Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

方面長協議会 青年を伸ばし、新しい陣列を

2004.12.25 スピーチ(2004.9〜)(池田大作全集第97巻)

前後
1  完勝の戦いに、最大の敬意を
 全国の尊き広宣流布のリーダーの皆さん、きょうは寒いなか、また遠いところ、本当にご苦労さま!
 この一年の全国、全世界の同志の見事なる完勝の戦いに、私は最大の敬意を表したい。
 まことに大きな前進の一年であった。皆さんのおかげで「勝利、勝利」のリズムが、完璧にできあがった。最大に感謝申し上げたい。本当に、ありがとう!(拍手)
 いよいよ、「青年の時代」である。各地で新しい青年が、陸続と育ってきている。
 学会の将来を担い立つのは、今の青年部である。青年で、学会の次の発展が決まる。さらに力を入れて、青年を鍛えに鍛え、大いに伸ばしてまいりたい。
 青年部が、思うぞんぶん、力を発揮し、伸び伸びと戦っていけるよう、最大に心を配り、応援していただきたい。また、婦人部・女子部を心から大事にしていくことである。
 勝ち戦のときこそ、盤石なる布陣を整える最高のチャンスである。これが恩師戸田先生の深き教えであった。広宣流布のため、平和と文化のために、学会が永久性の前進をしていけるよう、本格的に「新しい陣列」を築く時代に入った。そのことを、最高幹部の皆さんは、いちだんと強く自覚していただきたい。
2  一人の「人間革命」からすべては始まる
 きょうは、信越長も参加されている。新潟の同志は、本当によく頑張られた。雄々しく立ち上がった。どうか皆さまに、くれぐれもよろしく、お伝えいただきたい。(拍手)
 インドの大詩人タゴールはつづっている。
 「魂が沈滞して惰眠をむさぼるときだけ、魂の敵は圧倒的な力を獲得するので、この妨害物は行手をふさぎ、突き進めないようにする。
 だからわが国の師匠たちは告げるのである。仕事をするために生きねばならない。そして生命と活動とは切り離せないほどにかたく結ばれていると」(『サーダナ』美田稔訳、『タゴール著作集』8所収、第三文明社)
 生命は、人間が活動してこそ輝きを放つ。躍動する。活動を止めれば、生命は光を失う。
 「生命」即「活動」であり、「活動」即「生命」なのである。
 なかでも、友の幸福のため、社会のために尽くしゆく「学会活動」は、わが生命を最高に輝かせる尊き行動である。
 ゆえに、広宣流布をめざし、学会活動に生きゆく皆さまは、一年また一年、最も充実し、最も「栄光」に輝き、最も「福徳」に満ちた生命となっていくのである。
 フランスの文豪ロマン・ロランは、こう記している。
 「たった一人の悪人の悪が人類に及ぶとしても、またたった一人の善人の善は人類を照らすのです。ですから、人類が善くなるか悪くなるかは、私たちひとりひとりにかかっているわけです」(片山敏彦・宮本正清翻訳監修『ロマン・ロラン「日記」』4、みすず書房)
 まったく、そのとおりである。一人の「人間革命」から、すべては始まる。世界の変革は始まる。
 まず自分自身の「人間革命」から、生き生きと、若々しく出発していきたい。
3  差異を讃えよ! 人は平等に尊い
 今、創価の人間主義の思想と運動に対する共感は、世界各地に、いよいよ加速度を増して広がっている。
 このほど新たに、平和研究機関「ボストン二十一世紀センター」の編纂による学術書が完成した。タイトルは『地球的視野を育む教育』。
 コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジからの発刊となる。同カレッジは、全米随一の教育大学校として知られ、私も一九九六年の六月に、「『地球市民』教育への一考察」と題して講演を行った。
 この学術書には、アメリカの教育界を代表するネル・ノディング博士をはじめ、著名な研究者の方々が「世界市民教育」をテーマに論文を寄せている。私も、序文を寄稿させていただいた。
 ボストン二十一世紀センターによる研究書は、これまで七冊が、ハーバード大学やスタンフォード大学をはじめ、全米の大学で教材として使用されてきた。累計で二百二十講座にも及ぶ。
 今回の出版にも、多くの学識者から、高い評価の声が寄せられている。
 なかでも「ジョン・デューイ協会」の次期会長であり、著名な教育者であるラリー・ヒックマン博士は、序文で私が記した「地球市民育成」のための提案に対し、深い賛同を寄せてくださった。
 (ヒックマン博士は、次のように述べていた。
 「池田SGI会長は、地球市民意識の高揚のために、″知恵″″勇気″″慈悲″を育むことが不可欠であると述べておられます」
 「そのなかでもとくに、″差異を讃えあう勇気″についての指摘は重要です。
 現代の学術界においては、物事の差異を鮮明にすることに、力点が置かれています。しかし、それによって、異なる民族間の差異が強調され、さらには相互間の力関係に焦点が置かれるようになってしまいます。
 その結果、池田会長が主張されている″人間を人間として見る″という視点が失われてしまうのです」
 「池田会長が、かつて、政治的にむずかしい要素をはらむ中国との対話の道を聞いたことは、大いなる勇気の行動であったと、私は思っています」
 「池田会長は、対話を通して平和の種を蒔いておられます。これは会長のビジョン(構想)のすばらしい表明であると思います」)
 さまざまな差異があっても、万人に仏性があり、すべての人間が平等に尊いと教えるのが仏法である。そして、勇気をもって対話を重ね、たがいの理解を深めあい、友情を結んでいくのが、創価の哲学運動である。皆さま方の日々の行動それ自体が、すでに「地球市民」「世界市民」の生き方となっていることを、誇り高く自覚していただきたい。

1
1