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日蓮大聖人・池田大作

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第五十九回本部幹部会、婦人幹、関西・兵… 法と共に「法を弘むる人」が尊い

1992.10.22 スピーチ(1992.6〜)(池田大作全集第81巻)

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1  美しき宝土に「四季の絵巻」
 この関西の秋の美しさ──まさに「金秋」である。「黄金の秋」の輝きに包まれての総会、本当におめでとう。
 皆さまの真心の唱題に支えられて、今回の中国訪問も大成功で終えることができた。全国の同志に、改めて御礼申し上げたい。
 二年ぶりに関西の墓園を訪れ、お元気な皆さまとお会いでき、本当にうれしい。またこの地で、関西の、そして全世界の同志の方々の追善も、ねんごろにさせていただいた。
 「守る会」の方々をはじめ役員の皆さまが真心を込め、すみずみまで手入れをし、この「生死不二の王宮」を荘厳してくださった。心から感謝申し上げたい。
 本日は、福岡研修道場に韓国の壮年部・男子部の代表、沖縄研修道場には台湾の婦人部・女子部の代表が参加されている。本当にご苦労さま!
 ──福岡といえば、中国へ向かう際も、帰国の際も、その上空を通過した。機中からも市街がよく見えた。私は九州の皆さまを思い浮かべながら、ますますのご多幸をご祈念させていただいた。
2  この地は、不思議なる″宝土″である。
 一昨日、雨のなか車で向かう途中の光景も、山水画のような美しさであった。とくに墓園に近い「霧山」は、中国の桂林さながらの、たたずまいであった。
 この地につらなる山々には不思議とけん(とげとげしさ)がない。
 牧口先生は「山は人情を和らげ、人の心を啓発する天師てんし(天なる師匠)」と言われたが、本当に先生は偉大である。ここ丹波の山並みには、そうした何ともいえない優しさがある。
 その山々は、壮麗な屏風のごとく、四季の絵巻を繰り広げてくれる。前回(一九九〇年六月)の、初夏の新緑も鮮やかであったが、秋のこの紅葉もまた見事である。
 「狭い自宅にいるよりも、墓園のほうが、よほど素晴らしい。ずっと幸せだ」と言う人もいた。
 地元の青年部の方が調べてくださったが、丹波の「丹」という字には「赤い」という意味もある。ゆえに丹波とは「紅葉の『赤い波』」を意味するのではないかと。語源については他の説もあるが、「赤い波」と言われるほど紅葉の丹波路は素晴らしい。
3  また、ご存じのとおり日本の標準時を決める東経一三五度の子午線は、この墓園を通っている。御本尊まします、この会場の真ん中が、ちょうど、その子午線と一致する。
 つまり太陽が、この会場の真上に来た時が、日本全体の正午である。今、皆さまは、日本列島の中心線上に、おられるわけである。
 その意味からも、兵庫創価学会の皆さまは、「日本の中心」の誇りも高く、「広宣流布」の模範の「時」を刻みつつ、堂々と進んでいただきたい。
 また、墓園のある、ここ氷上ひかみ町には、日本列島の背骨にあたる「中央分水界」が通っている。
 「分水界」とは、わかりやすくいえば、家の屋根の棟のように、降る雨を日本海側と太平洋(瀬戸内海)側とに分ける境界のことである。
 しかも、日本一低い「分水界」のある地が、ここ氷上なのである。その場所は、その名も「水分みわかれ」と呼ばれている。
 とともに、ここには日本海側に注ぐ由良川と、太平洋(瀬戸内海)側に注ぐ加古川の両方の源流がある。
 また、古代にあっては、大陸文化と大和文化を結ぶ地でもあったとされる。さらに、氷上の「ひ」とは、「日」「太陽」の意味に通じるともいわれる。
 その氷上に広がる関西記念墓園──幾重にも意義深い、まさに太陽きらめく「常楽城」といえよう。

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