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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(7) 世界は「人間主義の勝利」を待つ

2003.8.6 スピーチ(2003.7〜)(池田大作全集第95巻)

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1  アメリカの大学が創価の平和思想を探究
 「波浪は障害にあうごとに、その頑固の度を増す」
 これを私は十九歳から座右の言葉としてきた。幾たびとなく、この箴言を書きつづってきた。
 あらゆる障害を打ち砕き、われらの人間主義の運動は、大波となって、地球全体に広がった。今、世界の思想界が、創価の哲学に注目し始めた。大変なことである。
 これまで学会は、日本では、正義ゆえに、あらゆる嫉妬の攻撃を受け、悪口されてきた。反対に、世界の知性は正視眼で見る。SGIに大きな期待を寄せている。
 アメリカでは、ハーバード大学、コロンビア大学をはじめ数々の世界的名門校で、創価の平和思想が探究されている。
 私が創立した「ボストン二十一世紀センター」の刊行物が、これまで全米の百三大学、百三十八の講座でテキストとして採用された。
 さらにアメリカの各大学の仏教講座で教科書として使われている書籍の中で、創価学会の仏教史上の意義、世界平和への貢献が紹介されている。
 (=アメリカの著名な宗教学者、ドナルド・ミッチェル教授〈パデュー大学〉の『仏教―仏教的な体験の紹介』という研究書。英オックスフォード大学から出版された。
 この本では、現代の仏教者が菩薩の生き方を社会でどう実践しているかに論及。代表として池田名誉会長を挙げ、(1)仏教を日本を超えて世界に広めた(2)世界各国で、それぞれの独自性を生かした発展を奨励した(3)個人の変革を通した世界の平和への貢献という、バランスのある実践のあり方を示したと評価している)
2  さらにアメリカ実践哲学協会会長であるルー・マリノフ博士の近著『大いなる問い――哲学は、いかに人生を変えうるか』では、日蓮大聖人の仏法が取り上げられている。(=邦題『元気哲学』吉田利子訳〈角川書店〉として出版。人類史を代表する哲学者のなかに、日蓮大聖人と池田名誉会長を挙げている)
 博士は「現実に生きる哲学」を志向する。これまで出した著作は全米でベストセラーとなり、七十五カ国で出版されている。『大いなる問い』では、大聖人は「腐敗した既成仏教の改革に挑んだ」「仏教の精髄を再興し、民衆に開かれた力強い題目を生み出した」と解説されている。
 (=さらに「解放」の哲学の象徴として名誉会長の次の言葉にふれている。
 「生命は、じつに測りがたい可能性を秘めている……多くの場合、私たちが限界を感じるのは、自分自身を限りある存在として規定してしまうからにほかならない」〔前掲『元気哲学』〕)
 創価の人間主義を真摯に探究したいという熱意が高まっている。なかでも中国では、名門大学において本格的な研究が開始された。
 皆さまの日々の地道な行動が、人類の思想を大きく動かし、希望の歴史をつくっている。その誇りと確信を胸に、前進していただきたい。
3  女性が輝く新世紀へ、連帯を広げよ
 世界は「人間主義の勝利」を待っている。「女性が輝く新世紀」を見つめている。
 それを実現する原動力は何か?
 「連帯の意識」の大切さを訴えるのは、ケニアの女性作家、ムトニ・リキマニさん。
 民衆の一人一人が、それぞれの場で、自分でも信じられないような勇気を出せたのは、連帯の意識のおかげでした――そう自由への闘争を振り返っている。(=ムトニ・リキマニさんが独立闘争の歩みをつづった『ケニアの女の物語』が名誉会長に贈呈されている)
 そして「あきらめないこと」である。アメリカの女性作家、パール・バックは、「諦めとは停滞であり、死を意味します」「すべての活動になくてはならないのは、希望なのです!」(『母よ嘆くなかれ』伊藤隆二訳、法政大学出版局)と述べている。たとえ一歩でも、一ミリでも、きょうも前へ進むことだ。
 フランスの作家、スタール夫人は言った。
 「発展するため、完璧になるため、高貴な目的に惜しげもなく使われるためにこそ、魂は私たちに与えられている」(『ドイツ論』3,エレーヌ・ド・クロート、梶谷温子、中村加津、大竹仁子訳、島影社)
 自分を最高に暉かせるために、私たちは生まれてきたのだ。「向上心を失うことは″魂の死″を意味します」とは、オーストリアの元文部次官、サイフェルト女史の信念であった。

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