Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部代表幹部会 広布の山に向かって共に歩もう

1993.6.28 スピーチ(1993.6〜)(池田大作全集第83巻)

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1  恩師の心、学会の魂は「ただ民衆の幸福のために」
 大勝利おめでとう。本当にご苦労さまでした。
 昭和三十一年(一九五六年)十二月のことである。戸田先生は、仙台指導の折、東北のラジオ局のインタビューに応じられた。それは、ご自分の宣伝や人気とりのためではない。戸田先生には、その必要がなかった。
 戸田先生は、ただ会員のために生きておられた。学会の会長は「全会員を幸福にするためにいる」との信念であられた。私も、まったく同じである。
 そして、幹部に対しても、明快に言い切られた。「学会幹部の責任は、会員を幸福にすることにある。それ以外には、何もない」と。
 これが戸田先生の精神であり、遺訓である。私は、この「心」を受け継ぎ、貫いてきたのである。
2  インタビューの中で、戸田先生は、「創価学会に青年が多いのはなぜか」について、こう答えられた。
 「学会に青年が多いのは、哲学が深いからです」と。
 端的に急所を突いた、鋭く、深い、鮮烈(せんれつ)な答えであった。
 指導者は、こうでなければならない。パッと聞かれたら、パッと明快に答える。歯切れよく、わかりやすく、「なるほど」と、印象に残る話をする。それが「力」である。
 戸田先生は「若い青年は、それ(哲学)を究めようとする。究めようとすれば、ますます山が高くなってくる。だんだんと山に登りますから、楽しみも増えるというわけです。ですから、青年は、ついたら離れないのです」と。
 仏法は、「宇宙」と「生命」の法則を完璧に説ききっている。人間の宿命、生死の問題を解決する大法である。観念ではなく、現実に根差し、社会をリードしていく哲学である。仏法は、いかなる思想・哲学よりも奥が深い。
 その仏法を実践する求道の青年を、戸田先生はだれよりも愛しておられた。青年への慈愛がほとばしる、インタビューのやりとりをうかがいながら、私は戸田先生の偉大さをあらためて痛感した。
3  先生は「私も、自分自身も、その道を歩んでいるのです。ただ一歩先か、二歩先かの問題です。″山を究めた″と言っているのではないのです。″山を目指して一緒に歩こう″と言っているのです」と。
 「山を目指して、一緒に歩こう」──これが戸田先生のお心であった。上から傲慢に見みおろしたり、命令主義になることなど、まったくなかった。
 仏法の世界は、皆、平等である。私も同じ精神である。
 「広宣流布の山」も、一つの峰を踏破すれば、またさらに、大いなる展望が広がる。そして新たな峰を目指して、皆で朗らかに、上へ上へと登っていく。これが私たちの人生であり、最高に張り合いのある生き方である。

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