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日蓮大聖人・池田大作

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結成四十周年記念青年部総会 「人権」「文化」「世界市民」の時代に

1991.7.14 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

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1  「新しき歴史」開いてこそ青年
 「未来」は青年のものである。「世界」は青年の舞台である。「世界広宣流布」の未来は、すべて、SGI(創価学会インタナショナル)の青年部の皆さんに託す以外にない。この壮大な新世紀の道を継ぎゆく″新思考の旗手″、代表八十万人による記念総会、本当におめでとう!(拍手)
 また、ただ今は、音楽隊・軽音楽部の代表の方々が「The Path(道)」(イギリスの友の制作した曲)を、じつにすばらしい歌声で披露してくださった。本当にありがとう。(拍手)
2  さて、皆さんの唱題に支えられ、大成功で終えることができた今回のヨーロッパ訪問――。最終の訪問地となったイギリスで、私はロンドン市内の有名な公園であるハイド・パークを散策した。
 小雨が樹々をうるおす、さわやかな日曜日の午前のことであった。現地の青年部メンバー数人と語らいながら歩いた公園の美しい緑。傘をさしかけてくれた青年の凛々しいかんばせ――。忘れ得ぬ思い出を刻むひとときとなつた。
 イギリス、フランス、ドイツ。いずれの国もすばらしい広布発展の足跡を刻んでいた。とくに青年部は、社会的にも、また確固たる人格のうえでも、一騎当千の人材が数多く育っており、頼もしいかぎりであった。
 公園の横では、″朝市″が開かれ、手作りの工芸品などを売る店が並んでいた。私はそこで一枚の絵画を求めた。スペインの巨匠ゴヤの有名な「一八〇八年五月二日」の複製である。なお、スペインの男子部の皆さんからも、以前、同じ絵の複製を贈っていただいたことがある。
 ちなみに、現在、「ゴヤ展」(仮称)の実現に向け、東京富士美術館とスペインの関係者の間で準備が進められている。(=平成五年四月〜六月、「巨匠ゴヤの名作〈四大版画集〉」展として開催)
3  ゴヤのこの絵は、実際に行われたフランス軍によるスペイン農民の銃殺の場面を描いている。一八〇八年、ナポレオンのイベリア半島侵略に対してスペイン国民が立ち上がり、「半島戦争」が勃発した。ゴヤの「五月三日」は、前日の二日に起きた民衆の決起に対するフランス軍の弾圧の模様を題材としている。
 ナポレオンの命令によリフランス軍は、決起に関係したと思われるスペイン人を、裁判にもかけず死刑に処した。刑を執行する兵士たち。命令に従ううちに殺人が手柄のようになり、農民たちを次々と冷酷に射殺していく。
 この時、マドリードの市民はフランス軍兵士への怒りに燃えて、ゲリラ戦を展開していた。スペイン語で「小規模な戦闘」を意味する「ゲリラ」という言葉も、この戦いから有名になった。
 「どうすれば横暴な権力を倒し、祖国を守れるか」――。民衆が苦しみのなかから生みだした戦術であった。そして一八一三年、ついにナポレオン軍はスペインからの撤退を余儀なくされたのである。
 傲慢な権力の敗北であった。民衆の「勇気」と「団結」の勝利であった。「信念」で勝ち取った栄光であった。その史実は、祖国の平和と広宣のために戦う、スペインはじめ各国の同志の姿と二重写しになって、私の心に鮮烈に燃きついている。(拍手)

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