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中国・福建師範大学名誉教授授与式、婦人… 「平和の女性」が連帯すれば戦争はできない

2001.6.1 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

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1  福建の大地に壮烈な魂の継承
 懐かしい東京婦人部の皆さま、また男女学生部の皆さま、本日は、本当にご苦労さまです!(拍手)
 「福建」――「福を建てる」「福徳の城を建設する」。なんと、すばらしい響きの地名でありましょうか!(拍手)。この福建の大地からは、歴史上、民衆の幸福のために「身命を惜しまず戦いぬく」指導者が陸続と躍り出ました。
 その一人である林覚民りんかくみん青年は、一九一一年、近代中国の道を開く民主革命の途上、二十四歳の若さで、戦い、そして殉じていきました。死を覚悟した決起を前に、彼が最愛の妻に書き残した遺書は、今もって、人々の魂を揺さぶるものがあります。このとき、妻は二人目の子を身ごもっておりました。
 福建の青年はつづりました。――私は、きょう死すとも、悔いはない。革命の事業が成就するかどうかは、信頼する同志たちがいるから心配ない。残していく幼子、そして、これから生まれてくる子にも、この父の志を、わが志として受け継いでいくように、教え諭してくれたまえ――と。
 こうした、あまりにも尊貴にして壮烈な魂の継承によって、今日の大中国は、厳然と、そして堂々と築き上げられました。
 その大いなる原動力となって、一世紀にわたり、十万人もの社会貢献の人材を育成してこられた「教育の大城」こそ、貴・福建師範大学なのであります。
2  心から尊敬申し上げるてい副学長、そしてまた福建師範大学の諸先生方。さらに、そん博士ご夫妻をはじめ、ご来賓の皆さま方。ただ今、最高に意義深き貴大学の名誉教授の称号を、私たち夫婦は、謹んで拝受させていただきました。まことに、まことに、ありがとうございます。(拍手)
 この六月六日は、私たちの平和の殉教の先師である牧口初代会長の生誕百三十周年の誕生日であります。
 ご存じのとおり、若き牧口先生は、中国からの留学生のための学校であった「弘文学院」で教鞭を執っておりました。そこには、貴・福建省出身の青年が、六十八人も在籍されていました。
 そして、先ほど申し上げた林青年も、じつは、この牧口先生ゆかりの学院で学んだ一人であったのであります。
 そうした縁を噛みしめながら、貴大学からの知性の宝冠を、私たちは、直弟子として、先師牧口先生に捧げさせていただきたいのであります。
 なお、妻の実家は、戦時中、軍国主義と戦う牧口先生のもと、創価教育学会に入会しました。この夏で、ちょうど六十年になります。私よりも、入会は古いのです。(SGI会長は二〇〇一年八月で入会五十四周年)
 妻の母も、妻も、本陣・東京の婦人部として戦うことを何よりも誇りとし、喜びとしてまいりました。
 ゆえに、今回の最大の栄誉を、妻は、ぜひとも、苦楽を共にする東京婦人部の皆さま方と一緒に、お受けさせていただきたいと申しておりました。(拍手)
 東京婦人部の皆さま方、きょうは、大勝利への代表幹部会、本当におめでとう!(拍手)
3  「女性教育への貢献」を賞讃
 さて、貴大学は、偉大な先覚者として、女性教育の道を開拓してこられました。平和の焦点は、ますます女性であります。女性で決まります。
 二十一年前、私たち夫婦は、福建の天地が誇りとする高名な女性作家・謝冰心しゃひょうしん先生と語りあった思い出があります。文豪・巴金ばきん先生を団長とする中国作家代表団の方々とご一緒に、私のいた静岡の研修道場まで、わざわざ、お越しくださったのであります。(一九八〇年四月五日)
 謝先生は、残念ながら、二年前に亡くなられました。ここにおられる貴大学のおう文学部長は、その謝先生の研究の大家であられます。
 謝先生は、日本の女性に、一貫して訴えられました。「世界の男性は、又戦争を欲するかも知れない。その時は私達女性は絶対に男達に武器を持たせてはいけないのだ」「日本と中国が必ず手を結ばなければならないことは一つの厳粛な宿命である」「戦争はあく迄私達女性の手で防がねばならない」(「日本女性への期待」長谷川仁訳、『婦人』4所収、皓星社)と。

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