、アメリカの第十八代グラント大統領など世界から数々の賓客が訪れている。
 「誠心誠意をもって人に接すれば、不思議なほど対手(=相手)に感動を吠えるものである」(前掲『渋沢栄一訓言集』)
 誠心誠意――これが私たちの武器である。わが足元から、感動と友情のスクラムを幾重にも広げてまいりたい。

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