Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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関西最高会議 「日興遺誡置文」の実践者は学会

1992.10.24 スピーチ(1992.6〜)(池田大作全集第81巻)

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1  直系の教団・学会の本舞台も全世界
 京都は、世界の人々の憧れの地である。日本を訪れた人は、ほとんど必ず「京都へ行ってみたい」と言われる。
 皆さまは、その素晴らしき地で活躍され、正法を弘めておられる。まことに尊い使命の人生である。
 昭和二十年代には、「創価学会も、京都には広がれない」と言われた。しかし今や、堂々たる「正法の大城」を築かれた。日蓮大聖人、日興上人が、そして京都へ天奏なされた日目上人が、皆さまのご努力をたたえてくださっていると確信する。
 この最高会議でも決まったように、今、学会は、どんどん「世界」とつながり、「世界」と交流している。
 日蓮大聖人の仏法は「一閻浮提の仏法」であるゆえに、「世界」への脈動のなかに「正道」がある。ゆえに私はひとり、営々として道を開いてきた。
 その「道」を通って、今度は皆さまが、世界へ、また世界へと行動し、境涯を広げ、信心を深めていく時代になったのである。
2  日本人は「島国根性」といわれる。
 ある識者も「日本には大人物が現れない。現れたときも、すぐに叩きつぶそうとする」と指摘している。
 この傾向性について、「古生物学」から論じた説がある。
 古い化石などを調べると、地殻の変動などで、大陸から切り離され、「島」に閉じ込められた動物は、体の大きさが平均化しているというのである。
 狭い島のなかで、世代を重ねるにつれて、体のサイズが変わっていく。つまり「大きい動物は小さく、小さい動物は大きくなる」。これを「島の規則」と言う、と。
 たとえば、ゾウは、どんどん小さくなり、ついには高さ一メートル、子牛ほどになってしまった化石が発見されている。
 島では食糧も少ないし、「大きな敵」も少ない。ミニサイズならば、食べ物も少なくてすむし、体に無理がない。そこで、ゾウやカバ、シカ、ナマケモノなどは、小型化していった。
 一方、ネズミは大きくなり、ネコくらいになった。なぜか。島には、ミニサイズの敵しかいなくなり、小さく隠れている必要が減っている。また、小さいと、体に栄養を蓄えられず、しょっちゅう食べてばかりいないといけない。餌が少しの間でも見つからないと、すぐに飢えてしまう。だから「普通の大きさ」へと大きくなる。
 こうして島では「大きい動物は小さく、小さい動物は大きく」平均化してしまう。
 この生物学の法則は、島国・日本で「大人物・大思想が生まれにくく、一方、庶民のレベルは高い」といわれる″平均化現象″に当てはまると、ある学者は言う。
 ともあれ、大聖人は日本の国主をも「わづかの小島のぬしら主等」、「但嶋の長」と仰せである。
 ″狭い″日本の社会には収まりきらないのが、スケールの大きな大聖人の仏法なのである。その正統の教団である創価学会もまた、「世界」が本舞台である。
 今や、全世界が、一つの大陸となりつつある。いよいよ、学会の気宇壮大な持ち味を発揮して、本格的に世界広布に進むべき″時″が来たのである。「人格」もまた世界に通用するものへと成長しなければならない。
3  二十六箇条の一箇条でも侵せば門下ではない
 日蓮大聖人の正統である日興上人門流が守るべき「規範」は何か。
 それは、言うまでもなく、元弘三年(一三三三年)正月十三日、日興上人が記し残された遺誡置文ゆいかいおきもんである。八十八歳、御遷化ごせんげの一カ月前の御訓誡ごくんかいであった。
 では、「何のため」に筆を執られたのか。
 序文には「後学の為に条目を筆端に染むる事、ひとえに広宣流布の金言を仰がんが為なり」──後代の門下のために、二十六箇の条目を書き記したことは、ただひとえに、(大聖人の)「広宣流布」の金言を仰ぐためである──と。
 さらに、結びの文には「万年救護の為に二十六箇条を置く」──万年の未来にわたり、一切衆生を救い護るために、二十六箇条を定めて置く──と示されている。
 日興上人の御胸中には、大聖人の御遺命たる広宣流布を実現して、すべての民衆を救わんとの大願が、御遷化のその時まで、赫々と燃えておられた。ここに日蓮大聖人の仏法の本来の「魂」がある。
 また、結びには「此の内一箇条に於ても犯す者は日興が末流に有る可からず」──この(二十六箇条の)うち一箇条でも犯す者は、日興の門流ではない──と厳誡げんかいされている。
 本来は「僧」に与えられた御遺誡であるが、創価学会は「地涌の菩薩」の自覚から、この御遺誡を厳格に実践してきた。
 戸田先生は、「若き身を 二六にろくおきて 胸にしめ 妙法のみちに 捨てよ命を」とまれ、青年に贈られた。
 「二六の掟」とは、二十六箇条の遺誡のことである。日興上人のいましめのごとく、不惜身命ふしゃくしんみょうで広布へ戦いゆけ、と青年を励まされたのである。
 次に、遺誡の各条目を概略、拝したい。

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