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日蓮大聖人・池田大作

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東北代表協議会 人材の「宝の山」を仰ぎたい

1995.6.17 スピーチ(1995.5〜)(池田大作全集第86巻)

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1  ″福徳の島″が東北をリード
 福島訪問は五年ぶりである。また、会津へは実に四十二年ぶりとなった。
 懐かしいお顔も見える。東北の、そして福島の皆さまの広宣流布への地道な献身に心から感謝申し上げたい。
 昨日、ここ福島研修道場を初めて訪問できた。新緑の山並みが雨中にけむる眺めも絶景であった。そして、本日の広々と晴れわたった研修道場は、まさに「東北の夜明け」を告げる堂々たる「人材の城」の風格である。
 この美しき「東洋のスイス」福島に、かくも見事な、かくも壮麗なる研修道場が誕生したことを、改めてお祝い申し上げたい。
 研修道場の敷地一帯には今、季節の花々が美しく咲き香っている。
 ニッコウキスゲ、アヤメ、サルビア、マリーゴールドなど、まさに清らかな「楽土」である。丹念に整備してくださっている守る会の方々に、心から「ご苦労さま」と申し上げたい。本当にありがとう。
2  「福島」とは、つくづく、良い名前である。
 ″福の島″──それは、″福運の島″″福徳の島″″幸福の島″とも読める。山があり、緑があり、海がある。どれをとっても、一流の趣を感じる。
 また、将来の東北にあっても福島は、首都圏と結ぶ「要衝の地」として、大きな可能性が指摘されている。
 二十一世紀は「東北の時代」である。その発展のカギをにぎるのが福島とされているのである。
3  「会津」という地名には″出会うところ″の意義があるとも言う。
 「古事記」では、北陸から来た将軍と東海地方から来た将軍がこの地で出会ったことから「会津」の名が生まれたとする。また、この地で多くの川が合流する、すなわち川が会うことから「会津」の名が出たともいわれる。
 その意味からも、「地域発展の将軍」である皆さまが集い、新時代へ希望の潮流を広げゆく拠点が会津にできた意義は、まことに大きい。
 会津民謡も全国的に名高い。
 「会津磐梯山は宝の山よ 笹に黄金がなりさがる」
 この一節を、牧口先生が『人生地理学』(第九章「山岳及渓谷」)の中で、紹介されている。
 ″会津藩の国歌とされる、この一首を味わってみれば、いかに山が、地域の人心に影響をあたえたかを知ることができるだろう″と。
 この他にも例を挙げて″山には人情を和らげ、人心を啓発する働きがある。一方、人間もまた山を愛し、山と一体化するようになる″と考察されている。
 たしかに、この研修道場から仰ぎ見る磐梯山は雄大である。また、何ともいえない温かさがある。この美しき「楽土」に育まれた皆さまが、どれほど気高く、深き人格の芯をもっておられるか。
 日本の歴史を見ても、福島、そして会津の人々の高潔なこころざしは、ひときわ光彩を放っている。その要因を、素晴らしい自然環境との関係のなかで、牧口先生は鋭く洞察されていたのである。

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