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日蓮大聖人・池田大作

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第二総東京最高協議会 心を動かす「祈り」と「指導力」を

2005.2.3 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

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1  「退く心」なく戦いぬくことが創価の誉れ
 晴れやかな創立七十五周年の「伝統の二月」の冒頭を飾る第二総東京最高協議会、まことに、おめでとう! 後世のためにも、少々、記念のスピーチを残させていただきたい。
 大聖人は、「日蓮は、第六天の魔王と敵対する者として、大兵を起こして戦うこと二十余年である。その間、日蓮は一度も退く心は、なかった」(御書一二二四ページ、通解)と仰せである。
 この大聖人の御心を心として、わが創価学会は、七十五年間、三代の師弟にわたって、「退く心」なく、ただ広宣流布のために戦いぬいてきた。ここに創価の誉れがある。
 「梅咲きぬ。月ようやく美なり」(「武蔵野」岩波文庫)
 詩人・国木田独歩が、二月の「武蔵野」を描写した一節である。私も青春時代、愛読した。
 第二総東京のけなげな同志は、厳寒のなか、対話の花を凛と咲き薫らせている。また、冴えわたる月光のごとく、あの友、この友を誠実な心で照らし、温かく励ましておられる。いつも、本当にご苦労さまです。
 全国的に、寒さが厳しくなっている。おたがいに健康第一で、風邪に注意し、また睡眠不足にならないよう心がけてまいりたい。
 きょう(三日)は二十一世紀の本陣・八王子の八王子平和会館を車から視察させていただいた。今年の一月三日には、あきる野市の秋川平和会館を視察し、″勝利の一年″のスタートを切った。
 また本年は、創立五十五周年(一九八五年)の三月三日に町田文化会館を訪問して、満二十年を迎える。町田が広宣流布の「特区(特別区)」として出発して今年で十周年でもある。あらゆる面で大発展を遂げていると、うかがった。これほどうれしいことはない。
 町田のすばらしい前進と団結の姿に、皆が大喝采を送っている。
 さらに立川文化会館は、最も頻繁に足を運んだ会館の一つである。初訪問は二十八年前(一九七七年)。以前から、私は、第二総東京が将来、必ず大発展し、二十三区と並び立つ重要な地域になると確信していた。そのために、先手、先手を打って、人材を育ててきた。近隣を大事にし、人の声を聞きながら、広布の基盤をじっくりと広げ、固めてきた。
 今や第二総東京は、全国の友が仰ぎ見る平和と広布の一大拠点として発展している。その中心が立川であることを誇りとしていただきたい。
 また三十六年前(一九六九年)の七月六日、急遽、村山会館(現・村山緑が丘会館)を訪れたことも懐かしい。そして、経文どおりの悪口罵詈との闘争のなか、東村山文化会館、東大和文化会館を訪れ、敬愛する同志とともに過ごした日々も、わが胸中に永遠に光っている。
 さらに、狛江文化会館(=現・多摩川平和会館)の初訪問からは二十七年、日野文化会館は二十年、昭島文化会館は十七年、小金井文化会館は十五年。行くところ行くところで、忘れ得ぬ黄金の歴史を刻んできた。皆、見事に活躍している。めざましい大前進をしていることがうれしい。
 私は、朝も晩も、第二総東京の大切な同志のご健康と勝利と福徳を、御本尊に深くご祈念申し上げている。とりわけ、全国模範の第二総東京の婦人部、女子部の皆さま方のご健闘を、私も妻も、心から讃え、ねぎらいたい。
 また尊き「宝寿会」の方々は、高齢社会の希望のモデルとなって、若々しく、地域社会に心の交流を広げておられる。すがすがしい「ヤング・ミセス」の方々も、友情のネットワークを、身近な周囲から幾重にも生き生きと結ばれている。
 友の幸福のため、地域の発展のため、広布の会館に朗らかに集い合う皆さま方は、生々世々、子孫末代までも、想像もできない美しい大宮殿に住むような境涯となる。そういう因を積んでいるのである。妙法とは「不思議の法」である。妙法には絶対にウソはない。そのことを確信していただきたい。
 学会のリーダーは、「指導力」を磨いていただきたい。
 会合での話一つにしても、原稿を棒読みするような冷たい話し方であっては、せっかく集まってくれた皆さんに申しわけない。人間味が大事である。
 そして、指導は、誠実に、具体的に、また、胸にしみ入る話をしていくことだ。
 皆が「よし、やろう」「頑張ろう」、そう思えるような話をしていくことである。
 幹部は、これをつねに心がけて、研究していかないといけない。最も人間らしい世界が「妙法の世界」であるからだ。
2  歌の力は偉大! 学会歌とともに
 学会歌は、力強い歌声で、力強い生命で歌っていくことだ。それが学会歌の精神である。
 こういう基本から、もう一度、男子部も、女子部も、新たな「革命」を起こしていただきたい。
 新入会のメンバーも増えている。歌を歌うことで、皆の心を一つにし、前進の歩調を合わせていくこともできる。
 はつらつとした学会歌の歌声とともに、「男子部革命」の勇敢なる舞を、「女子部革命」のさわやかな調べを、新世紀の大舞台に敢然と広げてまいりたい。
 戸田先生は、青年部を、それはそれは厳しく訓練された。
 最高幹部が大勢いるなかで、ことぞという時には、いつも、青年の私を指名された。「大作、頼むぞ!」と一切の指揮を私に託してくださったのである。
 先生の絶大な信頼にお応えするために、死にものぐるいで戦った。
 そして、断固として、勝った。勝たなければ仏法はない。師弟はない。
 そのことを、未来を担う青年部に、今一度、訴えておきたいのである。
 戸田先生は、「学会利用の悪人、同志を裏切った卑劣な輩は絶対に許してはならない」と厳命された。とくに男性幹部には、「悪に対しては、仇を討たずにはおかないというくらいの根性と忍耐と意地を持て!」と厳しかった。これが学会の伝統である。
 悪鬼入其身の「魔物」から、同志を守り、広布の組織を守っていくのが幹部の責務である。
 根本は「祈りで勝つ」ことだ。諸天を揺るがす「強盛な祈り」は、全宇宙を動かしていく。いかなる敵にも断じて勝つことができるのだ。「祈り」こそ「魔との戦い」の要諦である。
 広布の同志に対しては、「信頼の灯台」となっていただきたい。会員から「あの人がいるから頑張ろう」「あの人の言葉に勇気づけられた」と慕われるようでなければ、幹部である意味はない。
 ツーンと偉そうに座っているだけで、何を考えているのか、さっぱりわから、いばってはいるが自分は戦わない。ニコリともしない。そのうえ、皆を抑えつける――それでは「地獄の使い」のようなものだ。かえって皆の邪魔になる。
 幹部は、いばるためにいるのではない。会員に尽くしていくためにいるのである。
 「ご苦労さまです!」「いつも、ありがとうございます!」と笑顔で、頭を下げて、広布に戦う同志に心から感謝し、賞讃を送っていくことだ。
 この「会員第一」の真心と行動が、わが身を無量の福徳で飾っていくのである。
3  世界には賢明な女性が必要!
 私が対談集を発刊した、アメリカの未来学者へンダーソン博士は語っておられた。(『地球対談――輝く女性の世紀へ』主婦の友社)
 「いろいろな意味で、女性は″革新者″です」
 「世界の女性たちは『愛情』と『勇気』を、家庭や周囲の人間関係、さらには企業の経営や政治の場に注ぎこんでいます。この女性のもつ力が、二十一世紀にとってどれほど重要なものであるか計り知れません」と。
 へンダーソン博士をはじめ、世界の知性から創価の女性スクラムに寄せられる信頼と期待は、いちだんと深い。
 フィリピンの名高い「教育の母」で、名門キャピトル大学の創立者であられるロサレス先生も、創価世界女性会館を訪問されたさい、芳名録にこうつづられた。
 「混迷する世界には、創価の女性の皆さま方の存在が必要なのです。SGIの連帯が世界中に拡大していかれることを祈ります」と。
 (ロサレス女史は、創価世界女性会館で、こうも語った。「池田博士の平和の理念を広げる『創価の女性』が増えれば、世界は、よりよい場所になるでしょう」と)
 理解と共感の輪を大きく深く広げゆく、「女性広報部」の活躍も、第二総東京が最先端を進んでおられる。まことにすばらしい前進である。
 カナダの女性作家モンゴメリーは名作の主人公「アン」に、こう語らせている。
 「いつもだれかが、なくてはならない人だと思ってくれるような人間になりたいわ」(『アンの幸福』掛川恭子訳、講談社)
 まさに、わが婦人部、女子部の皆さまは、そういう存在として輝いておられる。
 アメリカの女性詩人ディッケンズは喝破した。
 「信仰の放棄が/いつか行動を小さくしてしまう」(『自然と愛と孤独と』中島完訳、国文社)と。
 正しき信仰を持って行動する人生が、どれほど大きな境涯を開いていくことができるか。
 その模範が皆さま方である。
 イギリスの女性詩人アン・プロンテも、「信仰とともにあるあいだは私は幸せです/信仰は私のもっとも暗い夜を昼に変えてくれます」(「アン・ブロンテ」森松健介訳、『ブロンテ全集』10所収、みすず書房)と高らかに謳いあげているとおりである。

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