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日蓮大聖人・池田大作

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アメリカ代表者会議 夢を実現するのは自分

1993.3.9 スピーチ(1993.1〜)(池田大作全集第82巻)

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1  思いで深き創価家族の集い
 三十日に及ぶ南米五カ国六都市の歴訪を終え、再びマイアミで、アメリカの皆さまとお会いでき、本当にうれしい。
 アメリカの地より、真心の題目を送っていただき、心から御礼申し上げたい。
 当初、アメリカで開く予定であったSGI(創価学会インタナショナル)総会をブラジルで開催するにあたっては、深き心でご尽力をいただき、衷心より感謝申し上げる。
 ブラジルをはじめ全南米の同志より、大アメリカSGIの皆さまに″どうか、くれぐれも、よろしくお伝えください″との伝言を託されてきたので、お伝えさせていただきたい。また、日本からの交流団も、ロサンゼルスならびにサンフランシスコでお世話になっており、感謝にたえない。交流団の皆さまの大変、お元気な様子も、連日、詳しく報告を受けている。
 本日はアトランタ総合方面をはじめ全米各地からお集まりいただいた。そして懐かしいドミニカの友も駆けつけてくださり、思い出深き創価家族の集いとなった。記念として少々スピーチを残しておきたい。
2  「一心の妙用」──心が変われば一切が変わる
 仏法では「一心の妙用」を説く。「心の不思議な働き」という意味である。目に見えない「心」が、目に見える「姿」となって現れる。それが人生である。
 ある女学校の同窓会──三十年ぶりの再会であった。会が終わり、帰り道で、ある女性が友人に語った。「若いころ、とてもきれいだった人よりも、あまり目立たなかった人のほうが、きょうはずっときれいに見えたのよ。どうしてかしら」
 その女性が言いたかったのは、おそらく、こういうことだったのではないだろうか。──若いころから美人と呼ばれる人は、とくに努力しなくても、楽に生きていける面がある。しかし、それは若いうちだけで、やがて″心ばえ″の違いや、歩んできた人生が、年とともに顔に現れてしまう──と。たしかに、そういう側面があるかもしれない。
 日本の代表的芸能に「能」がある。「能」の真髄を書いたとされるのが世阿弥ぜあみの『花伝書かでんしょ』(『風姿花伝』)という本である。そこでは、「時分じぶんの花」(若さゆえの美しさ。時とともに散る)、「まことの花」(鍛え抜いた修業による美しさ。時とともに輝く)の違いを説いている。自分をたゆまず磨いた人だけが、年をとっても変わらない「まことの花」と咲くことができる。
3  近代の心理学の扉を大きく開いたアメリカのウィリアム・ジェームズ(一八四二〜一九一〇年)。彼の発見の要点は「人間は心のもち方を変えることによって、その人生を変えることができる」という一点にあったという。
 仏法で説く「一心の妙用」に通じると言えよう。
 御書には「心の不思議を以て経論の詮要と為すなり、此の心を悟り知るを名けて如来と云う」──「心」の不思議さこそ、仏教の「経典」と「論」の説く肝要なのである。この(不思議なる)「心」を悟り知った人を、名づけて「如来」という──と仰せである。
 如来すなわち仏とは、「一心の妙用」すなわち「心の不思議な働き」「心の無限の力」を悟った人であり、衆生の迷いの心を治す名医のことなのである。
 ガンジーも、ある時、言っている。「人間は(中略)自分自身の運命の創造者である」と。
 自分の「心」「一念」が、自分の未来そのもの、人生そのものとなる。

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