Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第一回SGI世界青年部幹部会 諸君は仏法史、各国史に輝く先駆者

1991.7.10 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

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1  生涯、民衆の幸福と平和と安穏のために
 遠いところ、また経済的にもたいへんなところ、こうして皆さまは、はるばる仏道修行のために集われた。本当に尊貴なる姿であると私はたたえたい。日蓮大聖人、日興上人も最大に喜ばれ、称讃してくださっていると確信する。(拍手)
 皆さまは、それぞれの国における「仏法を基調とする平和・文化・教育の推進」の指導者である。やがて仏法史、また各国の国民史に残るであろう先駆者である。日蓮大聖人の「一閻浮提の仏法」を広宣流布する仏子である。その仏子には必ず諸天善神の守りがある。このことを確信していただきたい。
 一生は長い。青年期は短い。だからこそ、このかけがえのない青年時代に、本格的に仏道修行を積んでいただきたい。社会と生活のなかで、一日一日を勝ちぬいていただきたい。そして、その盤石の土台の上に、一生涯、悠々と、民衆の幸福と平和と安穏のために、戦いぬいてもらいたい。
 皆さまは、そうした栄誉ある、使命ある、深き仏意仏勅を受けた青年リーダーである。その、永遠にして無上の「誇り」をもって進んでいただきたい。
 本日は少々、むずかしいかもしれないが、将来のために何点かスピーチしておきたい。(拍手)
2  宇宙論――一切に「声」あり
 フランスの文豪ヴイクトル・ユゴーは、こう謳っている。
  「永遠の賛歌が、もうひとつの大気のように
   ひろがりあふれ、大海をくまなく
   おおっていた。世界はこの交響楽に包まれ
   空中を流れるように 諧調の中を流れていた。
   わたしは思いにふけりつつ この天空の竪琴に聞きいった」
  「夜も昼もうたいつづけるこの大合唱のなかで
   一片の波 一人の人間が それぞれ自分の調べ 自分の響きをもっていた」
   (「山のうえで聞いたこと」から、詩集『秋の木の葉』辻昶訳、『世界名詩集大成』2所収、平凡社)
3  この大詩人が、深遠な直観知でとらえた宇宙の姿。それは、壮大なる″天球の交響楽″が、″天空の竪琴″が鳴り響く、「万物が声を発する」世界であった。「賑やかなる宇宙」であった。
 かつて科学は物質的宇宙を、静かな″ものいわぬ物質の集まり″のごとく見なしていた。しかし、最新の科学の知見によれば、自然と宇宙は、絶対に「沈黙の世界」ではない。無言の、また無音のままに凍りついた、静寂が支配する″死の世界″ではない。むしろ音声に満ちた、よリダイナミック(動的)な世界なのである。
 素粒子・原子・分子等のミクロ(極小)の世界から、生物の世界はもちろん、惑星から太陽系・銀河系等のマクロ(極大)の世界まで、すべては調和的な音楽的法則にのっとって、振動し、声を発している、と。
 そのうち″ミクロの世界″はどうか。
 よく知られているように、「物質」と「エネルギー」は別のものではない。「エネルギー」が比較的安定した姿が「物質」と呼ばれる。要するに存在するのは、エネルギーのみであり、宇宙の土台をつくっているのは、運動し、振動してやまない「量子の世界」である。ゆえに宇宙には一瞬の休止もない。いわば″永遠のダンス″を踊っている。

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