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日蓮大聖人・池田大作

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第二十一回本部幹部会、全国青年部幹部会… 時は来た! 青年よ歴史の本舞台に躍り出よ

2002.10.11 スピーチ(2002.8〜)(池田大作全集第94巻)

前後
1  
 ダンテ――元気を出せ、人々の希望を強めよ
 遠く海外から、お越しくださった皆さま方、本当に、ご苦労さま!(拍手)
 また、沖縄、関東、そして全国の皆さま方、本当に、ありがとう!(拍手)
 皆さん、リラックスして聞いていただきたい。
 このたび、イタリア青年部の皆さん方が、わざわぎ、ダンテの貴重な胸像を届けてくださった。
 「創価学会の重宝」として、大切に保管させていただく。皆さまの真心に深く感謝申し上げたい。
 ダンテの『神曲』は、私が青春時代に愛読した一書である。たしか、東洋商業の時か何かの教材にも『神曲』が収められており、深い感慨を抱いたことを懐かしく思い出す。私の大好きな詩人であった。
 この『神曲』に、次のような一節がある。
 「頭をあげて、元気を出すがよい」
 「君やほかの人々の希望を強めてもらいたい、
 希望があればこそ地上の人は善を追い求めるのだ」(「天国論」第二十五歌、平川祐弘訳、河出書房新社)
 元気を出せ、人々の希望を強めよ――天国界を旅するダンテに、善なる魂が呼びかけた言葉である。
2  希望について、ダンテ自身が、このように語る場面もある。
 「信仰の基盤の上に大いなる希望が建つのです」(同二十四歌)
 信仰が根本である。そこから、大いなる希望が生まれる。幸福な人生も開いていける。これがダンテの一つの結論であった。
 もちろん、ここでいう信仰とはキリスト教のことだが、彼の『神曲』には、仏法に近い考え方が随所に示されている。
 ダンテは、ある登場人物にこう語らせている。
 「人の力の栄えは空しいものだ!」(同「煉獄編」第十一歌)
 はるか永遠の次元から見れば、今世の栄えなど空しいものだというのである。
 「浮世の名聞はいわば風の一吹き、
 ある時はこちらへ、ある時はあちらへと吹く。
 風向きが変われば名も変わる」(同前)
 世間の評判とか人気なんていうものは、風が、さ―っと、ひと吹きするようなものであり、たいしたことではない、と。
 そのとおりである。ダンテは、こうした人生の本質を鋭く見抜いていた。
3  「難こそ誉れ」「賢者は謗り多し」
 十六世紀の韓国・江原道カンウォンド出身の大学者であり、哲人政治家である李珥イーイ李栗谷イーユルゴク)は、こう叫んだ。
 「是非を論ずるよりもまず和合すべきではありませんか」(李殷直『朝鮮名人伝』明石書店)
 たがいに言いあう前に、まず団結しようと、祖国の人々に呼びかけた言葉である。
 団結こそ力である。団結こそ勝利である。どうか、それを忘れないでいただきたい。
 また十一世紀、「唐宋八大家」の一人として知られる文学者であり、大政治家であった王安石おうあんせき。彼の言葉に、「賢者は謗り多し」(三浦国雄『王安石』、『中国の人と思想』7,集英社)とある。
 賢者ゆえに謗られる。正しいからこそ謗られるのである。
 皆さま方も、信仰ゆえに謗られることがあると思うが、驚くこともなければ、恐れることもない。
 日蓮大聖人は、毎日が嵐のような大難の連続であられた。「開目抄」などに仰せのとおりである。
 (「此の法門を申すに日日・月月・年年に難かさなる」、「山に山をかさね波に波をたたみ難に難を加へ非に非をますべし」など)
 謗られるのは、偉大さの証明である。むしろ名誉だと思っていけばいいのである。

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