Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

日本・トルコ合同文化の集い 民衆の「自由の行進曲」高らかに

1991.11.10 スピーチ(1991.10〜)(池田大作全集第79巻)

前後
1  日本・トルコの友情の交流を太く強く
 素晴らしい「友好の道」をつくる文化の集い、おめでとう!
 本日は、アルク大使ご夫妻はじめ、トルコ大使館関係者の皆さま、またアンカラ音楽院のシムシェック教授、トルコ国立バレエのプリマ・バレリーナであるスメン女史がご列席くださっている。本当にありがとうございました。
 また、トルコ・アンカラ大学から、創価大学に来られている留学生の方々も出席されている。
 日本からは、神奈川、東京の世田谷、江東、そして静岡の代表の皆さま、さらに、専門部、白樺グループ、女子部国際部のメンバーも参加されている。本当にご苦労さま!また、ありがとうございました。
 アルク大使は、我が創価大学の名誉博士であられる。
 四年前の一九八七年(昭和六十二年)五月、初めてお会いしてより、常に深き友情で結ばれてきた。
 この間、民音を通じての交流、創大とアンカラ大学の交流など、両国の「教育」と「文化」の道を、太く強く広げることができた。大使の地道な、真剣なご尽力のお姿に、私は、真実の「祖国愛」を見る思いがした。
 さらに、オザル大統領ご夫妻との会見(一九九〇年十一月)や、「トルコ・日本友好百周年記念金褒章きんほうしょう」の受章式(同六月)の際にも、多大なご尽力をいただき、心より感謝申し上げたい。
2  トルコ・ルネッサンス「心は鎖でつなげない」
 きょう十一月十日は、ちょうど、トルコ建国の父、ケマル・アタチュルク初代大統領の命日である(一九三八年十一月十日)。初代大統領は、トルコにおける「ルネサンス」と「宗教革命」と「産業革命」を一挙に成し遂げたといわれる、偉大なる指導者である。同大統領によってトルコは近代の夜明けを迎えたとされる。
 トインビー博士も、初代大統領の先駆的改革に注目しておられた。
 初代大統領は、宗教を利用する特権階級と徹底して戦った。
 ″民衆の骨の髄までしゃぶり、その汗で太る貪欲な聖職者は、トルコという若木が陽の光を受けて育っていくのを邪魔する寄生のツタである″──と、悪しき宗教の権威を取り除いた。
 その初代大統領をしのぶ意義ある日に、このような友好の集いをもつことができ、私はうれしい。
 また、その意義を先ほどアルク大使に申し上げたところ、大使は笑顔で、「そうです。きょうは大切な日なのです」と、うなずいておられた。
3  さて、トルコ大革命(一九二〇年ごろ)のさなか、一つの偉大なる民衆のマーチが生まれた。それは「独立行進曲」と名づけられた現在の国歌である。
  永遠の過去から、私は自由に生きてきた、これからもそうするつもりだ
  どこのおろか者が、私を鎖につなぐというのだ!その気が知れない
  私は荒れ狂う洪水、せきを破り、あふれる!
  山をのみ込み、大洋をさえ越えてあふれ出るのだ!
  (E・Z・カラル著『世界の教科書 歴史トルコ3』永田雄三訳、ほるぷ出版刊)
 ──我々は自由である。いかなる鎖にもつながれる義務などない。民衆の自由の雄叫おたけび。それは、いかなる権威の山も突きくずし、権力の海をもおおいつくすのだ、と。
 心は鎖ではつなげない──魂の自由を壮大にうたった胸打つ曲である。

1
1