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日蓮大聖人・池田大作

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全国代表者会議 百年に匹敵する一年を! スピードで勝て

2005.3.25 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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1  青年よ大理想に生きよ!
 全国代表者会議の開催、ご苦労さまです! きょうは、ゆったりと懇談的に話を進めてまいりたい。
 戸田先生は、だれよりも、青年を大事にされた。青年と膝を交えて語りあい、質問や悩みなど、何でも聞いてくださった。そしてまた、古今の名作や万般の事象を通して、ありとあらゆる指導をしてくださった。
 青年を何としても、人生の勝利者にするのだ!
 広宣流布の大指導者にするのだ!――この戸田先生の気迫にふれ、私たち青年は立ち上がった。自分に勝ち、社会で勝ち、広宣流布にわが身を捧げて戦ったのである。
 本当に偉大な先生であられた。
 フランスの文豪ヴィクトル・ユゴー。
 戸田先生がお好きな作家であった。先生は、ユゴーについて、よくこうおっしゃっていた。
 「ユゴーは、たいした文豪である。たいした実践家である。たいした革命児である。彼の生き方は、学会精神に通じるものがある」と。
 私も十代のころから愛読した作家である。
 戸田先生のもとで、ユゴーの名作『九十三年』などを読み進めた。文豪の言々句々を青春の闘争のエネルギーとしてきたのである。
 ユゴーいわく。
 「私たちはスピードの時代を生きている」
 「私たちのいる時代にあっては、一年が百年にも匹敵する仕事をする」(『言行録』稲垣直樹訳、『ヴィクトル・ユゴー文学館』9所収、潮出版社)
 スピードが大事である。ますます、そういう時代になってきた。
 私のもとにも、朝となく夜となく世界各国から連絡が入る。先ほども緊急の報告があり、協議をしていたところである。変化、変化の時代にあって、徒歩や馬車のような速度で、のんびりやっていては、まったく話にならない。
 スピードで勝て!
 一年が百年にも匹敵する仕事をなせ!
 学会は、このとおりに進んできた。
 時代を見通し、迅速に手を打ち、休みなく行動してきた。また、同志が苦しんでいると聞けば、何をさしおいても、飛んで駆けつけ、激励した。そして、あらゆる状況の変化に、電光石火のスピードで対処し、勝って勝って勝ち抜いてきた。
 だからこそ、世界中から賞讃され、期待される″平和と文化の大連帯″を築きあげることができたのである。
 どんな団体も、また企業も、繁栄しているところは、やはり、スピードが違う。時代の趨勢を的確に見極め、対応している。どこも、生き残りをかけて必死で戦っているのである。
 たとえ今は栄えていても、油断したり、傲慢になって、前進をやめてしまえば、間違いなく敗北が待っている。本当に厳しい時代である。リーダーが率先して苦労していくことだ。
 幹部が見かけだけで、要領よく振る舞うようになれば、組織はすぐに沈滞する。無責任であっては幹部失格である。
 人生においても、スピードが大切である。一日の勝利は、まず朝の出発で決まる。断じて「朝に勝つ」ことだ。すがすがしい心で、生き生きと仕事を開始することだ。
 ここに、連続勝利の秘訣があることを忘れてはならない。
 ともあれ、時代は激しく揺れ動いている。ゆえに、「迅速な行動」とそが勝利の要諦であることを、最初に強く申し上げておきたい。
2  尊敬・平等の心で! 女性を大切に
 男女同権である。世界は大きく変わってきている。
 社会の各分野を見ても、女性が活躍しているところは、やはり勝っている。伸びている。
 男性のほうが偉いと思って、女性を下に見る人間がいたならば、時代錯誤であり、とんでもない間違いである。もちろん、男性と女性には違いがあるし、先輩や後輩といった関係もあると思う。しかし、根本はまったく平等である。
 それが仏法の精神である。御書に「男女はきらふべからず」と仰せのとおりだ。
 地域に根ざし、現実に広宣流布を進めている大きな力は婦人部である。また、職場で生き生きと活躍し、家庭にあっても希望の光と輝く女子部の存在が、どれほど大きいか。
 男性の幹部は、婦人部・女子部の皆さんを、いちだんと大事にし、尊敬し、讃えていくべきである。女性の皆さんが、あらゆる面で「やりやすいな」と思えるよう、幹部は、もっと心をくだいていかねばならない。そうすれば、学会は、もう一歩、発展していくこことができる。さらに大きな力を発揮していけるのである。
3  まず、がっちりと「核」をつくれ
 若さは力である。さらに陸続と、新しい青年を育てたい。若いメンバーを大切にしたい。青年が青年を結集し、前進しているところには、めざましい勢いがある。
 ″若い力で変革の波を起こそう! 自分たちの新しい世界を開こう!″――こうした革命児の気概は、青年にとって重要である。
 青年ならば、大いなる理想を持つことだ。そして、その理想に向かって、全力で戦っていくことである。青年部のリーダーは、″わが地域に、日本一の男子部をつくろう!″″日本一の女子部をつくろう!″という情熱を持っていただきたい。情熱あるところ、必ず道は開けていくからだ。
 若いメンバーを育成するには、まず「会う」ことである。そして「語る」ことである。さらに、「一緒に行動する」ことである。ときには、ともに食事をしたり、お茶を飲んだり、そういうなかで励ましていくことも大切である。
 初めは人数が少なくても、かまわない。大切なのは、「核」をがっちりとつくることである。最初からいっぺんに、大勢を相手にしても、確固たる人材群を築くことはできない。十人くらいで、しっかりと「核」を固めていく。そして今度は、その一人一人が、新しい十人の人材を糾合する――そのようにして、広布の人材を育成し、拡大していくのである。
 拡大の目標を決めたならば、断じてそれを達成していくことだ。口先だけで実行を伴わないのは、観念である。仏法は、観念論ではない。現実に、どれだけ人材を育てたか。どれだけ正義の連帯を広げたか。その「結果」が重要なのである。
 戸田先生は、広布の本陣で戦うリーダーに、よく言われていた。
 「君たちは、広布の本陣中の本陣の闘士だ。これほど尊い、これほど偉大な使命はない。最高の誇りと、最高の責任と、最高の生きがいを持っていくのだ」
 さらに「力を持て! 戦って勝て! 全軍が勝利の方向に進めるよう、模範となっていけ!」と徹して指導されていた。本陣のリーダーが怠けていたり、のんびりしていれば、じつに厳しく叱られた。同志は皆、厳しい現実と格闘しながら、一生懸命、広布に尽くしてくださっている。それなのに、リーダーが先頭に立って戦わないのはとんでもない、と激怒された。
 みずから動きもせず、苦労もせずに、組織のうえにあぐらをかいて威張るような幹部が増えたら、学会は根っこから腐ってしまう。そう真剣に危慎されていた。ゆえに戸田先生は、最高幹部に対して、まことに厳しく指導しておられたのである。
 皆さまもまた、みずからの使命と責任を深く自覚してほしい。決意も新たに、勇んで、はつらつと、広布のために率先して戦い、同志の方々に尽くしていただきたい。

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