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日蓮大聖人・池田大作

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SGI特別講習会 平和へ対話の大波を

2002.6.2 スピーチ(2001.8〜)(池田大作全集第93巻)

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1  人類発祥の天地アフリカに栄光あれ
 二十一世紀――アフリカの世紀の旭日と輝く、コートジボワール共和国の偉大なる同志をお迎えでき、こんなうれしいことはない。
 人類発祥の天地大アフリカに栄光あれと祈りつつ、きょうは懇談的にお話ししたい。
 人生、本当の「満足」はどこにあるのか。
 本来の語義は別として、日本語で「満足」は、「足」が「満」ちると書く。
 ずるい人間、横着な人間、要領だけの人間には真の満足はない。
 法のため、友のため、社会のために、労苦をいとわず、一歩また一歩と「足」を運ぶ。その努力と行動が「満」ちていくところに、真の「生命の満足」が得られる。
 日々、広布に歩みゆく皆さま方は、永遠の福徳と勝利と大満足の土台をつくっているのである。
 人類の文明を育んだアフリカ。その雄大な天地に注目していた一人が、創価学会の創立の父・牧口初代会長である。
 初代会長は、優れた教育者であり、独創的な地理学者であった。
 約百年前に出版した『人生地理学』で、人類史における文明の伝播を壮大なスケールで論じておられる。
 ――古代の日本の文明は、ほとんどが韓・朝鮮半島から享受したものである。さらに、その起源は中国大陸にある。
 同様に、「欧州近世の文明」は「ギリシャ、ローマの半島」に一つの起源をもつ。
 そして、ギリシャやイタリアの文明は、アジアとアフリカ大陸に発生した「初代の文明」を受け入れ、これらを結合し、つくりあげたものである――。
 六月六日は牧口先生の生誕百三十一周年である。意義深き日を前に、アフリカの広布の指導者である皆さまと、深き歴史を刻むことができた。先生も、どれほど喜んでおられるであろうか。
 牧口先生が展望された、人類の「人道的競争」の時代――。世界に先駆ける希望の走者こそ、貴国であり、アフリカ大陸であると私は信ずる。
2  コートジボワールの大発展は「奇跡」と
 コートジボワールの独立は、一九六〇年の八月七日。私が第二代会長に就任した年の夏であり、独立のニュースを心躍る思いで聞いたことを覚えている。
 以来、貴国は、「コートジボワールの奇跡」と呼ばれるめざましい大発展を遂げてこられた。
 三年前、エシー外務大臣(現・アフリカ統一機構事務局長)と、貴国の「平和の心」を語りあったことも懐かしい。
 そのさい、創価大学のパン・アフリカン友好会の皆さんが、貴国の国歌を大合唱した。こういう歌詞であった。
 「愛する国民は 心を合わせて/輝く国 つくらん 幸いのうちに
 コートジボアールの民よ/自由を 平和のうちに得たり
 われらの義務は 人類の希望にそいて/行くにあり
 誓いも 新たに 進まん/愛の祖国のために」(作詞:Matheiu Ekra, Joachim Bony, Abbe Coty 訳詩:高田三九三)
 貴国は、異文化を尊重し、多くの移住者や、難民を受け入れてきた。″寛容の国″である。
3  平和と正義が輝く新しい世界を築け
 コートジボワールの建国の父、ウフェ・ボワニ初代大統領が、「対話」を重視されたことは有名である。
 独立運動の渦中、「団結するには話し合わねばならない」と仲間たちに訴えた。
 大統領になった後、国民の各界の代表を一堂に集めて対話集会を開いた。裁定を下すために、前もって数日にわたって意見を聞くこともあった。
 「国民から離れたら何もできなくなってしまう。私は常に国民の声に耳をそばだてている」――これが初代大統領の信念であった。
 独立の日――。大統領は、記念の集会で国民に呼びかけた。
 「無駄なくり言はやめることにしよう。前進しようではないか。
 現在のひき裂れた世界に向って、われわれはわれわれの平和と正義への真実なる愛を示そうではないか」
 前ヘ! 前ヘ! 愚痴をこぼすひまがあったら未来へ進むのだ。平和と正義が輝く、新しい世界を築くのだ!
 力強い宣言であった。(「月刊アフリカ」に連載された「ウフェ・ボワニ伝」服部伸六著などを参照)
 美しい貴国の国旗は、三色からなる。
 オレンジは「国の繁栄と北部のサバンナ地帯」、白は「平和と団結」、緑は「未来への希望と豊かな原生林」を表し、三色が並ぶのは「前進への決意」を象徴しているという。
 貴国を貫く力強い精神に、私は、最大の敬意を捧げたい。

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