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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会 「心をつかめ」「人間のなかへ」

2004.6.2 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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1  「不知恩の人間にはなるな!」
 全国の同志の皆さま方のおかげで、わが創価学会は、すばらしい前進を続けている。とくに各地で、美しき対話の花園を広げゆく婦人部の皆さまの活躍が目覚ましい。たいへんにご苦労さまです!
 わが恩師戸田先生は、本当に偉大な指導者であられた。私は、戸田先生のさまざまなお話を、遺言として、深く胸に刻んできた。すべてが、物事の本質を鋭くついた指導であった。
 なかでも、先生が厳しくおっしゃったのが、「不知恩の者になるな」であった。
 御聖訓には「(聖人は)恩を知ることを最高とし、恩に報いることを第一としてきた。世の中には四恩がある。これを知るのを人倫と名づけ、知らないのを畜生という」(御書491㌻、通解)と仰せである。
 恩を知る人こそが、人間として最も美しく、最も崇高である。最後には人生の栄冠を勝ち得ることができる。反対に、学会にお世話になり、学会のおかげで偉くなりながら、増上慢になり、感謝を忘れ、学会を見くだし、同志を裏切る――そういう不知恩の人間には、断じてなってはならない。また、そういう恩知らずを絶対に許してはならない。それが戸田先生の教えであった。
 報恩こそ、人間として忘れてはならない根幹なのである。
2  また御聖訓には「師弟相違せばなに事も成べからず」と教えられている。
 師匠の牧口先生に対する、弟子の戸田先生の姿勢が、どれほど厳格であったか。ふだんは、豪放磊落、恐れるものなど何もない戸田先生であったが、牧口先生のことに話が及ぶと、とたんに襟を正し、深い敬愛の心をこめて、牧口先生を偲んでおられた。
 その峻厳さは、周囲の人たちが、びっくりするほどであった。
 ともあれ、偉大な師匠をもてる人は幸福だ。
 「師弟」とは、親子以上の、人間の究極の絆である。そこには策もない。要領もない。本当の生きた魂と魂の触発であり、交流である。
 「親子」の関係ならば動物にもある。しかし、「師弟」という関係は人間にしかない。師弟の道こそ、みずからの人生を無限に高めていく向上の道である。
 なかんずく、広宣流布の大願に生きゆく仏法の師弟ほど、深く尊い絆はないといってよい。この仏法の師弟という最上の人間の道を教えるのが、創価学会なのである。
3  「この世で果たさん使命あり」
 広布の大道を勇んで進みゆく皆さまに、いくつか筏言を贈りたい。
 まず、ロシアの作家レオーノフの言葉である。
 「すべての勝利、それは自分に勝つことから始まる!」
 自分に断固として勝つために、仏法がある。師弟がある。同志の励ましがある。
 次に、アメリカの公民権運動の指導者キング博士の信条である。
 「私にとって宗教は現実ですし、それは人生に深く編み込まれています。じじつ、宗教と人生は分かつことはできません。私にとって宗教は命なのです」(辻内鏡人・中條献『キング牧師』岩波書店)
 宗教と人生の最も正しい軌道を歩んでおられるのが皆さま方である。
 さらに、ペルシャの詩人ハーフイズの格言に、こうある。
 「妬む者は驕りで名誉や富や心や信仰を失う」(『ハーフイズ詩集』黒柳恒男訳、平凡社)
 卑しい妬みの人間になど、断じて負けてはならない。
 文豪トルストイは語った。
 「人間は、使命を果たすべく、この世に生まれてきたのである。後回しにすることなく、そのことに一瞬一瞬、全力をそそいでいくべきである。それのみが、真の幸福である」
 「この世で果たさん使命あり」――わが「地涌の同志」の崇高な人生の実像が、ここにある。皆さまのご健闘を心よりねぎらい、たたえたい。

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