Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

「4・2」記念大田、品川、目黒、川崎合… 精神の不動の支柱に「自由の旗」高く

1991.3.27 スピーチ(1991.1〜)(池田大作全集第76巻)

前後
1  『人間革命』第十一巻の連載を再開
 東京の大田、品川、日黒、そして神奈川の川崎の代表による合同幹部会。これまでにない、ユニークな組み合わせである(笑い)。すばらしいアイデアだと思う。四地域の″新思考″の集いに、心から「おめでとう」と申し上げたい。(拍手)
 何事も、″新鮮さ″が大事である。そのための知恵が必要となる。壇上の顔ぶれにしても、いつでも同じだと、飽きるという人がいる。(笑い)
 戦いには、つねにフレッシュな息吹を取り入れることである。水もよどめば清流にならない。皆が飽き、疲れては勢いよく前に進めない。臨機応変に、皆が新鮮な気分で出発できるよう、リーダーは賢明な指揮をお願いしたい。
 きょうは、八丈島をはじめ、伊豆七島圏の代表も参加されている。地元では音声による衛星中継で、会合の模様をお聴きになっているとうかがった。「八丈島、頑張れ! 学会っ子らしく、ともに悠々と進もう!」とエールを送りたい(拍手)。そして暖かく自然豊かな八丈島に、将来、各地の友が研修に訪れてはどうかと提案させていただく。私もできれば訪問したい。(拍手)
 また東京、神奈川、茨城、沖縄の各会場で、ご参加の皆さまに「ご多忙のなか、ようこそ、たいへんにご苦労さまです」と、ねぎらい申し上げたい。(拍手)
2  初めにお話ししたいのは、小説『人間革命』のことである。多忙でもあり、長い間、執筆を休んでいたが、いよいよ本年五月三日から、「聖教新聞」に連載を開始することを決意した(拍手)。
 挿絵は、これまでどおり三芳悌吉画伯にお願いし、現在のところ週三回、掲載の予定である。
 第一巻の冒頭を執筆したのは沖縄であった(昭型三十九年〈一九六四年〉十二月)。沖縄の皆さまにも、謹んで執筆再開をご報告したい(拍手)。(=小説『人間革命』は昭和四十年〈一九六五年〉元日号から「聖教新聞」に連載。第十一巻前半の三章は昭和五十五年〈一九八〇年〉八月から十一月まで、後半の二章は平成三年〈一九九一年〉五月から十年ぶりに再開された。平成五年二月に全十二巻が完結し、一九九七年四月現在、すでに英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語にも完訳されている)
3  「賢者の論」を教えた『ミリンダ王の問い』
 さて、『ミリンダ王の問い』という有名な仏教の古典がある。今から二千百年ほど昔(紀元前二世紀後半)、西北インドを治めていたギリシャ人の王ミリンダと、仏教僧ナーガセーナの、いわば″対談集″である。(漢訳『那先比丘経なせんびくきょう』。仏典として『大蔵経』にも収録されている)
 アレキサンダー大王の遠征以後、インドにもギリシャ人が住むようになり、仏教に帰依した人々も多かった。東西文明が出あい、たがいに触発しあった時代でもあった。この″対談集″には「西洋的論理」と「東洋的英知」の興味深い対話が収められている。
 中国の常書鴻・敦煌研究院名誉院長と対談したさいにも、仏像の誕生に、ギリシャの芸術・文明が大きな影響を与えた事実が話題になった。
 ともかく、二千百年前の対話が、今も世界の人々を啓発している。偉大な力である。現代の″売らんがため″の浅薄な本や雑誌とは次元が違う。本物は、時空を超えて魂を揺さぶる。つねに時代の先端に、新しい示唆を与え続ける。
 私が世界の知性を代表する方々との″対談集″を、一つまた一つと語り残しているのも、そうした方軌にのっとって「真実」を残したいからである。
 にせ物はむなしい。はかない幻のごとき偽りの言に染まり、巻き込まれては、自分まで幻の迷走の人生となってしまう。

1
1