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日蓮大聖人・池田大作

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ドイツ青年代表者会 君たちは″平和の仏法″の使徒

1991.6.6 スピーチ(1991.4〜)(池田大作全集第77巻)

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1  青年の成長が未来を約束
 すばらしい青年の、すばらしい集い、おめでとう!
 かつて中国では、三人の青年が立ち上がって、国家の統一と平和のために戦った。『三国志』の有名な歴史である。また日本の創価学会も、青年が立って一切を支えた。私をはじめ百数十人が、恩師のもとから出発し、核となって、数百万人へと発展した。日本の復興の原動力となったと自負している。
 今、ドイツにも、これだけのすばらしい青年がいる。真剣な青年が集っている。二十年後、五十年後には、どれほどの偉大な未来が約束されていることか。(拍手)
 ただ今、皆さんと三座の勤行を行った。全員の長寿と多幸、そしてドイツの繁栄と栄光を祈り、ともにご先祖の追善を行った。私は皆さんの人生の勝利を一生涯、祈り、見守っていく。(拍手)
 きょう六月六日は、牧口初代会長のお誕生日。生誕百二十年の意義ある日である。牧口先生が誕生された一八七一年(明治四年)といえば、宰相ビスマルクのもと、ドイツの統一が成し遂げられ、新しい発展の道が開かれた年である。
 この時は、いわば″上からの統一″であった。今回は、民衆の盛り上がりのなか、″統一″を実現された。心からお祝い申し上げたい。(拍手)
2  「哲学の国」で人間王者の道を
 牧口先生は、日蓮大聖人の平和の大仏法を掲げ、日本の軍国主義と戦われた。入獄し、獄死された。殉教である。七十三歳――。
 諸君も七十三歳を一つの目標に、生きて生きぬき、広宣流布へ活躍していただきたい。自分のため、同志のため、家族のために――。祖国のため、平和のために――。
 その原動力は「題目」である。いかなる嵐にも、軌道を過たず飛行する推進力となるのが「勤行・唱題」なのである。
 亡くなる一カ月前、獄中からの最後のはがきに、牧口先生は「カントの哲学を精読している」と記されている。寒く狭い独房。衰弱した体で、最後の日々を、牧口先生は、貴国の偉大なる哲学者カントの書を読んで過ごされたのである。(拍手)
 難解な哲学の書――ふだんでも読む人は多くない。牧口先生は、最後まで求道者であった。最後の最後まで、学び、みずからの思想を深めておられた。
3  カントは、理性の自由な行使を人々に訴え、理性を抑圧するものを批判した。″悪しき宗教の権威の奴隷になるな! 人間の自由と尊厳を守りぬけ!″――こう呼びかけて、圧迫も受けた。
 牧口先生も、だれ人が何と脅そうとも、理にかなわぬ行為は、断固、拒否された。あらゆる圧迫のなか、真実の「信仰の王者」「人間の王者」の道を貫かれたのである。まさに偉人であった。勝利者であった。
 ちなみにカントは、ヨーロッパで、いち早く「法華経」に注目していた人物である。すでに二百年ほど前、「彼ら(=日本人)の宗教書は花の本〔=妙法蓮華経〕と呼ばれる」(『自然地理学』三枝充悳訳、『カント全集』第15巻所収、理想社)と記している。
 ともあれ、そのカントを生んだ哲学の国ドイツの地で、かくも凛々しき地涌の青年たちが、不思議なる″平和の仏法の使者″たちが、生誕百二十年を祝賀し、ともに祈る姿を、牧口先生はどれほど喜ばれているであろうか。また、カントも喜んでいると信ずる。(拍手)
 諸君も、きょうからは、いわば「妙法のカント」として、求道の信念の一生を生きぬいていただきたい。(拍手)

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