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日蓮大聖人・池田大作

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4.2記念代表者勤行会、「第二東京の日… われらほど「富める者」なし

1995.4.2 スピーチ(1994.8〜)(池田大作全集第85巻)

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1  戸田先生の獄中からの手紙──精神を豊かに、愉快な心で
 最初に「大発展の第二東京、万歳!」と祝福申し上げ、ともに喜び合いたい。(拍手)
 きょうは、日曜日にもかかわらず、本当にご苦労さま。(拍手)
 本日(四月二日)は戸田先生のご命日である(昭和三十三年〈一九五八年〉に逝去)。それにちなみ、少々、話をさせていただきたい。
 戸田先生が残された、いくつかの手紙がある。最も苦しい牢獄の中から、親族に、こういう一文を送られている。
 「精神を豊かにし、力強くし、暖かくし、明るくし、明らかにし、丈夫にし、愉快にし、将来ある様にと毎日奮闘だ」(昭和十九年二月二十三日、夫人の弟あて。原文のカタカナはひらがなに改めた。以下同じ)
 牢獄の中にして、この気概──私も無実の罪で、十五日間、投獄された。それでも大変な思いをした。(昭和三十七年一月二十五日に正式に無罪判決)
 それを戸田先生は二年間である。どれほど大変であられたか──。
2  近年でも、(南アフリカ共和国の)マンデラ大統領は、じつに二十七年半の獄中闘争である。
 信念のためなら、勇んで牢獄へもいく。迫害を誉れとして生き抜いていく──そのくらいの「深い人生」「強い人生」を築かなくては、真の指導者の資格はない。
 当時、先生のご家族はどうであったか。戦争中で、一家の柱の先生は罪人。当然、いじめられる。
 今まで「戸田先生」「牧口先生」と言ってきた同志も、みんな裏切っていった。これが人間の心である。
 信用できる人間なのかどうか──。結局は、その人が死んだあとに初めてわかると言えるかもしれない。
 それほど、人の心はわからない。私も、どれだけ、だまされ、裏切られてきたか。
 そういうなかで戸田先生は″精神を豊かにしよう″と。そして″力強くしよう″と。太陽のほうへ、太陽のほうへと一念を向けようとしておられる。
 何かあると、すぐ紛動され、臆病になる。太陽が当たらない陰のほうへ隠れていく。そんなわびしい日陰の人間になってはならない。
 また″温かく生きよう″″明るく生きよう″″愉快に生きよう″と。
 牧口先生は、近代人の多くは「高等精神病」であると喝破された。病める精神ではいけない。不幸である。
 病み、滅亡に向かう社会の中で、戸田先生は、何があっても「明るく」「朗らかに」生きようと励まされたのである。
 さらに″丈夫に生きよう″──健康に生きよう。″将来あるようにと毎日、奮闘しよう″と。
 どんな時でも、「もう行き詰まった」「これでおしまいだ」などと思ってはならない。将来があるのだ。そのために勉強するのだ。生命は永遠である。現当二世である。常に″これから″である。さあ毎日、奮闘していこう──。
3  当時、日本の国も一番暗かった。一家も危機。自身は罪人。そうしたなかでの戸田先生のお手紙である。

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