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日蓮大聖人・池田大作

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第六回SGI世界青年研修会の修了式 「心の財」の長者・王者に

1993.9.9 スピーチ(1993.6〜)(池田大作全集第83巻)

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1  「心の財第一なり」
 日蓮大聖人は「蔵の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり」と仰せである。
 蔵の財──どんなにお金があっても幸せとは限らない。財産を得るために、また金銭欲にとらわれて、人間らしい生き方を忘れ、転落していく人も多い。それでは、蔵の財を持っていても、人生は敗北である。
 身の財──たとえば勲章をもらった、博士になった、社会的に地位を得た。それらも、ひとつの価値ではあろう。
 しかし、こうした外面の″宝″で身を飾っても、心が空虚であれば貧しき人生であり、不幸である。また健康という「身の財」は、言うまでもなく幸福の要件であるが、それを生かせるかどうかも「心」で決まる。
 大聖人は「心の財第一なり」と仰せである。そして最高にして永遠の「心の財」を無量に積みゆくのが信心なのである。
2  皆さまは仏法を求め、さまざまな大変な状況を乗り越えて来日し、研修会に参加された。皆さまの胸中には「心の財」が、宝の山のように光を放っている。真の長者であり、王者であられる。
 「心の財第一なり」であるゆえに、私は「心の財」の王者を、「第一の人」として尊敬する。
 「心の財の王者」こそ、信心で勝った人こそが、永遠の幸福者となり、勝利者となる。「蔵の財」も「身の財」も、三世永遠にわたって備わっていく。
 ゆえに、信心だけは一生涯、退転なく貫き通すことである。自分のため、一族のため、未来永遠のために。そうでなければ必ず後悔する。
 入信以来、四十六年間の、ありとあらゆる体験の上から、私は、このことを断言しておきたい。
 創価学会は、永遠に「大聖人直結」である。「御本尊根本」であり、「御書根本」である。この信心があるからこそ、かつては、だれも想像できなかったほどの発展を続けている。
 一方、日顕宗は、大聖人よりも現在の法主を根本としている。ここに根幹の錯誤があり、転落の原因がある。この重大な一点の違いを、皆さまは鋭く見極めていただきたい。
3  ゴーディマ女史「南アの未来には文化・教育こそ大切」
 先日、南アフリカのノーベル賞作家であるナディン・ゴーディマ女史が、ご自身の著作を届けてくださった。
 ゴーディマ女史は、長年にわたり、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃のために戦ってこられた″人権運動″の闘士である。作家としての良心、人間としての良心から、差別と悪を鋭く告発してこられた白人の女性作家である。
 女史は、黒人の側からも、白人の側からも広く尊敬を集め、愛されているという。
 その女史が、SGIの代表との懇談の折に、次のように語っておられたと、うかがった。
 「私は、ANC(アフリカ民族会議)のメンバーとして、池田SGI会長が、マンデラ議長と会見(一九九〇年十月、東京)してくださったことを、大変感謝いたしております。
 池田会長は、アフリカとの文化・教育交流についても、一つ一つ実現してくださっている。文化・教育の交流は、将来、政権がどのような形になろうとも必要です。国家にとって、文化が大切であることに変わりはありません。
 今、政権交代後の政治体制について語る人はたくさんいますが、その教育・文化政策について語る人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
 私は、作家として、将来の南アフリカのために、若い作家を育成する活動を続けております。池田会長に、マンデラ議長とデクラーク大統領の両者から招へい状が送られたと、うかがいました。これは大変、意義の深いことです。
 今、だれもが、将来の南アフリカを、どうつくっていけばいいのか、悩んでいます。その意味で、池田会長が南アフリカに来ていただけることは、大きな希望となります。
 この国の問題を解決するには、『全人種が希望を持つ』ことが大切なのです」と。

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