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日蓮大聖人・池田大作

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全国青年部幹部会、茨城県総会 登ろう!最高峰の青春の山へ

1992.4.12 スピーチ(1992.1〜)(池田大作全集第80巻)

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1  ″敦煌の守り人″との永遠の友誼
 音楽隊・東京ビューグルバンドの皆さん、見事な演奏を披露してくださり、本当にありがとう!
 同バンドは、マーチングバンドのコンテストにおいて、一九九一年、全国大会に初出場で優秀賞(上位三団体に授与)、さらに本年一月の全国大会でも優秀賞(上位二団体に授与)に輝いている。東京都や平塚市(神奈川)などの記念行事にも出場し、すがすがしい音律が注目されていると聞いた。素晴らしい演奏に、重ねて感謝申し上げたい。
 本日は、この会場にSGI(創価学会インタナショナル)春季研修会などのため来日された十七カ国・地域の海外メンバーが参加されている。皆さん、ようこそ!おめでとう!
 また、茨城県、各大学会、転輪会の代表の方々も集っておられる。ご苦労さまです!
 一方、福井県では秋谷会長が出席し「ハートフル音楽祭」が行われている。「文化会館に一千人。外は、少し肌寒いけれど、会場は爆発的に盛り上がっています」との報告があった。本当におめでとう。
2  本日は、中国の常書鴻じょうしょこう氏(敦煌とんこう研究院名誉院長)とご家族を、創価大学にお迎えし、先ほど、常画伯から私に贈られた「チョモランマ」の絵の除幕式が行われた。(除幕式の模様は衛星中継で全国の会場にも伝えられた)
 常書鴻氏は「敦煌の守り人」として世界に名高い。その偉大な業績は、私も常氏との対談集(『敦煌の光彩』徳間書店刊)やスピーチ等で何度も紹介させていただいた。まさに中国の″国宝″ともいうべき方である。
 創大キャンパスの中に、互いを支え合うようにして立つ二本の桜──私はかつて、幾多の苦難また苦難を乗り越えてこられたご夫妻の勝利の人生をたたえて、「常書鴻夫婦めおと桜」と名付けた。厳しい冬を越えて、美しい花を咲かせる姿は、お二人の歩みをそのまま象徴している。
 ご夫妻もその夫婦桜をご覧になり、心から喜んでくださった。そして桜の前で幾度も記念写真を撮っておられた。「(名誉会長の)優しい心がうれしいのです」と──。
 きょうお会いした折にも、「創価大学に来ることができ、うれしい。何より、元気な名誉会長ご夫妻にお会いできてうれしいのです」と、繰り返し語っておられた。
 氏は、今月六日に誕生日を迎えられ八十八歳、米寿べいじゅとなられた。除幕式の会場にも、かくしゃくと歩いてこられ、ますますお元気な姿が私は本当にうれしかった。″まだまだ「青年」である。百歳まで戦いますよ″との心意気でおられる。「青年の心」なくして「新しい世界」は開かれない。「希望の未来」も築けない──その模範の気概を氏の姿が示していた。
 ともあれ、真の「友誼(ゆうぎ)の心」は永遠に消えない。
 この講堂の横の″文学の池″には、氏の書で「文学之池」「文学之橋」としたためられている。これも″真心には真心で″との「友好の宝」である。
3  人生は永遠に″戦い″、油断・甘えこそ敵
 さて、氏の存在なくして現在の敦煌芸術を語ることはできない。敦煌は北京から約二千キロ離れた中国甘粛省の西部に位置し、″シルクロードの宝石″と呼ばれる仏教文化の栄えた地。常氏は一九四三年以来、半世紀にわたり、砂漠に埋もれていた敦煌芸術の保護と研究、紹介に尽力した第一人者であられる。
 しかし文化大革命の嵐の中では筆舌に尽くせぬ残酷な弾圧を受けた。″敦煌の文物を盗んだ″等と無実の罪で追及されもした。だが、氏は迫害のなかでも笑顔を忘れない。「私は何も悪いことはしていない!」との確信は揺るがなかったのである。
 今、私も氏と同じ確信である。
 そして氏は、かけがえのない人類の文化遺産を守り抜くために、人知れず黙々と、ひたすらに戦い抜かれた。
 私は、そうした戦いの一つ一つをくわしくうかがった。その模様も収めた私どもの対談集の中国語版が、このほど完成し、きょう常氏が私のもとに届けてくださった。

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