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日蓮大聖人・池田大作

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ロシア国立高エネルギー物理研究所「名誉… 「師弟不二の凱歌」の証

1998.4.2 スピーチ(1998.3〜)(池田大作全集第89巻)

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1  戸田先生の「人生の三つの喜び」
 私の師匠である戸田城聖先生は、よく人生の三つの喜びを語っておられた。
 その第一は、「最高峰の知性と出会う喜び」であった。
 戸田先生は、青春時代、牧口常三郎先生とご一緒に、あのアインシュタイン博士の「相対性理論」の講義を直接、受けたことを、生涯の誇りとしていた。
 今日は、若き諸君とともに、世界的な大科学者のログノフ博士をお迎えした。ログノフ博士は、アインシュタイン博士の「相対性理論」をも越えゆかんと、現代物理学の最先端を切り開いておられる。
 博士が建設の指揮を執られた、円周二十一キロに及ぶ巨大な「高エネルギー加速器」は大変に有名である。また博士は、モスクワ大学の不滅の名総長でもあられた。激動のロシアにあって、厳然とそびえ立つ「科学」と「教育」の偉大なる柱こそ、博士であられる。
 諸君、その偉大なる博士に対して、もう一度、万雷の拍手で、歓迎しましょう!(拍手)
2  さて、戸田先生の第二の喜びは、「偉大なる師匠を持つ喜び」であった。
 戸田先生は、牧口先生という大哲学者から指導を受け、薫陶を受けきったことを、人生の最大の誉れとされたのである。
 さらに、戸田先生の第三の喜びは何であったか。それは「正義のために勇敢に戦う喜び」であった。
 牧口先生とともに、戸田先生は、戦争中、日本のあの国家主義と対決して、二年間、投獄された。″師匠が大難に遭った時に、弟子として、お供することができた。これほどの名誉はない″と戸田先生は、一生涯、心から感謝しておられた。
 「あなたの慈悲の広大無辺は、私を牢獄まで連れていってくださいました」(『戸田城聖全集』第三巻)と。これが、仏法の精髄であり、創価の真髄である。
 反対に、師匠と難をともにするどころか、師匠と学会を利用して、自分だけが恩恵を貪り、大恩を仇で返すような最低の人間もいる。
 本物は「難」を受ける。「難」を受けてこそ本物である。そうでないのは、インチキなのである。
 私もまた、この四十年間、幾多の難を、ただ一人受けながら、生死を超えて、精神の大闘争を貫いてきた。(拍手)
3  ″知性の栄誉″を恩師に捧ぐ
 ただ今、私は、ロシアの科学の大殿堂である国立「高エネルギー物理研究所」より、栄えある「第一号の名誉博士号」を賜った。この栄誉を、本日、四月の二日、私は「師弟不二の凱歌」の証として、戸田先生に捧げたい。戸田先生の弟子として、私は戦い、私は勝ったのであります。(拍手)
 (会合の席上、ロシア国立「高エネルギー物理研究所」から池田SGI〈創価学会インターナショナル〉会長に対する顕彰が行われた。ログノフ所長〈モスクワ大学前総長〉が出席。同研究所として、世界初の「名誉博士号」が授与された。この授与には、SGI会長の高い哲学性を評価しての「哲学・物理学博士」の意義がこめられている)
 このあとに続くのは、今日集った優秀な「学生部」、そして「未来部」の諸君である。諸君がいるかぎり、未来は何も心配ない。私は信じ、安心している。
 いただいた名誉学位の証書には、ロシアの近代科学の父であり、モスクワ大学の創立者であった、ロモノーソフ博士の肖像が刻まれている。
 博士は、科学の発展や精神の自由を阻む傲慢な勢力と、生涯、戦い抜いた獅子であった。なかんずく、民衆を蔑視し、束縛する、当時の教会勢力には、断固として立ち向かった。迫害にも怯まずに、坊主たちの腐敗堕落を、痛烈に、責めていったのであった。
 私どもも、それ以上に徹底して責めていくべきである。悪を責めるのに遠慮や妥協があってはならない。

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