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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(1) 新しい前進は幹部革命から

2005.8.1 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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1  青年よ、未来への翼と正義の剣を持て
 伝統の全国最高協議会の開催、ご苦労さまです。学会創立七十五周年の上半期も、全国の同志の異体同心の団結によって、見事に大勝利で飾ることができました。
 偉大なる広宣流布の同志の皆さま方に、深く深く感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました!(拍手)
 広宣流布のリーダーは、生き生きと、輝いていなければならない。強き信心で、大生命力を奮い起こし、多くの友に励ましを送っていっていただきたい。
 大切な広宣流布の同志を、幸福の方向へ、勝利の方向へと導いていく皆さん方であっていただきたい。そして、広布を阻む仏敵を鋭く見破り、断固として、打ち破っていくのだ。真実を叫びきっていくことである。勇気ある言論で、学会を守り、同志を守り、広布を守るのが、指導者の第一の責務である。
 次の時代を担う若い人たちを、大きく育てていきたい。
 青年には、大空を自由奔放に翔けめぐるような翼が必要だ。その「未来に羽ばたく翼」こそ、信心である。仏法は「無限の向上の法」なのである。
 また、青年ならば、人々を苦しめるデマや中傷を、切って切って切りまくっていく「正義の言論の剣」を持たねばならない。
 そのためにも、最高幹部の皆さん方は、どうすれば青年たちがやりやすいか、持てる力を発揮できるかを最優先で考えてほしい。よろしく頼みます!
 戸田先生は言われた。
 「弟子は弟子の道を守らねばならぬ。ことばも、実行も、(=牧口)先生の教えを、身に顕現しなければならない」(『戸田城聖全集』3)と。
 師弟の世界こそが学会の真髄である。
 これまで学会は、「師弟の心」で進んできた。つねに「師弟不二」で勝ってきた。この一点だけは、断じて忘れてはならない。「柱」を切れば、「建物」は倒れる。同じように、学会も、「師弟の精神」という根幹の柱を失えば、必ず衰亡してしまう。
2  ″牧口先生を宣揚せずにおくものか″
 牧口先生のことを語る戸田先生の姿は、本当に峻厳であった。とくに、牧口先生の死を語るとき、戸田先生は、目に涙を浮かべ、激昂された。
 戦時中、牧口先生が、日蓮大聖人の仏法を、お守りし、軍部権力に逮捕されたときである。他の弟子たちは、次々と保身に走った。恩知らずにも、師匠の牧口先生を罵り、去っていった者もいたのである。そのなかで、戸田先生だけは、最後まで不退転を貫かれた。
 さらに先生は、「あなた(=牧口先生)の慈悲の広大無辺は、わたくしを牢獄まで連れていってくださいました」(同前)とまで言われ、師匠に感謝されたのである。
 これが仏法の師弟である。生命の究極の次元の紳で結ばれたお二人であった。
 牧口先生は、正義の信念を貫いて、壮絶なる獄死を遂げられた。生きて牢獄を出た戸田先生は、まさに巌窟王の執念で、仇討ちの戦いを開始された。正義の人をいじめた社会の根本的な変革に立ち上がられた。
 牧口先生の六回忌の折には、次のように言われている。
 「牧口先生のご葬儀は、わずかの親類縁者と官憲の眼を恐れぬ二、三の人々によって行われたということを、私は出獄して初めて知った。
 この時、私は『価値論』を生み出した世界の偉人の葬儀の状態を聞いて腹の中が煮えくりかえり、『よし! 先生を世に出さずにおくものか!』と奮起した」
 私も、この心で生きてきた。牧口先生、戸田先生の偉大なる功績を世界中に宣揚してきた。
 さらに戸田先生は言われた。
 「かならずや一生を通して、(牧口)先生の行動が正しいか正しくないか、その証明をする覚悟です」
 こうも語っておられた。
 「『(牧口)先生のあとを継承し、世界における学会の使命を断固として果たして死のう!』という私の決意は絶対に変わることはない」
 私も戸田先生に命懸けで、お仕えした。
 戦後まもなく、戸田先生の事業が挫折し、多くの人が裏切り、去っていったときも、私は、一人立ち上がった。
 「断じて、戸田先生を、お守りする。わが命にかえても!」――これが不二の弟子たる私の誓いであった。
 給料は何カ月も遅配のまま。真冬でもシャツ一枚で過ごしたこともあった。毎晩、靴も脱げなくなるほど疲れ果てていた。どれだけ戦ったか。どれだけ苦労したか。
 師弟一体の大闘争によって、困難を極めた先生の会社も徐々にめどが立ってきた。暗い閣の向こうに、少しずつ光が見え始めた。
 そして、すべてを勝ち越えて、昭和二十六年(一九五一年)五月三日、戸田先生は、晴れて学会の第二代会長に就任されるのである。師弟の勝利の夜明けであった。
 ここから、学会は、偉大なる前進を開始し、世界的な大発展を遂げていくのである。
3  まず自分が先駆! 自分が成長!
 「魚は頭から腐る」と言われる。
 トップが崩れるところから、組織も腐り、崩壊していく。それが道理である。また、幹部が傲慢になり、いばって人の意見を聞かなくなると、そこに「魔」はつけいってくるのだ。
 だからこそ、戸田先生は、幹部に厳しく指導された。
 「役職があればあるほど責任がある。模範でなくてはいけない」「人前でいかに立派なことを言っても、自分が実践しないとすれば、幹部として、最低の姿である」
 また先生は、「責任者が遅刻したり、多くの社員がだらしなく遅刻を重ねるような職場は、必ず問題を起こし、衰微する」とも言われた。戸田先生は、本当に「朝」に厳しかった。
 こうも指導された。
 「正義のために戦う頼もしさがなければ、だれもついてこなくなる」
 全幹部が「一兵卒」となって戦うことだ。できあがった組織の上に、あぐらをかくような幹部には、絶対になってはならない。
 昭和三十一年(一九五六年)の″大阪の戦い″。だれが、どう見ても、勝てるわけがない戦いである。だが、私は、みずから第一線に入り、その劣勢をはねのけて、勝利の金字塔を打ち立てた。不可能を可能にした。愛する関西の同志とともに!
 ともあれ、全幹部が最前線に立ってとそ、皆が安心して前進できる。幹部から「新しい風」を起こしていくことだ。
 自分が率先して折伏する。仏法対話をする。御書を学ぶ。わが友を全力で励まし、立ち上がらせていく。この「幹部革命」を、全員で心を合わせて実行してまいりたい。

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