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日蓮大聖人・池田大作

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インド第二回文化祭 仏法は″人の振る舞い″を教える

1992.2.8 スピーチ(1992.1〜)(池田大作全集第80巻)

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1  美しい詩と深き哲学に輝く満点の文化祭
 本当に立派でした。素晴らしかった。おめでとう!
 十三年ぶりに、ついに訪れることのできたインドで、このような絢爛たる文化祭を拝見させていただき、私の人生にとって、これほどの感動はない。
 美しい詩があり、深き哲学があった。悠遠な調べがあり、希望のハーモニーがあった。そして、お一人お一人の瞳が、限りなく輝いていた。満点の文化祭であった。
 皆さま方の、あの歓声、この姿を、私は終生、いな永遠に忘れない。
 本日、ご多忙のところご出席くださったご来賓のインド文化国際アカデミーのチャンドラ理事長ご夫妻、非暴力デリー会議のミシュラ議長、ガンジー記念館のラダクリシュナン館長、国際文化開発協会(ICDO)のバルマ事務局長ご夫妻、デリー大学ステファン・カレッジのウィルソン学長並びにご令嬢に、最大に感謝申し上げたい。
 とともに、皆さま方の晴れ舞台を見守ってくださったご家族の方々、本当にありがとうございます。つね日ごろからの温かなご理解に、心から御礼申し上げます。
 さらに、地方から遠路はるばるお集まりくださった皆さま、そして、陰で、すべてを支えてくださった役員の皆さま、本当にご苦労さまでした。
2  仏教の旗印は「人間主義」
 皆さまが、高らかに歌い上げた詩聖タゴール──私も青年時代から大好きな詩人である。皆さまの歌声を聴きながら、タゴールが、釈尊について語った言葉が、私の胸に迫ってくる。
 タゴールは言う。
 「インドにおける釈尊は人間を偉大なるものとなさった。(中略)釈尊は人間自身の中にある力を明らかになさり、恩恵とか幸福といったものを天から求めようとせず、人間の内部から引き出そうとなさった。
 かくのごとく尊敬の念をもって、信愛の心をもって、人間の内にある智慧、力、熱意といったものを釈尊は大いに讃美なさり、人間とは惨めな、運命に左右される、つまらぬ存在ではないということを宣言なさった」
 釈尊の、この偉大なる「人間主義」の宣言は、幾千年の歳月を経て、今、皆さまによって、悠久のインドの大地に蘇った。
 本日の文化祭は、新たなる「仏教ルネサンス」の開幕を、インドから全世界へ告げゆく歴史的な″劇″となった。皆さま方、お一人お一人が二十一世紀の壮大なる歴史を創出しゆく哲人である。リーダーである。
3  タゴールはまた、「人々を集わせた仏教の旗じるしは、何か」と論じている。
 それは窮屈な教義(ドグマ)ではない。釈尊が示した友愛の精神、人間愛こそが、人と人との間の壁を取り払ったのである、とタゴールは見る。
 今、皆さまも、尊い友情を幾重にも広げておられる。
 仏伝によれば、釈尊は、「実に<さあ来なさい><よく来たね>と語る人であり、親しみあることばを語り、喜びをもって接し、しかめつらをしないで、顔色はればれとし、自分のほうから先に話しかける人である」と──。
 こうした釈尊の人間性の輝きがなければ、仏教は、世界宗教として人々を照らすことはできなかったであろう。
 日蓮大聖人は、「教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ、穴賢・穴賢、賢きを人と云いはかなきを畜といふ」──教主釈尊が、この世に出現された根本の目的は、「人間としての正しき振る舞い」を教えられることであった。穴賢・穴賢。賢いものを「人間」といい、愚かなものを「畜生」というのである──と仰せである。
 どうか、インドの皆さまは、さらに仏法の「人間主義」「文化主義」「平和主義」の旗を高く掲げ、お一人お一人が偉大なる″人格の王者″となっていただきたい。
 とともに、特に青年部の皆さまには、「ご両親を大切に」とお願いしたい。

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