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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(3) 後継者が育ってこそ令法久住

2004.7.28 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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1  新しい発展へ「行動革命」の波を
 この協議会は仏法の錬磨の集いである。信心の触発の道場である。だからこそ、きょうも少々、スピーチさせていただきたい。
 夏の研修会・協議会は戸田先生の時代からの伝統である。戸田先生のもとに、一騎当千のリーダーが集いあう。そして皆が心を一つにして、異体同心の団結を固めながら、はつらつと新しい前進を開始する。これが、学会が大発展してきた一つのリズムであった。
 大事なのは行動である。いくら「協議」しても、「実行」がともなわなければ何の意味もない。
 さまざまな問題に敏感に反応し、すばやく対応する。実行に移す。その組織が勝つ。発展する。未来に着実に伸びていくのである。
 中国の文豪・魯迅先生の言葉にこうある。
 「要するに、口で言うだけでは駄目だ。肝腎なのはやることだ。多くの人がやらなければならない、大衆と先駆者が」(『且介亭雑文』、『魯迅選集』11〈松枝茂夫訳〉所収、岩波書店)
 まずは、ここに集まった幹部自身が率先し、新しい発展へ「行動革命」の波を起こしてまいりたい。
2  「いかなる組織も常に腐敗の危険にあり、内部改革を必要とする」(「キリスト教社会の理念」中橋一夫訳、『エリオット全集』5所収、中央公論社)
 こう述べたのは、二十世紀を代表する詩人T・S・エリオットである。
 「内部改革」――これが発展する組織の必須条件である。
 人間の体も、毎日お風呂に入って、一日の汗を洗い流せば、気持ちがいい。健康にもいい。広布の組織も「不断の改革」が必要である。
 リーダーが慢心を起こしたり、「ここまでやったから」と油断したり、「これくらいでいいだろう」と妥協してしまえば、すぐに組織は沈滞する。
 つねに向上である。つねに革新である。
 すべては、リーダーの一念の変革から始まるのである。
3  ここで詩人エリオットについて若千、紹介したい。
 トマス・スターンズ・エリオット。彼は、一八八八年にアメリカで生まれた。アメリカのハーバード大学、フランスのソルボンヌ大学、イギリスのオックスフォード大学等に学ぶ。とくにハーバード大学では、インド哲学、仏教思想に深く傾倒した。彼の文学には、その影響が色濃く見られる。
 主な詩に、「荒地」や「四つの四重奏」等がある。また「文化の定義のための覚書」など優れた文明評論を残した。ノーベル文学賞を受賞。一九六五年一月、ロンドンにおいて逝去している。
 エリオットが学んだアメリカのハーバード大学では、私も二度、招聘を受けて講演した。
 (九一年と九三年、「ソフト・パワーの時代と哲学」「二十一世紀文明と大乗仏教」のテーマで講演した〈本全集第2巻収録〉。二〇〇四年は、一九七四年四月、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校〈UCLA〉で、海外における最初の大学講演を行ってから、三十周年となる。
 この間、ロシア随一の世界的名門モスクワ大学で二度、中国最高峰の北京大学で三度、さらにヨーロッパ最古のイタリア・ボローニャ大学、ブルガリアのソフィア大学、またフランス学士院、ブラジル文学アカデミーなど、十八カ国・地域で三十一回の講演を行った。
 二〇〇四年五月、姫路獨協大学の家正治法学部長は、海外講演について「その多さも、また内容も驚異的であり、深く敬意を表するものです」として、次のようなコメントを寄せている。
 「〈池田SGI会長は〉各講演で、例えば、ハーバード大学の二回目の講演では『死を忘れた文明』などと、この現代人の持つ『人間性の病理』を鋭くえぐっておられる。未来に向けて何を解決すべきか、何が問題になっているのかを明晰に示唆されています。この点も重要です。
 次いで、各講演で、SGI会長は自らが実践されている大乗仏教の精神に立たれながら、人種・国境を超えた普遍的な指針を示されています。
 感動するのは、会長が全人類に対してと同時に、一人ひとりに希望を送る形で講演されている姿勢です」〔「聖教新聞」〇四年五月二日付〕)

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