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日蓮大聖人・池田大作

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第二回大田記念文化音楽祭 一人の勇気が万人の勝利を

1991.8.31 スピーチ(1991.7〜)(池田大作全集第78巻)

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1  喜びの明日へ勇んで旅立ち
 大成功の文化音楽祭、本当におめでとう(拍手)。夏休みも返上し、練習に練習を重ねての″自分たちの歌声″″自分たちの文化創造″――内容も″満点″に近いと思う。(拍手)
 富士鼓笛隊の皆さんの演奏にも感銘した。鼓笛隊は、将来、中国での演奏も計画している(拍手)。(=一九九五年十月二十三日、「日中青年親善コンサート」で中国の楽団と共演)また「The Path(道)」を歌ったダイアモンド合唱団(高・中等部)の皆さんもすばらしかった。ミュージカル『レ・ミゼラブル』からの歌も感動した。『レ・ミゼラブル』からの曲にもあったように、今まさに、民衆の世紀の「夜明け」である。「喜びの明日」は、わが胸中にある。ともに、勇んで旅立ちたい。(拍手)
2  『レ・ミゼラブル』は、私も青春時代、最も愛読した作品の一つである。読んでは思索し、思索しては読み、重要な個所は、ほとんど暗記するほどに読み込んだ。もちろん御書も、御文が口をついて出てくるぐらい、何回も何回も繰り返し拝読した。
 御書の拝読は当然のこと、若い時にこそ、良書を読まなくてはいけない。
 戸田先生は、それは厳しかった。「長編を読め、古典を読め。今、読んでおかないと、人格はできない。本当の指導者にはなれない」。青年が、くだらない雑誌など読んで、面白がっているようでは、立派な指導者にはなれない、と。
 ともかく青年部は、皆、読まされた。私も徹底して読んだ。今なら喫茶店へ行ってコーヒーでも飲みながら、といったところだろうが、当時はそんな余裕などなかった。
 私はよく墓場で読んだものだ。いちばん静かだし(笑い)、一銭もかからない(爆笑)。それぐらい集中して、むさぼるように読んだのが、『レ・ミゼラブル』でもあった。
 そこで、きょうは、ユゴーの傑作中の傑作といわれるこの作品の一場面をとおして、少々、お話ししたい。
3  ユゴーは描いた――一人の決起が万軍の勇気に
 一八三二年、パリで共和主義の理想を掲げた民衆が立ち上がった。革命である。ここにユゴーが描こうとしたのは、皇帝でもなければ、一部の権力者でもない、「民衆」の歴史であった。
 時代はやがて「民衆」を主権者に選ぶ。必ず「庶民」を王座に据える――。その″時の必然″を予言したのが、ユゴーであった。
 先日、ソ連の保守派によるクーデターが失敗した。決め手は「民衆」の決起であった。
 ある婦人部の方が、手紙で、このように述べておられた。
 ――ゴルバチョフ大統領が軟禁されていると報じられた時、池田先生の友人であり、世界にとって大切な人だからと思い、無事を一生懸命、祈った――と。
 また――ソ連の場合は、民衆への反逆者は国法によって処罰されるが、仏法の世界には権力による裁きはない。しかし、日蓮大聖人のお裁きは絶対です。国法で裁かれることなど、比較にならないくらいの、厳然たる結果が表れるにちがいありません――と。

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