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日蓮大聖人・池田大作

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ブラジル代表協議会 「戦う心」が仏法の魂

2001.7.25 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

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1  ″剣や銃の戦いではなく「幸福を与える」戦い″
 きょうは、世界広布の模範ブラジルの代表と語りあうことができ、本当にうれしい。
 記録的な猛暑のなか、決然と広宣流布に戦いぬかれる、日本の全同志の尊き健闘に最大の敬意を表しつつ、懇談的にお話ししたい。
 今、まさに、全国で青年部が、広布の全軍の先頭に躍り出て、さっそうと活躍している。その凛々しき姿には、皆が感嘆している。まことに頼もしい限りである。
 かつて戸田先生は、青年に向かって叫ばれた。
 「青年は高い理想がなければならぬ。全世界を救ってやろうという理想がなければならぬ。しかも、救うには、剣や鉄砲を使うのではない。みんなに功徳を与える。幸福を与える。その哲学、理論、実践をもって、全世界を救いたいと私は思うが、どうだ諸君!」(『戸田城聖全集』第四巻)
 そして戸田先生は、「青年の意気と力とは、じつに世界の歴史を変えていくのです」(同前)と宣言された。
 世界の歴史を平和へと変えゆくのは、青年の平和への深き意識改革運動が原動力となる。二十一世紀の青年部の初陣の大勝利を、私は祈りに祈っている。
2  正義のために戦う青年は美しい。シルクロードの美の宝庫・敦煌を守りぬいてこられた常書鴻じょうしょこう先生は、十六年前の秋、「第一回埼玉青年平和文化祭」(川口市立芝スポーツセンター)に出席された喜びを、終生、語りぐさにしておられた。
 常先生は、埼玉の青年たちの「火の如き情熱」「前進また前進の闘志」を、私への詩にも詠んでくださった。(詩には「一陣の掛声響き/埼玉文化祭あり/火の如き青少年の情熱/前進、前進!!/闘志は高揚せり」と)
 常先生は言われる。敦煌の文物は、長き歳月に育まれた人類の感動が、「美」の価値として結晶したものだ、と。それに対して、埼玉青年部に象徴される創価の青春の躍動は、現在から、はるかな未来へ広がりゆく、ダイナミックな「美」であると、常先生は絶賛された。まさしく、使命に燃える青年こそ、壮大なる二十一世紀の「精神のシルクロード」を創り広げる力なのである。
 うれしいことに、あの時、出演した四千五百人の埼玉の青年たちも皆、立派な広布と社会の指導者と育った。そして、新世紀の勝利への指揮を厳然ととっている。
 ともあれ、光っている人は、いずこにあっても光っている。だれが見ていなくとも、また、いかなる立場であっても、広宣流布へのわが行動は、自分自身の心が見つめている。御本尊がお見通しである。「冥の照覧」は絶対なのである。
3  正義を語りぬけ、そこに勝利が
 恩師戸田先生と私は、よく、フランスの思想家ルソーの教育論をめぐって語りあった。
 そのルソーの言葉に、「一つの悪徳を芽生えるに任せておけば、続いて千の悪徳が生じるでしょう」(『新エロイーズ』安士正夫訳、岩波文庫)とある。
 だからこそ、悪徳の芽は、厳格に、迅速に摘まねばならない。だからこそ青年は、「正義と真実」の言論をもって、「邪悪と虚偽」を、峻厳に打ち破っていかねばならない。「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」(「大般湿槃経疏」大正三十八巻)とあるように、それが慈悲に通じる。
 日蓮大聖人が「法華経の敵を見ながら、そのままにしておいて責めなければ、師も檀那も、ともに無間地獄に堕ちることは疑いない」(御書1056㌻、通解)と、明快に仰せのとおりである。
 まさに、この大聖人の御心のままに、「法華経の敵」「広宣流布の敵」である一凶の坊主たちとまっこうから戦い、打ち勝ったのが、わがブラジルである。世界広布に先駆する、見事なるブラジルSGIとなった。
 それは「師子王の心」を取り出して、祈りに祈り、戦いぬいた勝利である。「戦う心」が日蓮大聖人の仏法の魂である。

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