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日蓮大聖人・池田大作

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「8.24」記念第36回本部幹部会、第… 戦いの先頭に立て! リーダーならば

1999.8.24 スピーチ(1998.11〜)(池田大作全集第90巻)

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1  青年は矢面に立て!
 素晴らしきキルギスの「名馬」、ありがとうございます。(拍手)
 (池田SGI〈創価学会インタナショナル〉会長は、キルギス共和国の国立教育大学付属東洋言語文化大学の名誉教授に、日本人として初めて就任した。記念に、アタハーノフ学長みずからが苦労して探してきた名馬が贈られることになった)
 「キルギスの母」として名高い、一人の女性がいた。その名は、クルマンジャン・ダトカ(一八一一年〜一九〇七年)。彼女の夫は、キルギスのアライ地方の指導者として活躍していた。
 夫が亡くなった後、彼女は、すべてを受け継いだ。ロシアからの圧迫に対し、彼女は巧みな外交手腕を発揮して、キルギスの民衆を守り抜いた。
 しかし、ロシアへの抵抗に立ち上がった自分の息子が捕らえられてしまった。
 息子は、処刑されることになった。あろうことか、権力者は、その絞首刑の場に、母である彼女を立ち会わせたのである。
 気丈な母も泣き崩れて、息子の命乞いをするだろう――。そんな意地悪な、冷酷な、面白半分の権力者たちの目が、母に注がれた。
 しかし、母は毅然として言った。
 「わが息子よ!
 何のために、命を捧げるのか。それを、誇りに思いなさい!
 何も恐れず、胸を張って、死んでいきなさい!」
 皆、驚嘆した。感涙した。
 私は、この母に、「学会精神の精髄」を見る思いがする。
 母は、キルギスの民衆からは、血を流させなかった。しかし、わが子には、誇り高き殉難の道を選ばせたのである。
 今も、この母は、「キルギスの母」として、深い敬愛を集めている。キルギスの「五十ソム紙幣」にも、肖像が描かれている。
2  きょうは、一九九九年の八月二十四日。二十一世紀を目前にして、私も、皆さま方も、「三障四魔」「三類の強敵」に厳然と勝ちました!(拍手)
 ありとあらゆる「謀略」「密約」「嘘」が結託して、仏意仏勅の創価学会を破壊しようと襲いかかってきた。彼らの悪事は、永遠に歴史に残ることを宣言しておきたい。(拍手)
 きょうは、日本全国と全世界の一千二百万の同志が「万歳!」を叫んでいる。(拍手)皆さま、本当に、ご苦労さま! 本当に、ありがとう!
 世界の同志も、皆、意気軒高である。(拍手)
 トルストイいわく。
 「不滅の魂には、同じように、不滅の行動が必要である。その行動とは、自分自身と世界を常に向上させることである」
 その通りである。自分も、もっと成長する。周囲も、もっと良くする。その戦いが人生を不滅にする。
 また、ナポレオンの言葉に、こうある。
 「華々しい勝利から没落への距離はただ一歩にすぎない。私は、最も重大な情況において、どんな大きな事件もほんのちょっとしたことで常に決まるのを見て来た」(『ナポレオン言行録』大塚幸男訳、岩波書店)
 勝つか、負けるか――それを決する「ただ一歩」の差を、英雄は鋭く見つめていた。「うぬぼれ」から「転落」までの距離は、ほんの「一歩」である。
 さらに、ナポレオンは言う。
 「凱旋門も、いかなる儀式も必要ではない。民衆の満足にまさる勝利を、私は知らない」
 「民衆が満足して」こそ、本当の勝利である。
3  キルギスは仏法に縁深き「希望の共和国」
 ともかく、きょうは遠いところ、また厳しい残暑の中、まことに、ご苦労さまです。
 今、私の心は、キルギスの先生方から賜った素晴らしき駿馬に乗って、緑の涼風を受けながら、キルギスの大草原を駆けている――そういう気持ちである。
 万年の白雪輝く「天山山脈」は、王者の風格をもって、堂々と、そびえ立っている。最高峰は七、四三九メートル。富士山も、およびもつかない高さである。その名も「勝利の峰」。山々の雪解けの水は、清流となってほとばしり、大地を潤す。
 やがて、琵琶湖の九倍もの広さをもつロマンの湖――イシク・クル湖へと注がれていく。「キルギスの美」とも、「天山の真珠」とも称えられる、この「かぐわしき湖」。どれほど多くの旅人が、その美しさに胸を躍らせながら、悠久のシルクロードを東へ、西へ、往来していったことであろうか。湖の周辺からは、たくさんの仏教遺跡も発掘されている。
 本日、キルギス共和国の首都ビシケクでは、中央アジア諸国と、中国、ロシアの「五カ国首脳会議」が開かれている。この会議には、江沢民国家主席、エリツィン大統領も出席される予定で、世界の大きな注目を集めている。
 キルギス共和国は、冷戦後に誕生した「希望の共和国」として、旭日のごとく、国際社会の大舞台に躍り出てこられた。
 八十もの多様な諸民族が「調和」を織りなしゆく貴国は、豊かな文化を光らせて、二十一世紀へ、新しい「平和のリーダーシップ」を発揮し始めておられる。
 その貴国から、偉大なる「人間教育の指導者」をお迎えし、本日は、歴史的な「民衆会議」となった。(拍手)
 心より尊敬申し上げるベクバラエフ総長。ならびに、アタハーノフ学長。さらに、世界二十カ国から来日された同志の皆さま。また、暑さにも負けず、尊き汗を流しゆかれる全国の大切な同志の皆さま。ただ今、私は、「新世紀の英知と希望の殿堂」より、最高に栄えある「名誉教授」の称号を賜りました。厚く厚く御礼申し上げます。(拍手)
 キルギスの天地には、シルクロードの主要路の一つである「天山北路」が貫いている。インドで生まれた大乗仏教は、貴国の、この道を通って、中国へ、そして東アジア全土へと伝えられていったのである。
 日蓮大聖人も、先駆の労苦を偲ばれて、このような御書を残しておられる。
 「法華経伝来の道には、西域の砂漠や葱嶺(パミール高原)などの険しい難所があり、五万八千里、また十万里という遠い道のりは、じつに大変であった」(御書一四五ページ、趣意)と。
 きょう八月二十四日は、五十二年前、恩師である戸田先生とともに、私が、仏法を基調とした平和と文化と教育の「新たな精神のシルクロード」へ、第一歩を踏み出した日である。
 不思議な縁の貴国から賜った「珠玉の栄誉」を、私は、苦楽をともにして「人間交流の大道」を開いてきた世界百二十八カ国・地域の全同志とご一緒に、謹んで拝受させていただきたい。(拍手)

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